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【論文掲載】メダカ疾患モデルを用いた腸閉鎖症発症メカニズムの解明~アクトミオシン制御異常による腸管形態形成の破綻~

本研究成果のポイント

先天性腸管閉鎖症を胚発生過程で再現する新規メダカ疾患モデルを確立しました。
○腸管閉鎖を引き起こす原因遺伝子として、myosin phosphatase target subunit 1(mypt1)を同定しました。
mypt1変異により腸管の一部でアクトミオシン活性が異常に亢進し、基底膜の断片化を伴って腸管閉鎖が生じることを明らかにしました。
○本研究成果は、原因の多くが不明であるヒトMYPT1変異による腸管閉鎖症の病態理解に貢献することが期待されます。
 

研究概要

 先天性腸閉鎖症は、生まれつき腸の一部が途切れたり塞がったりする重い消化管の病気で、新生児のうちから手術が必要となる疾患です。これまで、この病気は「胎児期に腸への血流が障害されること」が主な要因と考えられてきました。一方、近年の遺伝学的研究から、特定の遺伝子変異が腸閉鎖症の発症に関与する可能性が示唆されています。しかし、先天的な腸閉鎖が形成される過程を詳しく調べられる適切な疾患動物モデルが限られていたため、なぜ腸が途中で閉じてしまうのかという根本的な仕組みは、これまで十分に解明されていませんでした。
 本研究では、メダカを用いた発生遺伝学的解析により、腸閉鎖症が発症する過程を詳細に解析しました。mypt1遺伝子変異体では、腸管の管腔形成の過程で腸管上皮の一部でアクトミオシン活性が異常に上昇し、基底膜構造の破綻を伴って腸管閉鎖が生じることを明らかにしました。
 本研究成果は、2026年3月10日付で科学雑誌『Disease Models & Mechanisms』に掲載されましたのでお知らせします。
 

論文情報

雑誌名 Disease Models & Mechanisms
発表媒体 オンライン速報版
オンライン閲覧 可 
URL https://journals.biologists.com/dmm/article-lookup/doi/10.1242/dmm.052605
掲載日 オンライン速報版:2026年3月10日
論文タイトル(英・日)
A genetic model of congenital intestinal atresia in medaka (Oryzias latipes) implicates Mypt1 in epithelial organisation
(日本語:メダカを用いた先天性腸閉鎖症研究からわかったMypt1の新しいはたらき)

代表著者
 京都府立医科大学大学院医学研究科 生体機能形態科学 小林大介 
共同著者
 小林大介¹、浦﨑明宏¹,²、木村哲晃³、安齋 賢⁴、松尾和彦¹、横井勇人⁵、高島茂雄⁶、北川忠生⁷、景 崇洋⁸、成田貴則⁹、神藤智子⁸、木下政人¹⁰、成瀬 清¹¹、中島由郎¹、茂田昌樹¹、榊 真一郎¹、井上 聡¹、佐波理恵¹²、山田 惠¹²、横山尚彦¹、石川裕二¹³、荒木和男¹⁴、相賀裕美子⁸,¹⁵,¹⁶、武田洋幸⁸,17、八代健太¹
研究機関
¹ 京都府立医科大学大学院医学研究科 生体機能形態科学
² 神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科
³ 国立長寿医療研究センター研究所 メディカルゲノムセンター バイオインフォマティクス研究部
⁴ 岡山大学理学部附属 牛窓臨海実験所
⁵ 東北大学大学院 農学研究科 水圏生産科学講座 海洋生命遺伝情報学分野
⁶ 岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科(医療情報学専攻・生体制御研究領域) / 岐阜大学高等研究院(科学研究基盤センター・ゲノム研究分野)/ 岐阜大学糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター / 岐阜大学高等研究院 One Medicine トランスレーショナルリサーチセンター(COMIT、革新的モダリティ創出部門)
⁷ 近畿大学大学院 農学研究科 環境管理学専攻
⁸ 東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻
⁹ 日本大学大学院獣医学研究科 基礎獣医学分野
¹⁰ 京都大学大学院 農学研究科 応用生命科学専攻 海洋生物科学講座
¹¹ 基礎生物学研究所 IBBPセンター・バイオリソース研究室,
¹² 京都府立医科大学大学院医学研究科 放射線診断治療学
¹³ 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター
¹⁴ 水産研究総合研究センター 増養殖研究所
¹⁵ 国立遺伝学研究所 発生工学研究室
¹⁶ 総合研究大学院大学 遺伝学コース
¹⁷ 京都産業大学大学院  先端生命科学科  動物発生学研究室
 
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