図書館メールNews 第314号………………>>>>>2016.7.22.発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】---教員コラム第10弾 第2回「図書館にまつわる時間軸的追想」       脳神経外科学教室 / 橋本 直哉 先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- AVルーム再開のお知らせ ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 2017年図書館購入雑誌アンケート               及び2016年度学生用図書の推薦について ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 平成28年度第1回企画展示 <原書を読もう!>展開催中 ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 貸出期間、延長中! ……………………………………………………………………………………………… 【6】--- どこでもKPUM!学外からの電子ジャーナル利用                    〜シボレス認証(学認)〜 ……………………………………………………………………………………………… [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】---教員コラム第10弾 第2回「図書館にまつわる時間軸的追想」       脳神経外科学教室 / 橋本 直哉 先生 ………………………………………………………………………………………………    2015年7月に脳神経外科学教室に着任し、この度は、図書館に関わるエッセイを、 とのうれしいご依頼である。最近は本を読む時間さえままならず、まれに息子を 連れて右京区図書館を訪れることはあるものの、自分の本を借りる余裕はない。 冒頭から愚痴を書くつもりはないが、本を読む時間が欲しい。  なかば致し方なく、時間軸に沿って自分と図書館についての「まつわり」を書い てみよう。 図書館を認識したのは、おそらくは小学校低学年だろう。夏休みの宿 題の読書感想文の本を選択するために、福井県の鯖江市立神明小学校の図書館で、 「あれでもない、これでもない」と子供心に迷ったことを覚えている。同じく鯖江 市立中央中学校に入学後も、図書館との関係は変わらず、さしたる思い出もない。 県立武生高校の図書館などは存在したかどうかも覚えておらず、それもそのはず、 学校を引くなりにバンド活動のためスタジオに直行、という3年間だった。それでも、 さすがに受験前ともなれば、田舎にて塾もなし、新装オープン後の鯖江市立図書館を、 今度は本のためではなく、自分のための静かな空間を求めて、豪雪(北陸地方を襲っ た昭和59年の59豪雪です)の中を訪れたものである。これが図書館とのまつわりの 最初といえば、そうなる。 ところが、話はやはり京都府立医科大学である。おそらくは病理学のレポート作成の ためだったか、とある論文が必要ということになった。さて、どう入手すればよいか。 何も知らない医学科4回生の私は、教えを受けていた第一病理学教室の細川洋平先生 (昭和55年卒、現近江八幡市立総合医療センター副院長)を頼った。今となれば、 誠に不細工で恥ずかしくなる話だが、文献検索の仕方を知らなかった私を見抜いた 先生は、その足で旧図書館(現大学本部棟)の2階の書庫に私を連れて行き、文献の 検索の仕方を、膨大な雑誌群を前に、一から手取り足取り教えてくださった。今も その情景をはっきりと記憶しているのは、細川先生が優しかったからではない。その 時に私は「近代医学というのはこのように進んできたのだ」ということを明確に教え られ、体感し、自分の中に収めたのである。その後インターネットの時代になって、 自分のPCで文献が手に入るようになっても、あの夏の日の感動は忘れ得ない、医学研 究者としての根幹を形成する出来事だったと思う。 さて、その後の「まつわり」には10年近くを要する。無論、インターネットは存在 せず、文献検索のため図書館にはよく通ったのだが、ほぼ「必要に駆られて」である。 1997年、初期研修と大学院生活を終えた私は、予てからの悲願であった米国臨床修行 に出た。テキサス大学ヒューストン校での臨床フェロー生活を始めた私は、24時間営 業の図書館にまずは驚愕した。脳神経外科のレジデンシー(脳神経外科専門医を取得 するための研修プログラム)は全科の中でも最も過酷なものであることが知られてい る。医学部卒業後、脳神経外科のレジデントはいわゆる”every other night on-call” の6年間を過ごす。隔日当直である。朝6時半カンファレンスと回診、7時にはOR(手術 室)、夜まで複数件の手術に入り、22時頃まで病棟業務、そのまま当直に入り、すべて の救急患者に対応する。翌朝からまた同じ1日の繰り返しで、ようやく22時頃になって 自分のアパートに帰る。労働基準法もメンタルヘルスもあったものではない。忙しすぎ て、朝のカンファレンス、症例プレゼンテーションのための文献検索が間に合わない。 彼らの口癖は、「図書館が24時間やっていてうらめしい」である。なぜなら、調べら れていないということはoff-callの日に「寝ていた」ことになり、「どうして寝たの だ?」と教官が怒るのである。  ある日、どう見ても80歳を超えたと思しき、品のよいご婦人が、一生懸命に勉強し ておられる。「何か調べものですか?」と気軽に尋ねると、「医師免許のために」。 「どうして?」「あら、テキサスでは5年ごとに医師免許の更新のための試験がある のよ」「!!!」。  司馬遼太郎の「アメリカ素描」ではないが、その社会の厳しさを突きつけられ理解 させてくれたのも、また図書館であった。レジデンシーに耐えられなければ脳神経外 科医になれないだけであり、5年ごとの試験に受からなければ医師でなくなるだけの話 である。アメリカの医師の地位や収入が日本と比べて格段に高いこと、医療経済を含 む医療事情が著しく異なること、さらに医療は文化であり、アメリカに限らず国によ って大きく異なることを無理なく理解できるのも、図書館のおかげであった。  