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【論文掲載】アスピリンのがん抑制効果、がん代謝との関係が明らかに~大腸がん細胞においてアスピリンがグルタミン代謝を活性化させるメカニズムを解明~

京都府立医科大学大学院医学研究科 分子標的予防医学 講師 渡邉元樹、朴将源(現:関西医科大学附属病院がんセンター助教)らの研究グループは、「アスピリンがグルタミン代謝を活性化させるメカニズム」を解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『Cancers』に2020年4月30日(現地時間)付けで掲載されましたのでお知らせします。
本研究は、培養がん細胞を用いた実験により、PIK3CA遺伝子変異大腸がんにおいて、グルタミン枯渇下ではアスピリンの抗腫瘍効果が弱まることを発見しました。さらにその原因として、アスピリンがグルタミン代謝を活性化させていることを、網羅的遺伝子発現解析 (RNA-seq) を用いて明らかにしました。本研究成果をさらに発展させることで、『がんゲノム・代謝を標的としたアスピリンによるがん精密医療』の確立が期待されます。

本研究成果のポイント

 〇抗血小板薬であるアスピリンは、がんの予防・治療を目的としたドラッグ・リポジショニングの候補薬として注目されている。
〇アスピリンがグルタミン代謝を活性化させることを、大腸がん培養細胞を用いた網羅的遺伝子発現解析 (RNA-seq) により分子レベルで解明した。
〇将来、グルタミン代謝を標的にすることで、アスピリンを用いた『がんの精密医療(プレシジョン・メディシン)』の確立が期待される。
 

論文基礎情報

【雑誌名】Cancers
掲載予定日時:2020年4月30日(現地時間)
URL:https://www.mdpi.com/2072-6694/12/5/1097
【論文名】(英)Deactivation of Glutaminolysis Sensitizes PIK3CA-Mutated Colorectal Cancer Cells to Aspirin-Induced Growth Inhibition
(日)PIK3CA変異大腸がん細胞において、アスピリンにより活性化されたグルタミン代謝が治療標的となる

 
【著者】京都府立医科大学 分子標的予防医学 朴将源(現:関西医科大学附属病院がんセンターセンター助教)責任著者 京都府立医科大学 分子標的予防医学 渡邉元樹
【共同著者】京都府立医科大学 創薬医学 助野真美子
京都府立医科大学 分子病態病理学 矢追毅
関西医科大学   附属生命医学研究所 侵襲反応制御部門 廣田喜一
京都府立医科大学 内分泌・乳腺外科 飯塚まひろ
京都府立医科大学 分子病態病理学 伊東恭子
京都府立医科大学 創薬医学 酒井敏行

 
本研究は以下の研究費の支援を受けて行われました。
・一般財団法人京都予防医学センター がん研究助成(2019年)
・私立大学研究ブランディング事業「難治性免疫・アレルギー疾患の最先端研究拠点大学としてのブランド形成」(2018年~2020年)

 
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