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【論文掲載】多発性骨髄腫による細胞間コミュニケーションを介した 腫瘍免疫監視機構の破綻メカニズムの解明

本研究成果のポイント

○多発性骨髄腫細胞が分泌する腫瘍細胞由来エクソソームが、腫瘍免疫監視機構の破綻をもたらす骨髄由来抑制細胞を誘導することが明らかになった。
○腫瘍細胞由来エクソソームに内包されるmiR-106a-5pとmiR-146a-5pが骨髄系細胞の遺伝子発現に影響することで骨髄由来抑制細胞の誘導において重要な役割を果たす。
○腫瘍免疫監視機構の破綻のメカニズムの一端が解明されたことにより、近年、著しい進展を遂げている細胞免疫療法に対する抵抗性の克服や新たな治療法の開発に寄与する可能性がある。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学 病院助教 水原健太郎、教授 黒田純也、准教授 志村勇司らの研究グループは、多発性骨髄腫から分泌される腫瘍細胞由来エクソソーム(tumor-derived exosome:TEX)による骨髄由来抑制細胞(myeloid-derived suppressor cell: MDSC)誘導のメカニズムを解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『British Journal of Haematology』に2023年8月16日(水)付けで掲載されましたのでお知らせします。
 本研究において骨髄腫細胞が分泌するTEXが健常人由来の末梢血単核球から単球型MDSC(monocytic-MDSC: M-MDSC)を誘導すること、TEXに内包されているmiRNAであるmiR-106a-5pとmiR-146a-5pがM-MDSC誘導に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。さらに、これらのmiRNAは末梢血単核球においてインターフェロン(Interferon: IFN)反応、炎症反応、インターロイキン(interleukin: IL)-6シグナル、腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor: TNF)TNF-αシグナルによって制御される様々な免疫抑制分子を系統的に発現誘導することでM-MDSCを誘導する機序が明らかになりました。本研究成果をもとに、特に細胞免疫療法に対する抵抗性を克服できる新たな治療法の開発が期待されます。
 

論文情報

雑誌名 British Journal of Haematology
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 英国
オンライン閲覧 可 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/bjh.19049
掲載日 2023年8月16日(水)(日本時間)
論文タイトル(英・日)
Tumor-derived exosomes promote the induction of monocytic myeloid-derived suppressor cells from peripheral blood mononuclear cells by delivering miR-106a-5p and miR-146a-5p in multiple  myeloma
(多発性骨髄腫におけるmiR-106a-5pとmiR-146a-5p輸送を介した腫瘍関連エクソソームによる単球系骨髄由来抑制細胞の誘導)
代表著者
   京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 水原健太郎
共同著者
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 黒田純也
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 志村勇司
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 塚本 拓
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 山口順子
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 村松彩子
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 岡本明也
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 民西(桂川)葉子
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 金山(川路)悠加
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 伊佐怜子
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 血液内科学 水谷信介
 京都鞍馬口医療センター 血液内科 太田(桑原)沙絵子
 京都第二赤十字病院 血液内科 山口順子
 広島大学 原爆放射線医科学研究所 稲葉俊哉
 東京大学大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻生命システム観測分野 金井昭教
 
プレスリリース資料はこちら

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