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令和5年度 卒業式式辞

 本日は京都府立医科大学医学部、医学科109名・看護学科84名の学生さんが、無事学士号を取得され卒業されます。また大学院医学研究科30名、大学院保健看護学研究科5名の皆さんが修士号または博士号を取得されて修了されます。皆さん誠におめでとうございます。京都府立医科大学の教職員、在校生、ならびに附属病院職員を代表しまして、心からお祝いを申し上げます。そして、今日の良き日を迎えられましたご家族の皆様にも、長年にわたるご支援に対しまして感謝いたしますと共に、心よりお祝いを申し上げます。
 また、お忙しいご公務の中、本日ご臨席を賜り、ご祝辞を頂きました古川京都府副知事様、石田京都府議会 議長様、誠にありがとうございました。また河田学友会会長様、岩脇看護学科同窓会長様、京都府議会政策環境建設常任委員長中村様はじめ委員の方々と、多くの御来賓の皆様にご列席いただきました。誠にありがとうございます。
 今年卒業される学生さんは、2020年から3年間に亘り世界中を混乱に陥れた新型コロナウイルスの影響を受け、非常につらい期間もあったかと思います。特に実習が十分にできない時期、クラスメートに会えない時期もありました。またクラブ活動も西医体や近畿大会が中止になり、トレーニングに励んできた学生さんにとっては悔しい年月もありました。ただ有事の際には社会のトレンドが先取りして進みます。WEBで会議・授業ができるようになり、医療の世界では、オンライン診療、遠隔診断も可能になり、また特に若い医師による在宅コロナ診療も注目を集めました。これらが中心的な手法になるかは別として、将来必要な、社会のいろいろな分野のトレンドがコロナによって早まったことは否めません。卒業生の皆様もコロナ渦の中で工夫したこと、学んだことも恐らくあったかと思いますので、それらを忘れず、今後の人生のポジティブな要素にしていただきたいと思います。
 さて、医学科の学生さんは医師免許、看護学科の学生さんは看護師免許を取得し、4月から医師、看護師として社会に出られるわけですが、これらの免許は非常に大きな意味を持ちます。医療の独占権を持つという事です。検査や治療のために体に針を刺したり、また医師であれば治療のためにメスを入れたりすることも許されるわけです。当然その権利を行使するためには大きな責任が伴います。その責任は新人もベテランも変わりません。知識・技術を十分に身に付けることは当然のことであり、それと共に重要なことは利他的な心、倫理観を持つことが必要になります。それらはいわゆる医師・看護師のプロフェッショナリズムであり、是非それらを肝に銘じていただきたいと思います。明治維新、天皇が東京に移られた後、鳥羽伏見の戦いの戦乱の中、京都府民・市民の強い要望の中で、明治5年に設立された京都府立医大の建学の精神を忘れず、患者さんに寄り添う医学、医療を遂行していただきたいと思います。
 京都府立医大を卒業する全ての学生さんが附属病院で研修を受けられるわけではありませんが、どこで働いていても忘れないで頂きたいのは、皆さんは京都府立医大で医学・看護学を一から学びクラブ活動にも励み、友達も作りました。京都府立医大が医師・看護師への道、志の原点であり、ここが本籍です。是非いろいろなことを経験し、研鑽し、実力を付け、培った実力を最終的には母校に還元していただきたいと思います。そして育てていただいた京都という地域に還元していただきたいと思います。われわれ京都府立医大の理念「世界トップレベルの医学を地域へ」を常に心に抱いて成長していただきたいと思います。
 大学院を修了された皆さんにおかれましては、研究の手法を学び、結果を出されました。その過程ではいろいろな苦労があったかと思います。それを克服して学位を取得されましたことに敬意を表したいと思います。ただこれは研究の始まりであり、今後は学んだことを駆使して医学・看護学の課題解決、ひいては社会・地域の課題解決に繋げていただきたいと思います。
 本日ここを巣立つ皆さんの前途は明るく希望に満ちています。そして持っている能力は無限です。是非自分の力を信じて、悔い無く、医師として、また看護師としてのキャリアを歩んでいただきますよう祈念しております。最後に私の座右の銘を贈りたいと思います。第16代アメリカ大統領リンカーンの言葉です。「Where there is a will, there is a way.」、志ある所に必ず道は開ける。
 本日は誠におめでとうございます。
 

令和6年3月2日 京都府立医科大学 学長 夜久 均


 

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