テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】多発性骨髄腫に対するRSK2、AKT二重阻害療法の理論的基盤

本研究成果のポイント

○難治性造血器悪性腫瘍である多発性骨髄腫に対する新規分子標的治療薬の開発には、細胞遺伝学的・分子生物学的不均一性の克服が重要な課題である。
○我々のグループは、従来からRSK2のN末端キナーゼ活性の制御が骨髄腫における普遍的な治療標的分子となりうることを提唱してきた。今回、さらにRSK2*1とAKT*2の二重阻害が強力な治療法と成り得る可能性、ならびにその分子生物学的理論基盤を明確にした。
○RSK2/AKT二重阻害療法の開発・前臨床研究への展開が期待される。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科血液内科学 病院助教 伊佐怜子、教授 黒田純也、ならびに創薬センター 特任教授 酒井敏行、准教授 堀中真野らの研究グループは、多発性骨髄腫に対する新規分子標的治療戦略候補であるRSK2/AKT二重阻害療法開発のための理論的基盤構築のための研究を行い、本件に関する論文が、科学雑誌『International Journal of Molecular Sciences』に現地時間2022年3月8日付けで掲載されましたのでお知らせします。
 本研究では、難治性造血器腫瘍である多発性骨髄腫において、細胞シグナル伝達分子であるRSKのN末端キナーゼ活性と、同様に細胞シグナル伝達分子であるAKTを同時阻害することによって、骨髄腫細胞の増殖、生存、治療抵抗性獲得などを普遍的に支配する数多くの遺伝子・分子を多重に制御し、その結果、遺伝子異常や染色体異常のパターンの異なる多様な骨髄腫細胞に対して、普遍的に強力な抗腫瘍効果を誘導しうることを明らかにしました。
 本研究の成果を理論的基盤とし、多発性骨髄腫に対するRSK2/AKT二重阻害療法の開発の促進が期待されます。
 

論文情報

雑誌名 International Journal of Molecular Sciences
発表媒体 ■ オンライン速報版 □ ペーパー発行 □ その他
雑誌の発行元国 スイス
オンライン閲覧 可 (URL)https://www.mdpi.com/1422-0067/23/6/2919
掲載日 現地時間:2022年3月8日
論文タイトル(英・日)
The rationale for the dual targeting therapy for RSK2 and AKT in multiple myeloma.
多発性骨髄腫に対するRSK2、AKT二重阻害療法の理論的基盤
代表著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 伊佐怜子
共同著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 黒田純也
京都府立医科大学 創薬センター 酒井敏行
京都府立医科大学 創薬センター 堀中真野
京都府立医科大学 創薬センター 安田周祐
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 塚本 拓
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 水原健太郎
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 藤林悠人
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 民西葉子
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 岡本明也
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 金山悠加
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 木元弥生
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 水谷信介
京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 志村勇司
京都府立医科大学 分子診断治療センター 谷脇雅史
プレスリリース資料はこちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093