テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】肺がん細胞が分子標的薬に抵抗する新規メカニズムを解明~IGF-1R活性化に起因したEGFR阻害薬の初期抵抗性に関する論文掲載について~

京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 病院准教授 山田忠明、金沢大学がん進展制御研究所/ナノ生命科学研究所 教授 矢野聖二らの研究グループは、日本人の肺がんの約20%を占めるEGFR 変異肺がんにおいて,分子標的薬にさらされた腫瘍細胞の一部が抵抗して生き残るメカニズムを解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『Nature Communications』に2020年9月14日(月)付けで掲載されましたのでお知らせします。本研究は、分子標的薬にさらされた肺がん細胞がインスリン様増殖因子1 受容体(IGF-1R)のタンパク質量を増やすことにより,抵抗し生き延びることを初めて解明しました。本研究成果をもとに、将来,肺がんを根治させる治療につながるものと期待されます。
 

本研究成果ポイント

○日本人の肺がん患者全体の約 25%を占める EGFR 遺伝子に異常のある肺がんは、がん細胞の一部が「治療抵抗性細胞」となり早期に治療が効かなくなる初期抵抗性が問題となっています。
○本研究では、EGFR阻害薬にさらされた肺がん細胞がインスリン様増殖因子1受容体(IGF-1R)のタンパク質量を増やすことにより,抵抗し生き延びることを明らかにしました。
○治療当初からIGF-1R分子を短期間抑えることでEGFR阻害薬の治療効果が増強し、根治あるいは再発までの期間を劇的に伸ばす新たな治療法として期待されます。
 

発表基礎情報

 雑誌名:Nature Communications
オンライン閲覧:https://www.nature.com/articles/s41467-020-18442-4
論文タイトル:
    (英)Transient IGF-1R inhibition combined with osimertinib eradicates AXL-low expressing
       EGFR mutated lung cancer
    (日)オシメルチニブと一過性のIGF-1R 阻害の併用はAXL 低発現のEGFR 変異肺がんを根絶する
共同代表著者:京都府立医科大学 大学院医学研究科呼吸器内科学 山田忠明
       金沢大学がん進展制御研究所/ナノ生命科学研究所 矢野聖二

研究情報

《研究課題名》
Transient IGF-1R inhibition combined with osimertinib eradicates AXL-low expressing EGFR mutated lung cancer
《代表研究者》
京都府立医科大学 大学院医学研究科呼吸器内科学 山田忠明
金沢大学がん進展制御研究所/ナノ生命科学研究所 矢野聖二
《共同研究者》
金沢大学がん進展制御研究所 腫瘍内科 Wang Rong
金沢大学がん進展制御研究所/新学術創成研究機構 鈴木 健之
Nanfang Hospital of Southern Medical University Wang Wei
京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学 高山 浩一
《資金的関与(獲得資金等)》
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)次世代がん医療創生研究
事業,日本学術振興会科学研究費助成事業,金沢大学がん進展制御研究所共同研究費
 
プレスリリース資料は こちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093