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【論文掲載】意識不明の脳卒中患者、何を飲んでいる? 『血液サラサラの薬』の服薬リスクをAIで可視化〜特殊な検査を待たず、日常的な血液検査から直感的に判断できるヒートマップツールを開発~

本研究成果のポイント

一般的な血液検査だけで「血液サラサラの薬」を飲んでいるかをAIが高精度に予測
 脳卒中で救急搬送された患者が抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を飲んでいるかどうかを、病院到着時に必ず行う2つの一般的な血液検査(PT-INRとAPTT)の数値のみから、AI(機械学習)を用いて高精度に予測・分類するモデルを開発しました。
「意識不明」による一刻を争う救命治療の遅れを解消
 脳卒中の救急現場では、患者の意識がない場合に、何の薬を飲んでいるかを家族に確認したり履歴を調べたりするのに時間がかかり、適切な治療(血栓を溶かす薬や、出血を止める中和剤の投与など)が遅れてしまうという命に関わる課題がありました。本ツールは、服薬歴がわからない状況下での迅速な意思決定を支援します。
現場の医師がパッと見てわかる「ヒートマップ」ツールを開発
 AIの複雑な予測結果を、医師が直感的にリスクを把握できる「ヒートマップ(色分けされた確率の地図)」として視覚化しました。特別なパソコン用ソフトなどがなくても、手元の検査結果と照らし合わせるだけで、ベッドサイドですぐに服薬確率を確認できます。
全国の救急現場で、より迅速・安全な脳卒中治療の実現へ
 このツールは特殊な高額検査を必要とせず、将来的に容易に導入できる可能性があります。見逃してはいけない服薬リスクを早期に知らせるアラートとして機能することで、より迅速で安全な治療方針の決定を支援できる可能性があり、脳卒中患者の救命や後遺症の軽減に貢献することが期待されます。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 脳神経機能再生外科学 客員講師 兼 京都第二赤十字病院 脳神経外科 非常勤医師 藤原 岳ら研究グループは、服薬歴が不明な脳卒中救急現場における迅速な意思決定支援を目的として、日本脳卒中データバンクの全国データ30,767例を解析し、日常的な血液検査から抗凝固薬の服用確率を予測・視覚化するAIモデルを開発しました。
 本研究の結果、救急搬送時に測定される一般的な凝固系検査(PT-INRとAPTT)の2指標を組み合わせることで、VKAとDOACの服用を良好な精度で分類できることが示されました。本ツールは確定診断の代わりとなるものではありませんが、予測確率を色の濃淡で示した「ヒートマップ」として視覚化することで、特殊な検査を待つことなくベッドサイドで即座に服薬リスクを把握するスクリーニングや、緊急時の意思決定を補助することが可能です。本研究論文は科学誌『Journal of the American Heart Association』に2026年3月18日付で掲載されましたのでお知らせします。
 

論文情報

雑誌名 Journal of the American Heart Association
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 米国
オンライン閲覧 可 
URL https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.125.047432
掲載日 オンライン速報版:2026年3月18日(日本時間)
論文タイトル(英・日)
Development and Validation of a Machine Learning Model to Predict Oral Anticoagulant Use in Stroke From Prothrombin Time–International Normalized Ratio and Activated Partial Thromboplastin Time
(日本語:プロトロンビン時間‐国際標準比(PT-INR)および活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)から脳卒中患者における経口抗凝固薬使用を予測する機械学習モデルの開発と検証)
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 脳神経機能再生外科学
 
兼 京都第二赤十字病院 脳神経外科           藤原 岳
共同著者
 京都第二赤十字病院 脳神経内科             永金義成
 京都第二赤十字病院 脳神経外科             村上陳訓
 国際医療福祉大学 脳神経外科              末廣栄一
 京都府立医科大学大学院医学研究科 脳神経機能再生外科学 橋本直哉
 国立循環器病研究センター 脳血管内科          豊田一則
 国立循環器病研究センター 脳血管内科          吉村壮平
 国立シンガポール大学                  岡田遥平
 
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