テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】食塩摂取の新たな盲点:甘味が塩辛さの感覚を鈍らせる-慢性腎臓病患者の味覚変化に加え、甘じょっぱい食品が塩分摂取量に与える影響を解明-

本研究成果のポイント

〇高濃度塩味を避ける反応(忌避反応)は、塩味に甘味を加えることにより、健常者・慢性腎臓病(CKD)の患者でともに減少しました。
〇CKD患者では、もともと高濃度塩味への忌避反応が低下しており、塩味に甘味を加えることにより、ほぼ完全に忌避反応が消失しました
〇甘味を加えることによって、塩味に対する忌避反応が抑制された結果、塩分摂取が増加している可能性があります。甘味の摂取を制限することで、塩味の濃さが強調され、結果として塩分摂取量を減らす戦略が減塩方法として、有効である可能性があります。
 

研究概要

 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学 助教 草場哲郎、同 大学院生 奥野-尾関奈津子、同大学院医学研究科 循環器内科学 教授 的場聖明 およびハウス食品グループ本社株式会社の研究グループは、味覚の相互作用により、塩味忌避性が低下することを発見しました本研究に関する論文が、令和7年7月7日に科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されましたのでお知らせします
 本研究により、塩味に甘味を加えることで、高濃度塩味への忌避性が低下することが分かりました。甘味の摂取が、塩味の摂取過剰にも関連している可能性があり、今後の減塩指導にも役立つと考えます
 

論文情報

雑誌名 Scientific Reports
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 英国
オンライン閲覧 可
https://www.nature.com/articles/s41598-025-09602-x 

掲載日 オンライン速報版: 2025年7月7日
論文タイトル(英・日)
英語:The addition of sweetness reduces aversion to high salt concentrations in patients with chronic kidney disease
(日本語:慢性腎不全患者では、甘味添加が高濃度の塩分に対する忌避反応を軽減する)
代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学  草場哲郎
共同著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学  奥野-尾関奈津子
 ハウス食品グループ本社株式会社         小濱佑介
 ハウス食品グループ本社株式会社         田口大夢
 武庫川女子大学 食物栄養科学部 食物栄養学科  川手由香
 京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 谷口琢也
 京都府立医科大学大学院医学研究科 腎臓内科学  玉垣圭一
 ハウス食品グループ本社株式会社         平尾宜司
 京都府立医科大学大学院医学研究科 循環器内科学 的場聖明
 
プレスリリースはこちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093