テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】子宮腺筋症が関連する不妊症の機序を解明~子宮内膜上皮の局所炎症と微小管構造異常が不妊症に関連する~

 京都府立医科大学附属病院臨床研究推進センター カーン・カレク准教授および同大学 北脇 城名誉教授ら研究グループは、子宮腺筋症が及ぼす不妊発症メカニズムの一端を解明し、本研究に関する論文が令和3年5月10日(月)に科学雑誌『Human Reproduction』に掲載されましたのでお知らせします。
 子宮腺筋症は、子宮筋層内に子宮内膜腺管様組織が存在する疾患で、慢性骨盤痛、月経困難症、過多月経、貧血などの症状をきたす疾患です。昨今の晩婚・晩産化の風潮に伴い、子宮腺筋症を合併する挙児希望女性(妊娠出産を希望する女性)への対応の機会が増加しています。子宮腺筋症の臨床像は幅広く、重症の子宮腺筋症は難治性の不妊症となります。しかしながら、子宮腺筋症が引き起こす不妊症発症機序は未だ不明であり、挙児希望に対してどのようなアプローチがよいか明確な答えはありませんでした。
 今回本研究グループは、子宮腺筋症の子宮内膜局所ではマクロファージが発現しており、同子宮内膜上皮微絨毛内の微小管の分布に異常を認めることを明らかにしました。子宮腺筋症女性の子宮内膜上皮における微細な構造変化が妊娠成立に必要な精子の遡上や胚の着床に影響すると考えられます。これは子宮腺筋症を合併する挙児希望女性にとって重要な知見であり、子宮内膜上皮にフォーカスする新たな生殖医療の展開が期待されます。

 論文概要

【論文名】
 An axonemal alteration in apical endometria of human adenomyosis
[日本語:]子宮腺筋症の子宮内膜における軸糸変化 
【掲出雑誌】
 科学雑誌Human Reproduction(欧州生殖医学会雑誌)[Hum Reprod 36(6):1574-1589,2021]
【研究グループ】
 京都府立医科大学附属病院 臨床研究推進センター 准教授 カーン・カレク
 京都府立医科大学    名誉教授 北脇 城 
 
リリース資料はこちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093