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カリキュラム概要等

 教育目標

 看護学は19世紀半ばにおけるF.ナイチンゲールの活躍に端を発する長い歴史があります。わが国においては、明治時代の初めに看護婦が誕生して以来、社会の変動や政策的な波の中で大きく揺れ動いてきましたが、今、まさに看護学が注目される時代になりました。その背景には、少子高齢社会の到来による保健・医療・福祉サービスの変化、高度医療の発展に伴う医療体制の複雑化や倫理的側面への問いかけ、そして自己決定医療への変化など、いわゆるCure(キュア)だけではなくCare(ケア)の重要性が認識されるようになってきたことがあげられます。そういう意味で、このケアの追求を学問領域とする看護学は、いわば21世紀の学問だといえます。
本看護学科は、このような時代の流れに沿って、2002年(平成14年)、医学部に設置されました。もっとも、本学の看護教育の歴史は長く、1889年(明治22年)の附属産婆教習所の開設からもうすぐ120年となり、卒業生は約9,000人に及び、京都府をはじめ全国において看護の発展に寄与してきました。この歴史の中で培われてきた心と技術と知識のバランスのとれた看護職者を育成するという「Heart、Hand、Head」の精神は、看護学科にも継承されています。その上にたって、以下に示す看護実践能力を育てるための看護学教育を目指しています。


1)豊かな人間性を備え、全人的な看護を展開できること

 看護学は人間をまるごと対象とするため、人間をどれだけ理解できるかが重要な鍵となります。そのために、豊かな教養と人間性を備え、奥深い専門的知識や技術など幅広い視野と洞察力をもって人間を全体的・統合的に捉え、倫理観をもって全人的な看護を展開することのできる能力を育成することを目指しています。
 

2)科学的思考に基づいた判断能力を育て、主体的に看護が実践できること

 看護学は実践の科学です。そのために、専門的に必要な技術・知識・態度はもとより、科学的思考に基づいた判断能力や問題解決能力を育て、主体的・創造的に看護が実践できる能力を育成することを目指しています。
 

3)保健・医療・福祉の連携を図れる看護が実践できること

 現代社会での看護ニーズは拡大する一方ですが、それに対応できるように、保健・医療・福祉の連携や調整、協調を図れる看護が実践できる能力を育成することを目指しています。
 

4)国際的な視野で健康問題を捉えて看護を考えられること

 国際化の進む中で、豊かな国際感覚、高いコミュニケーション能力を持ち、国際的な視野で健康問題を捉えて看護を考えられる能力を育成することを目指しています。看護学は、まだまだこれから発展する学問です。また、21 世紀は看護の質がますます問われる時代になると考えています。私達は、それらに応えるために、社会の動きを見極めながら、より質の高い看護職者の育成のために、看護学への高い志と熱い情熱を持った学生の皆さんと共に努力を重ねていきたいと願っています。

 

 

カリキュラム概要

 看護学科は、医学科の学ぶ河原町キャンパスと、御所に挟まれた広小路キャンパスで授業を行います。看護学科の教育課程は、「人間」「環境」「健康」「生活」「看護」を看護学の概念として、生命及び人間への尊厳に基づく豊かな人間性を培うとともに、心と技術と知識のバランスのとれた看護の専門職を育成することを目指しています。加えて、医療の高度化や少子高齢化など社会の変化に対応できるよう、保健・医療・福祉をはじめ幅広い分野で活動できる力、国際的な視野で健康問題を考えることのできる力、そして看護学の発展のために自ら課題を探求し、研究できる力を養うことを志向したカリキュラム展開となっています。
具体的にいうと、教育課程は、看護の対象である人間について多面的に理解し、人間性の形成を目指す「基礎・教養科目」、看護学を支持し、関連する領域の専門的知識を与える「専門基礎科目」、看護学に関わる専門的な理論と技術の習得を目指す「専門科目」の3 分野で構成されています。基本的には「基礎・教養科目」 は1・2 学年、「専門基礎科目」は2・3 学年で、「専門科目」は1 学年から4 年間学びます。病院などでの臨 地実習は1 学年から始まりますが、本格的には3・4 学年で行います。
その他に、三大学連携し(京都府立大学、京都工芸繊維大学)及び(財)大学コンソ一シアム京都の活用により単位互換授業を受けることができ、他大学の学生との交流もできます。 卒業に必要な単位を取得することで、看護学士の学位、看護師・保健師国家試験の受験資格が、また科目の選択により助産師国家試験の受験資格が得られます。
 

