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【論文掲載】休日の夜ふかし朝寝坊に注意! 2時間を超える「ソーシャル・ジェットラグ」で睡眠の質低下~京都府内の高校生を対象とした大規模研究で睡眠に影響する生活パターンを解明~

本研究成果のポイント

○現在、世界的に若年者の睡眠不足や睡眠の質・日中の眠気などの睡眠の問題が増加しているが、睡眠習慣に関する具体的な目安となる基準や対策が未確立
○2時間を超える「ソーシャル・ジェットラグ(平日と休日の睡眠時間帯のずれ)」は、顕著な睡眠の質低下や日中の強い眠気との有意な相関が認められた
○ソーシャル・ジェットラグを2時間以内に抑える生活パターンで、睡眠の質や日中の眠気などの睡眠問題の予防が期待できる

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 八木田和弘 教授 および 笹脇ゆふ 助教ら研究グループは、京都府内の高校生を対象としたライフスタイル睡眠調査研究により、平日と休日の睡眠時間帯のずれ「ソーシャル・ジェットラグ注1(社会的時差ぼけ)」が2時間を超える睡眠習慣がある場合、顕著な睡眠の質低下および日中の強い眠気と関連することを明らかにしました。
 24時間社会となっている現在、日本国内のみならず世界的にも若年者の睡眠不足や睡眠の質低下・日中の強い眠気など睡眠に関する問題が増加していますが、睡眠習慣の具体的な目安となるようなデータは少なく、有効な対策が打てずにいました。
 今回、私たちは京都府教育委員会の協力のもと、京都府内全域にわたる高等学校13校の生徒3552名を対象に、睡眠質問票および睡眠日誌を用いて、睡眠の質や日中の眠気などの睡眠指標に影響を及ぼす睡眠習慣を明らかにする調査研究を実施しました。その結果、2時間を超えるソーシャル・ジェットラグが、顕著な睡眠の質低下および日中の強い眠気と有意な相関を示すことを明らかにしました。一方で、1時間を超え2時間以内のソーシャル・ジェットラグでは睡眠の質や日中の眠気との関連は認められませんでした。
 これらの結果から、生活時間と体内時計の不適合が生じることを防ぎ睡眠の質低下や日中の眠気などの睡眠の問題を軽減する睡眠習慣として、休日の夜更かし朝寝坊などからくるソーシャル・ジェットラグを2時間以内に抑えることが目安となる可能性が示唆されました。
 本研究成果は、2022年6月8日(水)午前11時(日本時間)国際学術雑誌「Journal of Sleep Research」オンライン版に公表されます。

論文情報

雑誌名 Journal Sleep Research(ヨーロッパ睡眠学会国際学術誌) 
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 ドイツ
オンライン閲覧 可
 https://onlinelibrary.wiley.com/journal/13652869
掲載日 2022年6月8日(水)午前11時(日本時間)
論文タイトル Association of social jetlag and eating patterns with sleep quality and daytime sleepiness in Japanese high school students
〔日本語:日本の高校生におけるソーシャル・ジェットラグや食習慣と睡眠の質・日中の眠気との関連〕
 
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 八木田和弘 

筆頭著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 笹脇 ゆふ 

共同著者(所属・氏名)※論文掲載順
 京都府立医科大学 大学院医学研究科 統合生理学
 (現 中国学園大学現代生活学部人間栄養学科 教授) 井之川 仁
 京都府立医科大学 大学院医学研究科 統合生理学 小畑悠紀子
 京都府立医科大学 大学院医学研究科 統合生理学 長尾 涼音

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