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【論文掲載】キノホルムが神経伝達物質の生合成を阻害することを発見~薬害スモンの発症メカニズムの一端が明らかに~

京都府立医科大学大学院医学研究科 中央研究室RI部門 研究教授 勝山真人らの研究グループは、薬害スモン(亜急性脊髄視神経障害)を引き起こしたキノホルム(クリオキノール)が、銅シャペロンATOX1を酸化型(不活性型)に変換し細胞内銅輸送を阻害することにより、ノルアドレナリンの生合成を阻害することを解明しました。本件に関する論文が、ドイツの科学雑誌『Archives of Toxicology』に現地時間2020年10月9日付けで掲載されましたのでお知らせします。
 

本研究成果ポイント

○薬害スモン(亜急性脊髄視神経障害)を引き起こしたキノホルム(クリオキノール)が培養神経芽細胞腫において亜鉛の流入と銅の蓄積(代謝不全)を引き起こすことを発見
○キノホルムが銅シャペロンATOX1を酸化型(不活性型)に変換することを発見
○キノホルムが銅依存性酵素であるドパミンβ水酸化酵素の成熟・分泌を阻害することを発見
○キノホルムがノルアドレナリンの生合成を阻害することを発見
 

発表基礎情報

雑誌名:Archives of Toxicology
オンライン閲覧:可(有料)
        https://link.springer.com/article/10.1007/s00204-020-02894-0
論文タイトル:
    (英)Clioquinol inhibits dopamine-β-hydroxylase secretion and noradrenaline synthesis
       by affecting the redox status of ATOX1 and copper transport in human neuroblastoma
       SH-SY5Y cells 
    (日)クリオキノールはヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞において、ATOX1の酸化還元状態と銅輸送に
       悪影響を及ぼすことにより、ドパミンβ水酸化酵素の分泌とノルアドレナリン合成を阻害する
代表著者:
京都府立医科大学 大学院医学研究科 中央研究室RI部門・勝山真人 研究教授
共同著者:
前・国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部
木村円 早期・探索的臨床試験室長(現・社会福祉法人 はまゆう療育園 内科)
京都府立医科大学 大学院医学研究科 病態分子薬理学・衣斐督和 講師
京都府立医科大学 大学院医学研究科 病態分子薬理学・岩田和実 研究准教授
京都府立医科大学 大学院医学研究科 病態分子薬理学・松本みさき 講師(学内)
京都府立医科大学 大学院医学研究科 病態分子薬理学・浅岡希美 助教
京都府立医科大学 大学院医学研究科 病態分子薬理学・矢部千尋 教授
 
【研究資金】
本研究は、以下の研究費の支援を受けて行われました。
厚生労働行政推進調査事業費補助金 難治性疾患政策研究事業 スモンに関する調査研究
 
プレスリリース資料は こちら

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