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《論文掲載》角膜内皮組織の標準的な遺伝子発現情報基盤の構築~深刻な視力障害を引き起こす眼疾患研究に有用な新たな標準基盤情報の提供~

 京都府立医科大学大学院医学研究科ゲノム医科学の 德田雄市 プロジェクト研究員、中野正和 准教授、田代啓 教授は、同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室の小泉範子 教授、奥村直毅 教授らの研究グループと共同で、次世代シーケンサーを用いて取得した角膜内皮細胞の包括的な遺伝子発現情報についてまとめ、本件に関する論文が2020年11月20日付で国際的な学術雑誌出版社Springer Natureの出版するオンラインジャーナル「Scientific Data」に掲載されました。
 
 本研究では、眼疾患の無い7名の白人ドナー由来の角膜内皮細胞について、本学大学院中央研究室・次世代シーケンサー室にて、網羅的な遺伝子発現情報の取得と解析を実施しました。その結果、従来の研究データに比べてより網羅的かつ高精度な角膜内皮組織の新たな標準データを国際的なバイオデータベースに提供することができました。本研究成果は、日本国内では各種法令等により研究試料として供されることが比較的困難な健常者の角膜内皮組織における遺伝子発現の基盤情報として有用であるため、フックス角膜内皮ジストロフィー※1など深刻な視力障害を引き起こす眼疾患の病態解明や創薬研究への応用が期待されます。
※1 フックス角膜内皮ジストロフィー(Fuchs endothelial corneal dystrophy、FECD):角膜内皮の直下に「Guttae(グッテー)」と呼ばれる特有の滴状の構造物が形成されていくと同時に、角膜内皮細胞が障害され重度の視力障害を生じる進行性の難治性疾患。角膜移植が唯一の治療法であり、薬物治療等の開発が待たれる。

論文基礎情報

タイトル:Transcriptome dataset of human corneal endothelium based on ribosomal RNA-depleted RNA-Seq data
(リボソームRNA除去済RNA-Seqデータに基づくヒト角膜内皮の網羅的な転写産物データセット)
掲載誌:Scientific Data
オンライン閲覧:可 https://www.nature.com/articles/s41597-020-00754-1
論文掲載日:2020年11月20日
責任著者:京都府立医科大学大学院医学研究科ゲノム医科学 准教授 中野 正和
共同筆頭著者:京都府立医科大学大学院医学研究科ゲノム医科学 プロジェクト研究員 德田 雄市
 同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室 教授 奥村 直毅
共同著者:同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室 大学院生 小森 裕也
同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室 大学院生 花田 尚也
京都府立医科大学大学院医学研究科ゲノム医科学 教授 田代 啓
同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室 教授 小泉 範子
研究課題名:私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「難治性角膜疾患に対するトランスレーショナル研究の推進と国際的研究拠点の形成」
代表研究者:同志社大学生命医科学研究科ティッシュエンジニアリング研究室 教授 小泉 範子
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