京都府立医科大学：【論文掲載】蛍光顕微鏡画像を簡便に三次元観察可能に～蛍光顕微鏡画像用にデザインされた「ボリュームレンダリングソフトウェア」を開発～

本研究成果のポイント

〇蛍光顕微鏡や組織透明化技術の進歩に伴い，蛍光情報を保ち組織・臓器・胚の全体を顕微鏡による観察が可能となりました．一方，顕微鏡から得られた断層像を用い，蛍光染色による断層画像から三次元的観察や解析を行う際，高性能なワークステーションや画像処理用演算プロセッサ（GPU）と専用のシステム導入には非常に高額なコストを要すため，多くの研究室の障壁となっていました．

○ 本研究では，大容量のシステムメモリへ高速にアクセス可能なGPUを保有するApple Silicon (Apple, Cupertino, CA, USA) の特性に着目し，十分な処理速度と高い観察自由度を備えたボリュームレンダリング（三次元画像作成・解析）用のオープンソース・ソフトウェアを開発しました．

○ 本ソフトウェアにより、ラップトップマシンにおいて高解像な顕微鏡画像の三次元観察を可能にし、幅広い生命科学分野での三次元的観察への応用が期待されます．

研究概要

　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　教授　八代健太の研究グループは，蛍光顕微鏡画像用にデザインされた「ボリュームレンダリングソフトウェア」の開発に関する研究成果が科学雑誌『Development』に（2024年４月25日）付けでオンライン掲載されましたのでお知らせします．

本研究では，大容量のシステムメモリへ高速にアクセス可能なGPUを保有するApple Silicon (Apple, Cupertino, CA, USA) の特性に着目し，十分な処理速度と高い観察自由度を備えたボリュームレンダリング（三次元画像作成・解析）用のオープンソース・ソフトウェアを開発しました．
　この研究から，幅広い生命科学分野での三次元的観察への応用が期待されます．

論文情報

雑誌名　Development
発表媒体　オンライン速報版
雑誌の発行元国　英国
オンライン閲覧　可　https://journals.biologists.com/dev/article-abstract/151/8/dev202550/346998/Acto3D-an-open-source-user-friendly-volume?redirectedFrom=fulltext
掲載日　2024年４月25日(日本時間)
論文タイトル（英）
Acto３D：an open source user－friendly volume rendering software for high-resolution ３D fluorescence imaging in biology

代表著者
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　八代健太　

共同著者
京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（同大学大学院医学研究科　小児科学）竹下直樹
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（東京大学大学院医学系研究科　小児科学）榊　真一郎　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（同大学大学院医学研究科放射線診断治療学）佐波理恵　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（同大学大学院医学研究科　小児科学）井上　聡
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（同大学大学院医学研究科　小児科学）西川幸祐
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学（大阪大学大学院医学系研究科小児科学）上山敦子
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　中島由郎
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　松尾和彦
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　茂田昌樹
　京都府立医科大学大学院医学研究科　生体機能形態科学　小林大介
　京都府立医科大学大学院医学研究科　放射線診断治療学　山崎秀哉
　京都府立医科大学大学院医学研究科　放射線診断治療学　山田　惠
　京都府立医科大学大学院医学研究科　小児科学　家原知子

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