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【論文掲載】ALK融合遺伝子肺がんの新たな治療抵抗性メカニズムを解明~JNKシグナル活性化に起因したALK阻害薬の初期抵抗性に関する論文掲載について~

研究成果のポイント

○わが国の肺がん患者全体の約4%を占めるALK融合遺伝子に異常のある肺がんでは、がん細胞の一部が「治療抵抗性細胞」となり早期に治療が効かなくなる「初期抵抗性」が問題となっています。
○本研究では、細胞死を制御するJNKと呼ばれる細胞内蛋白が「初期抵抗性」に強く関係することを明らかにしました。
○「初期抵抗性」の獲得に関係するJNKシグナルを抑える薬剤を併用することで、治療効果が改善し新たな治療法として期待されます。
 

研究の概要

京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学 准教授 山田忠明、教授 髙山浩一ら研究グループは、日本人の肺がんの約4%を占めるALK融合遺伝子を有する肺がんにおいて、分子標的薬にさらされた腫瘍細胞の一部が抵抗して生き残るメカニズムを解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『Cancer letters』に2021年9月18日(土)付けで掲載されましたのでお知らせします。
本研究は、分子標的薬にさらされたALK融合遺伝子を有する肺がん細胞がJNKシグナルを活性化することにより、治療抵抗性細胞となり生き延びることを初めて解明しました。
本研究成果をもとに、将来、肺がんを根治させる治療につながるものと期待されます。

 論文情報

雑誌名:Cancer Letters(オンライン速報版)
オンライン閲覧: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34534615/ (全文閲覧にはログインが必要)
掲載日:2021年9月18日
論文タイトル(英・日)
Inhibition of c-Jun N-terminal kinase signaling increased apoptosis and prevented the emergence of ALK -TKI-tolerant cells in ALK-rearranged non-small cell lung cancer
JNK制御はALK融合遺伝子肺がんのアポトーシスを増強し、治療抵抗性細胞の出現を抑制する
代表著者:
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 山田忠明
共同著者:
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 谷村恵子
京都府立医科大学大学院医学研究科 創薬医学 堀中真野
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 片山勇輝
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 森本健司
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 中野貴之
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 徳田深作
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 森本吉恵
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 岩破将博
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 金子美子
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 内野順治
産業医科大学医学部第二外科 米田和恵
金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科 矢野聖二
京都府立医科大学創薬センター 酒井敏行
京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 髙山浩一
 
プレスリリース資料は こちら

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