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カリキュラム概要

京都府立医科大学のカリキュラムについて

 本学は1872年の創立以来、12,000人を超える医師・医学研究者を輩出して医学の進歩に貢献するとともに、「世界トップレベルの医学を地域に」の理念のもとに地域医療と保健を支え続けてきた。学則に明示しているように、この理念に基づき医学および看護学に関する知識および技能を授け、有能な医師、看護師、保健師および助産師となるのに必要な教育を施すことを目的とし、医学及び看護学の深奥を極めることを通じ、学術・文化の進展と人類の福祉とに寄与することを使命としている。2021年に大學昇格100周年を、そして2022年には創立150周年の節目を迎えた。本学は医学教育の方針について3つのポリシー「ディプロマ・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「アドミッション・ポリシー」を掲げている。本学の理念と目的・使命を達成するために、教育課程では学生諸君に「医学知識と問題解決能力」を涵養してもらうことは当然のこととして、「診療技能と医の心」、「コミュニケーション能力」、「科学的探究心」、「プロフェッショナリズム」、「社会における医療の実践」、「国際的視野」、「生涯にわたって学ぶ姿勢」を修得してもらうことを、卒業時の学位授与の要件として策定している。(ディプロマ・ポリシー参照)

 医学科教育課程は医学教育モデル・コア・カリキュラム(最新は令和4年版)と大学の独自プログラムを組み合わせて構成される。本学では「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を基盤にして、1年次の「統合授業」、4年次の「研究配属」、5年次の「地域医療実習」をはじめとする特長的な授業シリーズがある。このような教育課程の概要は次ページのカリキュラムマップに示されており、ここではカリキュラムマップの概要を説明することで、シラバス全体の理解の一助にていただくこととする。
なお、本学医学科の教育カリキュラムは日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価と、大学改革支援・学位授与機構による大学機関別認証評価の両審査共に認証を受けている。
●  医学基盤教育(教養)と三大学共同教養教育
本学では6年間の医学一貫教育の端緒として、1年次に集中的に医学基盤教育(教養)のカリキュラムをおいている。教養とは、知的に独立した魅力ある人間になるために身につけておくべき素養のことであり、多様な価値観に共感できる人間性は医師・医学者にとって重要な資質である。この教養教育は高学年でも継続され、基盤的教養を身につけ、自分自身の興味や得意科目を伸ばすことが出来る能力を涵養する。
本学では、京都府立大学と京都工芸繊維大学との三大学教養教育共同化の実施によって、各大学における特長ある教養教育科目の授業を選択することができる。ぜひ受講を勧めたい。専攻科目や学修目標の異なるさまざまな学生たちと交流することも可能であり、このような仕組みを生かして豊かな人間性を築くことを期待する。
これらの教養に主眼を置いた科目のほか、特に理系科目や語学科目などの医学基盤教育科目は、高学年における専門教育への「医学準備教育」としての役割をも担う。理科系授業に専門課程教員が参加するなど、基礎医学科目のシームレスな導入(垂直統合授業)を図っている。
●  基礎医学・社会医学と研究配属
1年次の2月からは基礎医学科目の授業が始まり、解剖学・生理学・生化学/ゲノム医科学などの科目でヒトの正常機能を学び、引き続き病理学・薬理学・免疫学・感染病態学などを通じて、ヒトの病気のなりたちや病態の制御についての学修へと進む。医学基盤教育からの縦断的プログラムを配置し、基礎医学・社会医学の理解に立脚して臨床医学の学びへと統合的に進める構成である。生命科学の進歩は加速しており学修する事柄は多いが、記憶する知識量を増やすだけではなく、生命の営みや疾病構造の原理・原則を理解し、そのメカニズムを統合的に把握することが重要である。臨床医学の講義をはさんで4年次には、医療と社会との関係性を学ぶ法医学、保健・予防医学の社会医学を配置し、これらの授業を通じて法律・司法や行政との関わり、公衆衛生学的アプローチについて学ぶ。
