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【論文掲載】3型自然リンパ球は高脂肪食の脂肪毒性から肝臓を守る~脂肪肝モデルマウスにおける3型自然リンパ球の役割解明についての論文掲載について~

研究概要

京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学 学内講師 濵口真英、病院助教 岡村拓郎、教授 福井道明らの研究グループは、脂肪肝モデルマウスにおける3型自然リンパ球の役割を解明し、本件に関する論文「Group 3 Innate Lymphoid Cells Protect Steatohepatitis From High-Fat Diet Induced Toxicity」が、科学雑誌『Frontiers in Immunology』に2021年3月15日付けで掲載されました。
 
本研究は、高脂肪食による非アルコール性脂肪肝疾患モデルマウスを用いた動物実験で明らかにしたものです。この実験では、高脂肪食により脂肪化した肝臓では3型自然リンパ球が増加していることを発見しました。3型自然リンパ球では核内転写因子RORγt(Retinoic acid-related orphan receptor gamma t)が機能発現において重要な働きをしています。
今回の研究では、RORγtが欠損したRORγt-GFPノックインマウスでは3型自然リンパ球の機能が低下し、非アルコール性脂肪肝炎に類似した肝炎が発症することを明らかにしました。さらには質量分析による肝内脂肪酸分析によって、高脂肪食により肝臓でパルミチン酸濃度が上昇することを確認し、培養肝細胞にパルミチン酸を投与すると細胞死をきたすこと、3型自然リンパ球が分泌するIL-22を投与すると細胞死が抑制されることを確認しました。
これらのことから高脂肪食による脂肪肝では、3型自然リンパ球が増加することで肝細胞が守られ、脂肪肝炎への進展が抑制されていることが明らかになりました。このため、肝臓において3型自然リンパ球を活性化することが非アルコール性脂肪肝炎の新しい治療法となることが期待されます。

論文概要

論文タイトル:Group 3 Innate Lymphoid Cells Protect Steatohepatitis From High-Fat Diet Induced Toxicity
和文タイトル: 3型自然リンパ球は高脂肪食の脂肪毒性から肝臓を守る
雑誌名:Frontiers in Immunology
オンライン閲覧:可  掲載日 2021年3月15日
代表著者 
京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学
濵口真英
岡村 拓郎
共同著者
同 西田 健祐
同 芳村 悠太
同 橋本 善隆
同 牛込 恵美
同 中西 尚子
同 間嶋 沙織 
同 浅野 麻衣
同 山﨑 真裕
アジレント・テクノロジー株式会社 高桑 裕史
同 喜多 正和
同 福井 道明
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