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【論文掲載】ALK遺伝子異常肺がんの薬剤抵抗性を解除する 新規治療法を開発 ~新規ALK阻害薬に対する抵抗性機構としてのEGFRシグナル活性化の重要性を 明らかにした論文掲載について~

本研究成果のポイント

○我が国の肺がん患者全体の約4%を占めるALK融合遺伝子に異常のある肺がんは、ALK阻害薬が高い治療効果を示す一方で、「初期治療抵抗性」により一部の細胞が生き残り、その後耐性化・再発してしまいます。
○本研究では新規ALK阻害薬ロルラチニブ治療に対する初期抵抗性メカニズムとしてEGFR(上皮成長因子受容体)シグナルが活性化することで、がん細胞が生存し続けることを明らかにしました。
○新規ALK阻害薬ロルラチニブにEGFRの活性化を抑えるEGFR阻害薬エルロチニブを併用することで治療抵抗性を克服し、高い治療効果が得られることを明らかにしました。
○これらの併用治療はEGFRタンパク発現が増加している肺がんで効果が高いため、今後の個別化医療の推進が期待されます。

 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 大学院生 片山勇輝、同 准教授 山田忠明、 同 教授 髙山浩一、 京都府立医科大学 創薬センター 特任教授 酒井敏行、公益財団法人がん研究会がん化学療法センター 基礎研究部 部長 片山量平らの研究グループは、日本人の肺がんの約4%を占める ALK 融合遺伝子に異常のある肺がんにおける新規ALK阻害薬ロルラチニブに対する初期治療抵抗性因子を解明し、本件に関する論文が科学雑誌『npj Precision Oncology』に 2023 年1月26日(木)付けで掲載されましたのでお知らせします。
 本研究は、上皮成長因子受容体(EGFR)を高発現したALK融合遺伝子陽性肺がん細胞では、ALK阻害薬ロルラチニブ治療の初期抵抗性にEGFRシグナル活性化が重要な役割を担うことを初めて明らかにしました。本研究成果をもとに、ALK遺伝子異常を有する肺がんの個別化医療が推進され、治療成績の向上に貢献することが期待されます。

論文情報

雑誌名 npj Precision Oncology(科学雑誌) 
発表媒体 オンライン版
オンライン閲覧 可
URL https://www.nature.com/articles/s41698-023-00350-7
掲載日 2023年1月26日(木)(日本時間)
論文タイトル Adaptive Resistance to Lorlatinib via EGFR Signaling in ALK-rearranged Lung Cancer
〔日本語:ALK融合遺伝子陽性肺がんはEGFRシグナル活性化を介し、ALK阻害薬ロルラチニブの治療抵抗性を示す〕
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 山田忠明
共同著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 片山勇輝
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 谷村恵子
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 徳田深作
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 森本健司
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 平井聡一
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 松井遥平
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 中邨亮太
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 石田真樹
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 河内勇人
 産業医科大学医学部第二外科 米田和恵
 京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 細谷和貴
 京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 辻 貴宏
 京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 小笹裕晃
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 吉村彰紘
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 岩破将博
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 金 永学
 京都府立医科大学大学院医学研究科 創薬医学 堀中真野
 京都府立医科大学 創薬センター 酒井敏行
 公益財団法人がん研究会がん化学療法センター 基礎研究部 内海太裕
 京都第一赤十字病院呼吸器内科 塩津伸介
 京都第二赤十字病院呼吸器内科 竹田隆之
 公益財団法人がん研究会がん化学療法センター 基礎研究部 片山量平
 京都府立医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 髙山浩一
 
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