理事長ごあいさつ

  • ルート >
  • 理事長ごあいさつ

京都府公立大学法人理事長への就任にあたって

理事長 金田 章裕
 
 京都府公立大学法人は、京都府立医科大学及び京都府立大学の2大学を運営する地方独立行政法人として平成20年4月に京都府によって設立されました。1法人2大学という全国的にも珍しいアンブレラ方式をとっており、経営は法人、教学は大学と分担をしながら、運営をしています。両大学とも、百数十年の歴史と伝統を持ち、京都府民に支えられ地域に根ざした大学として発展してきました。法人化後10年余が経過し、日常の大学・法人運営については柔軟かつ迅速な運営が可能となり、積極的な大学運営が行われるようになってきましたし、また附属病院の経営改善に現れているように、教職員に経営マインドが醸成されてきました。さらに京都工芸繊維大学を含めた3大学の教養教育共同化並びに両大学の研究者による共同研究の推進など、大学間の交流も深まってきました。
 
 一方で今、我が国社会は、SDGsを目指す社会目標の実現、少子高齢化による福祉・医療費の増嵩と人口減少、人生100年時代を迎える社会への準備、グローバル化の進展による大交流時代と国際競争の激化、情報通信技術とAIの急速な進歩によるSociety5.0の到来、我が国経済成長の鈍化・停滞、未曾有の財政赤字、東京への一極集中と地方の衰退など大きな課題が山積しています。大学の使命は、教育、研究、その成果を活かした社会貢献であり、大学には人材育成と科学技術の振興、知的創造活動の中核として重要な役割を果たすことが求められています。また、大学の内部環境をみますと、学舎・病棟の老朽化、運営交付金の減額による財政難、働き方改革等の人事管理など多くの問題を抱えています。
 
 京都府公立大学法人においては、これらの課題を解決するために、まずは時代の変化に対応して、かつ将来を見据えて、大学運営・大学改革を迅速に進めなければならないと考えています。もちろん、大学の根本は、教育・研究であります。京都府における知の拠点として高度な教育と最先端の研究を行うとともに、人材を育成し、地域の未来、地域の医療を支える大学にならなければなりません。受験生・研究者・企業に選ばれ、学生が母校を誇りに思える大学となることはいうまでもなく、府民の税金で運営されている法人・大学として、府民に信頼され、地域活性化・地域医療に貢献できる大学となるよう、法人運営・大学改革に取り組んでいきます。
 
 京都府とも十分連携・協力しながら、両大学の学長をはじめ教職員、学生、そして府民の皆さんの声に耳を傾け、理事長として大学の進むべき方向や経営方針・ビジョンを明確に示して、開かれた、透明性の高い、スピード感ある運営を進めていきます。京都府立医科大学及び京都府立大学が府民の皆さんに親しまれ、社会や地域の役に立つ未来志向の大学として更なる発展ができるよう、私のこれまでの経験を活かしまして、法人・大学運営に努めてまいりますので、皆様方の御支援と御理解をいただきますようお願いいたします。
 
理事長 金田 章裕
 
平成30年6月