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【論文掲載】塩味を嫌う反応の低下が塩分制限を難しくする -塩を「好む習慣」ではなく「嫌う反応」に注目し、減塩を容易に-

本研究成果のポイント

〇高濃度塩味を忌避する反応を定量的に評価する簡便な方法を確立しました。
○慢性腎臓病の患者さんでは、約80%の人が20%の食塩水刺激に忌避反応を示しませんでした。
 慢性腎臓病の患者さんでは、塩味を正確に認識できないだけでなく、塩辛い食べ物を避ける機能も低下していると考えられ、無意識、無自覚のうちに塩辛い食べ物を摂取している可能性があります。
〇今後、塩辛い食べ物を忌避する機能を増強させるような試み(薬剤)によって、より効果的な塩分制限を行うことができる可能性があります。

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 助教 草場哲郎、同 大学院生 奥野-尾関奈津子、同大学院医学研究科 循環器内科学 教授 的場聖明 およびハウス食品グループ本社株式会社(*)の研究グループは、ヒトが高濃度の塩味を忌避する反応を定量的に評価する簡便な手法を確立し、慢性腎臓病の患者さんでは塩辛いものを忌避する反応が低下していることを発見しました。本研究に関する論文が令和6年2月15日(木)に科学雑誌『Kidney International Reports』誌に掲載されましたのでお知らせします。
本研究により、自身の味覚での塩分制限は難しいことが示され、今後、生活習慣病の改善方法のひとつである塩分制限方法の変化が必要だと考えられます。
(*)ハウス食品グループは、「健康長寿社会の実現」に貢献するための取り組みのひとつとして、減塩に関する研究を行っています。今回および今後の研究成果を元に、減塩に繋がる食事内容や食生活の提案、アプリケーションの研究開発および、味覚の状態を認識することの大切さの啓発に取り組んでいく予定です。

論文情報

雑誌名 Kidney International Reports
発表媒体 オンライン速報版 
オンライン閲覧 可 https://www.kireports.org/article/S2468-0249(24)01482-7/fulltex
掲載日 2024年2月15日(日本時間)
論文タイトル(英・日)
 Aversion to a high salt taste is disturbed in CKD patients
   [腎臓病患者では高濃度塩味への忌避反応が障害されている]
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 草場哲郎
共同著者 
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 奥野-尾関奈津子
   ハウス食品グループ本社株式会社 小濱佑介
   ハウス食品グループ本社株式会社 田口大夢
 京都桂病院 栄養科 川手由香
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 梅原皆斗
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 山内-沢田紘子
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 南田 敦
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 砂原康人
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 的場弥生
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 中村 格
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 中田智大
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 仲井邦浩
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 桐田雄平
 京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 谷口琢也
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 玉垣圭一
 ハウス食品グループ本社株式会社 平尾宜司
 京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 的場聖明
プレスリリース資料はこちら

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