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【論文掲載】非アルコール性脂肪肝炎に対する新規治療法の開発 ~リポファジーの臨床応用の可能性を示した論文掲載について~

本研究成果のポイント

○脂質蓄積疾患は全身の多くの臓器で問題となっていますが、特に非アルコール性脂肪性肝疾患または肝炎(NAFLD/NASH)では、高い有病率にもかかわらず確立した治療方法が無いことが問題となっています。
○本研究では、脂肪滴選択的オートファジーであるリポファジーが脂肪を細胞外に放出することで肝炎を
改善することを明らかにしました。
○心疾患に対して古くから使用されているジゴキシンが疾患モデルマウスにおいて、リポファジーを介してNAFLD/NASHの改善効果を有することを明らかにしました。
○リポファジーは全身の脂質蓄積疾患に対して有効である可能性があり、今後の臨床応用が期待されます。

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 研究生 南 喜人、同 講師 星野 温、同 教授 的場聖明らの研究グループは、リポファジーが非アルコール性脂肪性肝疾患または肝炎(NAFLD/NASH)に対して保護的に作用するメカニズムを解明し、さらに化合物スクリーニングによりリポファジー誘導薬剤を発見しました。本件に関する論文が、科学雑誌『Nature Communications』に2023年7月13日付けで掲載されることになりましたのでお知らせします。
 本研究は、リポファジーが脂肪滴を細胞外に排泄することでNAFLD/NASHを改善することを初めて明らかにしました。本研究成果をもとに、今後はNAFLD/NASHを含む全身の脂質蓄積疾患に対してリポファジーによる新規治療法の開発が期待されます。

論文情報

雑誌名 Nature Communications
発表媒体 オンライン速報版 
雑誌の発行元国 米国
オンライン閲覧 可 https://www.nature.com/articles/s41467-023-39404-6
掲載日 2023年7月13日(日本時間)
論文タイトル(英・日)
 Liver lipophagy ameliorates nonalcoholic steatohepatitis through extracellular lipid secretion
 (肝臓のリポファジーは細胞外脂質分泌を介して非アルコール性脂肪肝炎を改善する)
代表著者
   京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 南 喜人
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 星野 温
共同著者 
   京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 樋口雄亮
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 内分泌・代謝内科学 濱口真英
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 金子優作
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 腎臓内科学 桐田雄平
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 民西俊太
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 西地稔幸
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 細胞生理学 樽野陽幸
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 内分泌・代謝内科学 福井道明
 ペンシルベニア大学医学部 心血管研究所 Zoltan Arany
 京都府立医科大学大学院 医学研究科 循環器内科学 的場聖明
プレスリリース資料はこちら

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