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【論文掲載】多発性骨髄腫に対する新たな分子標的治療法の開発へ~多発性骨髄腫に対するRSK/AKT/S6Kトリプル阻害剤ならびにBCL2阻害剤との併用療法の効果とメカニズム、前臨床試験に関する論文掲載について~

本研究成果のポイント

〇 RSK/AKT/S6Kトリプル阻害剤であるTAS0612は、多発性骨髄腫に対して細胞遺伝学的・分子腫瘍学的異常の様式に関わらず、強力な抗腫瘍効果を発揮する。
  TAS0612は、多発性骨髄腫の病態形成と予後に関わる重要な分子を制御しうる。
〇TAS0612とBCL2阻害剤であるの併用は、さらに強力な抗骨髄腫効果をin vitro(細胞培養実験)のみならず、疾患モデルマウスでも発揮し得る。これらの結果から、難治性造血器腫瘍である多発性骨髄腫に対する新たな分子標的治療法の開発が期待される。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 教授 黒田純也らの研究グループは、難治性造血器悪性腫瘍である多発性骨髄腫に対して新規RSK/AKT/S6Kトリプル阻害剤TAS0612(大鵬薬品工業株式会社)が強力な抗腫瘍効果を発揮しうること、既存のBCL2阻害剤であるベネトクラクスとの併用により、さらに強力な抗腫瘍効果を発揮しうることを解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『Leukemia』に(10月22日)付けで掲載されましたのでお知らせします。
 本研究において、TAS0612は、染色体異常や遺伝子異常の様式に関わらず、普遍的に骨髄腫由来細胞株、ならびに患者由来初代骨髄腫細胞に対して、抗腫瘍効果を発揮すること、MYCやmTORに関連する分子のほか、多発性骨髄腫の予後に関わる分子の発現を制御すること、ベネトクラクスとの併用により、in vitro(細胞培養実験)ならびに骨髄腫モデルマウスにおいても相加・相乗的抗腫瘍効果を発揮することが明らかになりました。本研究成果をもとに、新たな分子標的治療法の開発が期待されます。

論文情報

雑誌名 Leukemia
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 英国
オンライン閲覧 可 https://www.nature.com/articles/s41375-024-02439-9
掲載日 2024年10月22日(日本時間)
論文タイトル(英・日)
 Robust Anti-myeloma Effect of TAS0612, an RSK/AKT/S6K Inhibitor, with Venetoclax Regardless of Cytogenetic Abnormalities
(日本語:RSK/AKT/S6K阻害剤TAS0612とベネトクラクスの細胞遺伝学的異常に関わらない強固な抗骨髄腫効果)
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 岡本明也
共同著者 
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 黒田純也
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 水谷信介
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 塚本 拓
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 民西(桂川)葉子
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 金山(川路)悠加
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 水原健太郎
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 村松彩子
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 伊佐怜子
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 藤野貴大
 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 志村勇司
 大鵬薬品工業株式会社トランスレーショナル研究所 市川幸司
 
プレスリリース資料はこちら

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