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President's Greetings
— 学長からのメッセージ —

2022年の教育年度を迎えるにあたって

 学長として2期目の最終年度を迎えますので今年度の大学運営の基本的な考えを整理します。
(1)教育について
 令和4年の4月を迎えても新型コロナウイルス感染症は依然として収束せず、第6波は下げ止まりが続き第7波の到来が予想されています。大学や附属病院では新しい生活様式の定着とコロナ前に戻る流れが交錯した1年間になると予測されます。学部での対面授業への復帰は、情報伝達の質と量の双方からの見直しが教育センターを中心に進んでいます。一方、「学生と教員の交流や学生間の交流」をどう位置付けるのか、医学教育・看護教育が最終的には人と人との契約関係にあることを踏まえ、方向性を出したいと考えています。大学院の教育研究環境の充実は高等教育の充実の上で極めて重要な課題です。医学部博士課程ではボトムアップ体制が整備されましたが、修士過程への延長が必要です。また、看護学科では学科における助産師や保健師育成のあり方と保健看護学研究科修士課程の見直しが喫緊の課題であり、18歳人口が減少し続ける状況を踏まえ教育研究体制の確立を行います。
(2)150周年事業について
 本学は1872年5月に療病院として産声を上げ、本年150周年を迎えます。11月の第1週には記念式典を含め多くの行事が予定されており、実行委員長と協力して学長として取り組む所存です。150周年を迎えることは151年目のスタートを切ることであり、温故知新と言いますが、ふるきをたずねて本学は未来に向かってどの様なスタートを切るのでしょうか?前提として文科省の教育行政の方向性は、大学の意思とは全く別のものと割り切る必要があります。学長としてこの5年間の経験と観察結果は2点に集約すると考えます。先ずは揺るぎない地域医療の中核に附属病院があることです。もう一つは基礎医学も含めて教育・研究の後継者育成を本学で実行していく覚悟だと思います。京都府立医科大学であることの精神は何か、基本的な考えは何か。構成員全体の意識改革は道半ばにあります。
(3)大学運営の基本について
 組織運営の問題は教育や研究について或いは診療について、大学として附属病院としてどう対応するかの視点の涵養が教職員の間で不十分であることです。もう一つの本学の問題点は組織運営に縦割りと前例主義が色濃く残っていることです。昨年秋に行った教授の皆さんとの意見交換では、委員会に時間を取られることや出席だけを求められる調整の多いことが課題として挙がりました。委員会の統廃合など改善される気配はありますが、その進捗は限定的です。多くの大学では専門性の高い非教員事務職の育成が進んでいます。
 さて、多くのことがこの1年間で達成出来る訳ではありません。「質管理の基本である自己点検自己評価」は、漸く新学則に書き込まれました。大学改革は不断の努力であります。本学の構成員全員が課題を自らのものとして考えていく風土が育つことを希望し努力を重ねたいと考えています。
 
2022.4.1
京都府立医科大学 学長 竹中 洋

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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