4年次の前期には約6週間の基礎・社会医学教室への研究配属の期間を設けている。この期間には基礎・社会医学の教室に所属して実際の実験手技を修得したり、医学研究の進め方を学んだり、さらに教員・研究者の姿に触れる体験を積むことになる。「科学する心(リサーチマインド)」を涵養し、医学が基礎研究によって発展し支えられてきたことを理解してくれるものと期待する。この機会を利用して、学会発表や論文執筆を行い、国内・海外の研究室への留学する学生も多い。
●  臨床医学・ユニット型授業とCBT/OSCE
3年次から臨床医学の講義が開始され、内科学・外科学に始まり多くの臨床医学科目を履修する。循環器・消化器・神経・呼吸器の4領域については内科・外科・関連診療科を「水平統合」し、さらに解剖・病理学を主とする関連科目の授業を「垂直統合」した「ユニット型授業」を開講している。4年次の前期までに全ての臨床科目を履修して受験資格を得たのち、医療系大学間共用試験実施評価機構が行う全国の統一テストであるCBT(Computer-Based Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)を受験する。これらは2023年度から公的化され、CBTと臨床実習前OSCE (Pre-CC OSCE)の両者に合格すると“ 臨床実習生(医学)Clinical Clerkship Student ”の称号が与えられ、臨床実習への参加が許可される。2023年度からは医師法改正により学生の医行為が法律的に認められ、今後は診療参加型臨実習がますます充実していくこととなる。臨床実習生(医学)Clinical Clerkship Student には全国共通の認定証が発行され、病院内ではClinical Clerkship Student を示す青色の名札(ID)をつけることになっている。臨床実習前には、本学学友会から大学ロゴが刺繍された白衣がご厚意で授与される(白衣授与式を11月に予定)。
●  診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ、CCIとCCII)
4年次の後半から診療参加型臨床実習であるクリニカル・クラークシップ(Clinical Clerkship;CC)を72週間履修する。前半のCCIでは主として大学附属病院内での実習となり、グループ分けの上各診療科をローテートする。後半のCCIIでは学外関係病院や海外協定大学などの学外での実習も含まれる。臨床実習については「臨床実習実施要領」を作成しているので、かならず実習前に熟読しておく。
5年次においてはCCIの修了と進級試験が進級要件の一部となっている。また、CCIIの単位を修得後に、共用試験実施評価機構が行う臨床実習後OSCE (Post-CC OSCE)と卒業試験に合格し、ディプロマポリシーを満たすことが卒業要件になっている。本学の卒業をもって医師国家試験の受験資格が与えられる。
●  地域医療実習
5年次の夏季に行われる「地域医療実習」は、京都府北部の中核的医療施設に一週間滞在し、地域で医療実習することに加えて、メディカルスタッフや地域ボランティア・介護に携わる方々、行政の方々と膝を交えて多職種連携を実地に学ぶことを目的としている。医療過疎の現実や地域医療のあり方について、さらに医療実務における多職種連携のあり方などについて実際に体験し思考を深める本学独自の教育課程である。
●  海外臨床実習派遣と国際医学英語
5年次または6年次には、海外でのクリニカル・クラークシップのための派遣を行う。古くからの協定校である米国のオクラホマ大学と英国のリーズ大学にくわえ、2018年度からは英国(スコットランド)のエジンバラ大学、2019年度にはタイのチュラロンコン大学、さらに2020年にはシンガポール国立大学とオランダのマーストリヒト大学と協定を結び、この6大学に若干名ずつを派遣している。2025年度からはさらに3大学(ハリム大学、シドニー大学、ロス・アンデス大学)との協定がすすみ、派遣が開始される。[直橋3] [間嶋紗織4] これらは各大学で原則4週間の臨床実習を行うものであるが、正式な選択教程として単位認定しているものである。修学上必要となるレベルの英語力を、公式の検定を受けたかたちで派遣先大学宛に示すことが要求される。したがって臨床実習派遣を希望する学生は、学内の選考面接試験の前に、TOEFLやIELTSを受験し、それぞれの大学から要求される得点やレベルを得ておく必要がある。2022年度から4年次に開講された国際医学英語では、医療場面での会話に重点をおいた授業が行われ、これらの機会を積極的に活用することが望まれる。

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