テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

令和7年 年頭挨拶

 教職員の皆さん、そして学生諸君、2025年明けましておめでとうございます。
 本日は生憎の雨ですが、今年は元日から昨年と違って穏やかな幕開けとなり、お天気にも恵まれました。素晴らしい年明けになったかと思います。
 私、2023年4月に学長を拝命し、1年9か月が経ちました。基本的な方針は、就任直後に発表しましたように、医学の分野で世界に伍する研究大学であること、そして研究成果を社会実装・社会貢献に繋げ、社会に信頼される地域中核大学であること、そしてそれらを支える人財の育成です。その方針を中軸に今年も様々な活動を行っていきますのでよろしくお願いします。
 まず研究力向上のための取り組みです。現在、自然科学領域の日本の研究力の低下が指摘され、また18歳人口が急速に減少する中、国としても研究力のある研究大学を選別して集中的に支援をしようとしています。大学の研究力として、その成果を社会実装し社会貢献に繋げることの重要性が謳われ、高等教育機関、地方公共団体、産業界が連携することが必須となっています。
 その意味で大学執行部が最も力を入れていることの一つは産学公連携プラットフォームであるKPUM Medical Innovation Core for Society(K-MICS)の活動です。現在までに島津製作所、堀場製作所と包括連携協定を結び、企業提案テーマに対する研究を公募中です。K-MICSの覚生塾において若手中心のピッチイベントや知財管理等の連携講座を行っています。また他にも順天堂大学、京都フィナンシャル・グループと包括連携を結んでいます。今年はさらに提携企業、大学を拡げていき、研究力の向上、人材育成につなげていく意向です。またこれらの実績を元に企業からの共感に基づく投資や寄付により、研究支援体制構築のための財政的基盤にすることも大きな目的です。
 また、研究力の向上、地域創成の観点からの重要な取り組みは、昨年4月に北部医療センターを北部キャンパスとして、大学院地域医学コースを設立したことです。昨年は5人の若手医師が社会人大学院生として地域医療に従事しながら大学院での研究をスタートしました。また来年度に向けても申請者が4人名乗りを上げてくれています。この取り組みは北部の知の拠点化ならびに地域の魅力化にも繋がり、地域課題の抽出・解決に向けて質の高い研究を地域から発信していただけることを大いに期待しています。
 次に教育に関してです。令和4年の医学教育モデル・コアカリキュラムの改定によって、学修者本位の教育が謳われ、学修者が何を学び、何を身に付けたかが求められる中、当大学でも教育改革が進んでいます。昨年は外部の医学教育専門家、学生を含めたプログラム委員会、プログラム評価委員会が順調に稼働しています。また今年度は大学機関別認証評価、医学教育分野別評価の受審の年になっており、大学機関別認証評価の現地調査は昨年既に終了し、医学教育分野別評価はこの4月に現地調査となります。これらの外部評価を機会に教育改革が定着することを期待しています。
 教育に関するもう一つの大きな取り組みは入試制度改革です。一般入試における現在の学力のみの選考から、主体性をもって多様な人々と協働する力を評価する入試への改変を目指して、学校推薦型選抜を5枠設け、昨年文科省に申請を致しました。令和8年度入試から開始となります。
 附属病院に関することは、この後佐和病院長に譲りますが、昨年4月に附属病院の救命救急センター指定を受けたことは大学の歴史の中でも大きな出来事かと思います。くしくも4月には医師の働き方改革が始まった中で救急搬送数が急増していますので、附属病院はすべての職種の皆さんが大変かと思います。現在救命救急センター病床の改築工事がなされていますが、今年は安定した救急対応体制の構築を行っていきたいと思います。
 大学整備構想に関しましては、今年度は、昨年度完成しました前期棟実施計画における課題検討を行ってきました。来年度はPFIの可能性検討から基本設計に向けての予算取りを目指していますが、何分これは法人の財政再建案がどう評価されるかにかかっており、まだ不透明の状況です。
 そして今年最も大きな課題の一つが法人の財政再建かと思います。今年度は手術室のフル稼働に加えて、救急搬送患者の増加に伴い、附属病院の医業収入は大きく改善しています。ただ、人事委員会勧告に基づく教職員の給与引上げのため、収入増加を上回る割合で人件費支出が上昇しています。また光熱費、医薬材料費、業務委託費の高騰の中、以前にも増して厳しい財政状況になっています。法人内に病院経営の外部専門家をプロパー職員として雇用し、経営改善計画を立て実行に移してまいります。先ほど述べました大学整備計画をはじめとする新しい計画を実行に移すためにも、是非皆さんのご協力をお願いいたします。
 今年は巳年です。ヘビは医学・医療のシンボルとしてWHOのロゴにも使われていますし、また脱皮を繰り返し、再生を意味する動物です。今年一年は当大学にとりましても脱皮・再生そして成長ができればと思っています。今年も何卒オールKPUMでの大学運営にご協力のほどよろしくお願いいたします。
 
令和7年1月6日 京都府立医科大学 学長 夜久 均

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093