基礎・教養科目

 基礎・教養科目は、「生命及び人間の尊厳」「人間の理解」「人間と環境」「国際理解とコミュニケーション」の4 つの側面から構成されています。「生命及び人間の尊厳」「人間の理解」では、哲学、生命倫理、人権論、総合講義、文学、音楽、心の科学、発達心理学及び運動の基礎理論と実技の科目を通して人間とは何か、生命の尊厳とは何かを学びます。「人間と環境」では、環境論、教育の基礎、法律と社会、生活と経済、社会とは何か、医療社会史、宗教と文化、生物学、生命有機化学、物理学及び情報科学の科目により、人間と生活及び環境について学びます。「国際理解とコミュニケーション」では、英語、中国語、ドイツ語、フランス語、国際情勢の理解及び英会話を通して国際的な情勢や外国語によるコミュニケーションを学びます。
 

専門基礎科目

 専門基礎科目は、「健康・疾病・障害の基礎」「保健・福祉」の2 つの側面から構成されています。「健康・疾病・障害の基礎」では、人体構造論、人体機能論、生化学、栄養学、薬理学、病理学、感染免疫学、病態・疾病論、成長発達論、生殖健康論、生命と遺伝、人間看護工学の科目により、看護学に必要な人体の構造や生命維持の仕組み、疾病の成り立ちと回復の促進、成長発達の過程を学びます。「保健・福祉」では、疫学、公衆衛生学、医療情報学、社会福祉学、カウンセリング論、看護と法律、家族社会学、医療と経営の科目により、看護学に必要な保健・福祉について学びます。
 

専門科目

 専門科目は、1 学年から4 学年まで通して、「看護学の基本」「看護学の展開(理論と実践)」「看護学の統合と探求」の3 つのステップに沿って学べるようになっており、看護学を理解しやすいように組み立ててあります。「看護学の基本」「看護学の展開(理論と実践)」は1 ~3 学年、「看護学の統合と探求」 は4 学年で学びます。看護学は実践の科学であり、その理論や実践を科学的に学ぶことが重要ですから、講義の他に、実習室での演習も多く盛り込まれています。また、看護学の実践を学ぶために、1 学年及び2学年に病院での基礎的な臨地実習を行い、3 学年後期から4 学年前期に、病院や保健所、市町村保健センター、介護老人福祉施設、訪問看護ステーションなど、様々な看護の場での臨地実習を実施します。最初のステップである「看護学の基本」では、看護基礎理論、看護人間論、生活援助論、治療援助論、看護過程論、ヘルスアセスメントと、看護学の基本となる知識、技術、態度について学びます。次の「看護学の展開( 理論と実践)」では、成人看護学、リハビリテーション看護学、精神看護学、小児看護学、母性看護学、老年看護学、地域看護学、実践理論看護学と、各看護学別に理論と実践方法について学びます。これらの看護学の理論や実践を踏まえて、看護学をより深く探求し、自己の看護観を培いながら、卒後の実践や応用に発展させる、「看護学の統合と発展」の科目があります。この中には、研究方法論、卒業研究、看護マネージメント論、看護教育論、緩和ケア論、クリティカルケア論、地域精神看護論、看護カウンセリング論、発達援助論、高齢者リハビリテーション看護論、成人がん看護援助論、地域保健活動展開論、国際看護・国際保健、親役割援助論があります。
 

その他

 助産師を目指す助産学に関する8科目があります。ほとんどが選択科目で構成され、広い視野に基づき活動できる人材の育成を目指して、学生が主体的に学べるようになっています。
 
 
 
 

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