図書館メールNews 第345号………………>>>>>2017.9.29発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- 教員コラム第11弾 第5回「図書館の思い出」 解剖学教室 生体構造科学部門/田中 雅樹先生    ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 論文評価のインパクトを測る!〜論文の評価指標と最近の潮流〜       図書館セミナーを10/6(金)に開催! ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 引用文献データベース「Web of Science」トライアル中! ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 診療支援データベース「DynaMed Plus」もトライアル中! ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 夜間開館の延長試行に関するご注意 ……………………………………………………………………………………………… [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】--- 教員コラム第11弾 第5回「図書館の思い出」 解剖学教室 生体構造科学部門/田中 雅樹先生 ………………………………………………………………………………………………  学生時代は図書館をあまり利用しなかった。図書館で勉強をしたり、読書をす るのがどうも落ち着かなく苦手だったからである。しかし読書は大変好きで、医 学の教科書よりも文芸書や評論も含め様々なジャンルの新書や文庫本をよく読ん だ。今はアマゾンで新刊情報を検索しているが、かつては新刊書が並ぶ大型書店 を逍遥し、手に取って見るのが街に出かけた時の楽しみだった。ただし購入する のは値段が張り、場所も取る単行本ではなく、300円前後で買える新書や文庫本が 中心であったが。学生時代に乱読し、いろいろな人がそれぞれの主張や意見・解 釈を書いているのを読んで感じたことが、その後の私の人生に影響を与えている と思われる。一言で言えば、読書を通じて自分の考え、立場を持つ個を確立する ことができたような気がする。 さて、就職して、研修医、修練医、大学院生となると文献を調べる必要が生じた。 当時は今のようにPubMedで検索できないため、Current Contentsを調べるか論文 の参考文献の孫引きか、どちらにしても図書館に行くしか実際の文献に当たれな いので、医師になって、それも大学院に入って研究を始めたあたりから本格的に 利用するようになった。研修医の頃に利用した旧図書館は現在の本部棟2階にあり、 狭いスペースに書架が並んでいて使い勝手はあまりよくなかった。現図書館が出 来ると便利になり、広い机の上に製本された医学雑誌を何冊も拡げ、必要部分の コピーを取ったものである。本学は歴史があるので、古い雑誌も所蔵しており、 100年以上の歴史がある神経解剖学の専門誌、Journal of Comparative Neurology は1950年代から揃っているので重宝した。また1970年代から出版され始めた神経 科学分野の雑誌の多くを所蔵しているので容易にコピーすることが出来て感謝し ている。 同様の歴史の重みを1990年代後半に留学した、Yale大学医学部のHarvey Cushing Medical Libraryにも感じた。当時はまだオンラインジャーナル幕開けの前で、 文献のコピーを取りに通った。重厚な建造物の中に医学の稀覯本のみならず、当 時出版されていた非常に多くの医学雑誌が所蔵されていた。驚いたことに図書館 になくて文献コピーができない雑誌はなかった。また日本の医学部・医科大学が 出版している日本語の医学雑誌もいくつか講読されていて、最新版が書架に並ん でいたことも印象に残っている。 時代が変わり、現在では自分のパソコンで文献が読め、図書館に直接足を運んで コピーを取る機会は少なくなった。しかし今も入手できるほとんど全ての医学文 献は附属図書館を介して提供されているし、我々は常に最新の情報を得る必要が ある。今後も附属図書館が本学の学術推進のための、情報提供の中核となって発 展されることを願う。 ※過去の教員コラムはこちら(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html)から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】--- 論文評価のインパクトを測る!〜論文の評価指標と最近の潮流〜       図書館セミナーを10/6(金)に開催! ……………………………………………………………………………………………… 本学で有料にて契約中の、評価指標を表す主なデータベースは 「SCOPUS」と「JCR Web版」(以下JCR)です。 ・SCOPUSでは論文ごとに被引用件数を知ることができます。 ・JCRでは雑誌ごとのインパクトファクターを調べることができます。  ↑JCRの元になっているのは「Web of Science」です。 各ベンダーより講師を招いて、この2つの指標の解説や、近年登場しているWeb上 のインパクトを計測する指標など新しい潮流についてご紹介いただきます。 論文を執筆する先生方、業績評価に携わる職員の皆様もどうぞご参加ください。 日時 平成29年10月6日(金) 場所 図書館AVルーム 講師 澤 綾子氏(クラリベイトアナリティクス研究支援マネージャー)    芦田 仁氏(エルゼビア・ジャパン・カスタマーコンサルタント) チラシ こちら(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/news/2017/files/15051.pdf) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】--- 引用文献データベース「Web of Science」トライアル中! ……………………………………………………………………………………………… 「Web of Science Core Collection」の主要な3ファイル(自然科学分野・社会 科学分野・人文科学分野)について、トライアルを開始しています。 ■トライアル期間:2017/11/30(木) まで ■アクセス先:Web of Science(http://webofscience.com)        または          図書館HP左>情報・文献検索>JCR Web版(https://jcr.incites.thomsonreuters.com/JCRJournalHomeAction.action?SID=B2-xxIztHFY0qZjb1n5F9z1nVN9HrNPYYQB0-18x2d7aBNZh1P4rIa4tn0JGiq6Ax3Dx3DTjPBULx2FvewS0IxxkmBY54Lgx3Dx3D-YwBaX6hN5JZpnPCj2lZNMAx3Dx3D-jywguyb6iMRLFJm7wHskHQx3Dx3D&SrcApp=IC2LS&Init=Yes)より左上のWeb of Science タブを選択して下さい。 ※学内のみの利用です。 今回のトライアルに併せて、10月6日(金)18:00より、利用者講習会「論文のイ ンパクトを測る!」を開催しますので、どうぞご参加ください。 また、抄録・引用文献データベース「Scopus」との比較アンケートも募集します。 2019年以降のデータベース選定の参考としますので、この機会にぜひ両者を使い比 べて、ご感想をお寄せください。 ■アンケート:図書館HP>新着情報(10/1付)「【Web of Science】トライアル」  にあげています。 ■回答期限:12月3日(日) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】---診療支援データベース「DynaMed Plus」もトライアル中! ……………………………………………………………………………………………… 2015年度にもトライアルをした「DynaMed Plus」を再度トライアルします。 現行の「DynaMed」にプラスされた主な機能: @検索機能のアップ ARecommendation (推奨度)の追加 B医用画像の追加 をご堪能ください。 ■トライアル期間:2018/3/31(土) まで ■アクセス先: http://search.ebscohost.com/login.aspx?profile=dmp      または        図書館HP左>情報・文献検索>DyneMedトップ画面(http://www.ebsco.co.jp/medical/dynamed/)より左上の「ログイン(IP利用)」をクリック、「DynaMed Plus」を選択。 ■ご利用ガイド http://www.ebsco.co.jp/medical/dynamed/supports/DMP_usageguide.pdf ※学外からシボレス(学認)認証で利用できます。 ※トライアルにつき、携帯端末での利用は不可です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】---夜間開館の延長試行に関するご注意 ……………………………………………………………………………………………… 9/1(金)より、図書館第3閲覧室を自習室として23時まで延長しています。 (他の閲覧室は通常通り平日21時、土曜日18時に閉館します) ご利用の際は以下の点にお気をつけください ・閉館時間以降の再入室は出来ません (退室は随時可能)  附属図書館の閉館時刻5分前までに、第3閲覧室に移動していただきますので、  忘れ物がないようにお願いします。 ・退室時には 必ず「閉館後の利用者ノート」に所属・学年・名前及び退出時間  の記入をお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Book Review] ……………………………………………………………………………………………… 長塚節著『土』 (岩波文庫 1949) 明治の末、関東地方の極貧農家に暮す、ある家族の物語である。 父、母、姉、弟の四人家族。物語の冒頭、母が破傷風で亡くなる。当時のことで あるから、有効な薬もなく、壮絶な最後であった。 そして、母の代わりを十台半ばの姉が務め、家事や農作業に励む。 一切、機械化されていない農業であるから、朝から晩まで肉体労働である。貧し いから、土を休ませておくこともできない。肥料を施し、次々に種をまく。 父は、自分が育てた作物だけでは喰えないから、近所の畑の作物を盗む。そして、 年端の行かない弟がそのことを、まわりの大人たちにしゃべってしまう。  物語の最後、火事で家を焼け出された家族は、どこにも逃げ出すことが出来な かった。 しかたなく、火事場跡に粗末な小屋を建て、肩を寄せ合いながら、それでも、し ぶとく生きていく。 どんな境遇にも、生きなければ仕方がない人々、逃げ出すことが出来ない人々の、 しぶとさを思い知らされた作品である。 図書館所蔵あり(地下電動書架上層 913||M)ただし、昭和20年代の出版物である ため、旧仮名遣いで非常に読みにくいです。(H.Y.) KPUM Library Booklog:http://booklog.jp/users/kpumlib    この本のページ:http://booklog.jp/item/1/B000JBITQW ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第345号 2017.9.29発行(隔週金曜日発行)      編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館              library@koto.kpu-m.ac.jp              http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/     ………………………………………………………………………      (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html