テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】発生過程に見られる体内時計の抑制が正常な胎児の成長に不可欠であることを解明!~体内時計のリズム発振機構が分節時計に干渉し体節形成を阻害することを発見~

研究の概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 教授 八木田和弘 および 講師 梅村康浩 らの
研究グループは、胎児の発生過程に現れる二つの生物時計(分節時計と体内時計)の関係性に注目し、
発生前半に「体内時計が抑制されている」ことが正常な胎児の発生に必要であることを 明らかにしました。
本件に関する論文が、米国科学雑誌『米国科学アカデミー紀要』に12月20日付けで掲載されましたのでお知らせします。
 新生児期の赤ちゃんには睡眠覚醒リズムなど概日リズムが見られません。一見、不利に 思える現象の背景に、正常な発生制御に不可欠なメカニズムが関連することを発見しまし た。 これまで発生 学 の研究はもっぱら「形態形成(形づくり)」に焦点が当てられていまし たが、生物時計によるリズム(時間)の制御が正常な胎児の発生に重要な役割を果たして いることを明らかにしました (図 。 本研究成果をもとに、 今後は 、 胎児の体内時計 生 活リズムが胎児に与える影響などの理解が進むこと が期待されます。

研究成果のポイント

・発生過程を通し、 哺乳類の体内時計の形成は非常に遅く、胎児期後半までは抑制される
・胎児を形づくる体節形成期を人工的に再現した胚オルガノイドを用いて、 体内時計の鍵因子 CLOCK/BMAL1 の発現 が 分節時計に干渉し正常な体節形成を妨げる
ことを 発見
・分節時計が正常に機能するために体内時計の抑制が必須であり 、 哺乳類の 遅い体内時計の 発生 には生理学的な意義がある


掲載論文情報

論文名:Circadian key components CLOCK/BMAL1 interfere with segmentation
clock in mouse embryonic organoids
(日本語:マウス胚オルガノイドによる体内時計の鍵因子CLOCK/BMAL1による
分節時計への干渉機構の解明)
雑誌名:PNAS (アメリカ科学アカデミー紀要)
(米国東部時間 2021年12月20日15:00/日本時間12月21日5:00 オンライン掲載)
雑誌の発行元国:アメリカ合衆国
代表著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 八木田和弘
共同著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 梅村康浩
京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 小池宣也
京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 土谷佳樹
京都大学ウイルス再生医科学研究所 渡邊仁美
京都大学ウイルス再生医科学研究所 近藤玄
京都大学ウイルス再生医科学研究所 影山龍一郎
リリース資料はこちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093