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【論文掲載】皮膚線維芽細胞から低分子化合物・無血清培地でヒト褐色脂肪細胞を誘導~簡便かつ短期間で作製、創薬研究などに利用可能が期待~

京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞再生医学 戴平 研究教授らの研究グループは、ヒト皮膚由来線維芽細胞を最適化された数種類の低分子化合物を添加した無血清誘導培地を用いて培養することにより、褐色脂肪細胞を誘導する方法を開発しました。本研究成果は、英国科学雑誌『Scientific Reports』に、掲載されます。(英国時間:2020年2月28日(金)10時付掲載)

 褐色脂肪細胞は、脂肪を蓄えるための細胞ではなく、脂肪を燃焼し熱を産生する細胞として知られており、体温の維持や代謝の向上によって、肥満や糖尿病の予防に重要な役割を果たしていると考えられています。研究グループは、ヒト皮膚由来線維芽細胞から数種類の低分子化合物を添加した無血清培地を使用し、褐色脂肪細胞を簡便かつ短期間で誘導する方法を開発しました。この誘導方法は、遺伝子の導入を行う必要がなく、動物由来成分や未知の成分を含む血清を使用しないため、基礎研究だけでなく、創薬研究にとって極めて重要です。また、この褐色脂肪細胞は上記の理由から安全性が高いことが想定され、将来的な臨床応用や細胞移植治療を行う上で大きなメリットとなります。今後、ciBAsを用いて褐色脂肪細胞がヒトの体内で発生する仕組みの解明や、体内の褐色脂肪細胞を増加させる機能性食品や薬の評価、個別化医療などに利用されることなどが期待されます。
 
【論文名】
A developed serum-free medium and an optimized chemical cocktail for direct conversion of human dermal fibroblasts into brown adipocytes
[日本語:ヒト皮膚線維芽細胞から褐色脂肪細胞への直接転換に向けた低分子化合物の最適化と無血清培地の開発]
 
【掲載雑誌】
英国科学雑誌Scientific Reports
[2020年2月28日(金)午前10時(英国時間)オンライン掲載]
【研究グループ】
京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞再生医学 研究教授 戴 平
京都府立医科大学大学院医学研究科 細胞再生医学 助教   武田 行正
 
<研究プロジェクトについて>
株式会社片岡製作所には、本学細胞再生医学のダイレクトコンバージョン研究に対し、共同研究者として多大なるご理解・ご支援を頂いており、これにより精力的に研究を推進しています。
本研究は、以下の研究費の支援によるものです。
株式会社片岡製作所との共同研究費 29共021(研究代表者:戴平)
文部科学省科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 16K15222(研究代表者:戴平)
文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(C)18K12038(研究代表者:武田行正)
公益財団法人武田科学振興財団 医学系研究助成(研究代表者:武田行正)
 
プレスリリース資料はこちら

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