ここまで、個人的な図書館にまつわる思い出を書いてきたが、このような私の経験 上、図書館の重要性は意外なところにもあると言わざるをえない。これはあくまで個 人的な経験であり、他の先生方や読者諸氏の経験を拝すれば、図書館というものの存 在は計り知れない恩恵のように思える。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】--- AVルーム再開のお知らせ ………………………………………………………………………………………………  改修工事のため利用を停止し、ご迷惑をおかけしていましたが、 7月14日(木)より使用を再開しています。 AVルーム(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/guidemap/avroom.html) はプロジェクターなど投影装置を備え、講演会・講習会等に適した部屋です。 毎月1日から翌月分までの予約が可能です。 ご利用、お待ちしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】--- 2017年図書館購入雑誌アンケート                  及び2016年度学生用図書の推薦について ……………………………………………………………………………………………… [雑誌アンケート] 2017年に購入する雑誌を選定する際の参考とするため、各教室あてに図書館購入 雑誌アンケートをお願いしています。 限られた予算内で、少しでも役に立つ雑誌を皆さんに提供できるよう努力したいと 考えていますので、ご協力をお願いします。  ◇配布資料 ・2017年図書館購入アンケート及び教室所蔵雑誌調査の実施について(依頼) ・2017年図書館購入雑誌アンケート記載要領   ・回答用紙1〜5    *回答用紙をダウンロードしてご記入ください。      (回答は、原則Eメールでお願いします。) [図書推薦] 併せて、2016年度(平成28年度)に図書館が購入する図書を選定する際の参考とする ため、各教室・部門(看護学科は各領域)あてに学生用図書の推薦をお願いしています。     ◇配布資料   ・平成28年度学生用図書の教室推薦について(依頼)   ・推薦図書記入シート(回答様式)    *推薦図書記入シートをダウンロードしてご記入下さい。      (回答はEメールでお願いします。)    *各教室・部門(看護学科は各領域)で取りまとめていただくようお願いします。  ◆ダウンロードURL:https://www.kpu-m.ac.jp/k/library/gakunai/enquete/2017.html   (学内専用のため、パスワードが必要です。) ◆提出期限:平成28年 8月 9 日(火) ◆回答・連絡先:libseiri@koto.kpu-m.ac.jp              雑誌担当 河原(かわはら)図書担当 山添(やまぞえ)              ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】--- 平成28年度第1回企画展示 <原書を読もう!>展開催中 ……………………………………………………………………………………………… よく知られた『ロビンス基礎病理学』などの原書本と翻訳本が現在図書館1階に 集合中です。同じ版で、日本語と英語を対比できます。 ■期間:平成28年7月19日(火)〜8月31日(水) ■場所:附属図書館1階 特設展示コーナー 出展図書はすべて貸出可。どうぞご利用ください! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】---貸出期間、延長中! ……………………………………………………………………………………………… 大学は夏休み!図書を長く借りられます。 ◇延長対象資料:単行書のみ  (雑誌・ビデオ・CD-ROMなどは通常どおり) ◇貸出期間: 8月27日(土)までに借りた図書はどれも、返却期日が9月12日(月)になります。 8月29日(月) 以降は通常どおり2週間となります。 本館、教養図書室とも実施中。今なら最大1ヶ月半借りられます。 勉強に!バカンスに!この夏、図書館の本とじっくり向き合いませんか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【6】--- どこでもKPUM!学外からの電子ジャーナル利用                       〜シボレス認証(学認)〜 ……………………………………………………………………………………………… 〜ご自宅や出先から、大学の契約電子コンテンツに、簡単アクセス〜  大学で契約している、以下の電子ジャーナルやデータベースには、シボレス認証 (学認)を利用して、学内メールのアカウントでログインすることにより、 学外から簡単にアクセスできます。  使い方など詳細は、図書館ホームページ>「電子資料」>       「学外から電子コンテンツを使う」>「シボレス認証」をご覧ください。 (http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/densisiryou/gakugairiyo/Shibboleth.html) ◆電子ジャーナルDB:   BMJ、Cell、Elsevier ScienceDirect Journal、LWW-Ovid、Nature、   Ovid Nursing Full Text、Oxford University Press、ProQuest、Springer、   Wiley Journal ◆2次資料DB:   医中誌Web、CINAHL、DynaMed、Scopus ◆電子ブック:   ebrary Doody's Springer、LWW eBooks Collection、NetLibrary、   Elsevier ScienceDirect Book、Thieme clinical Collection、Wiley Ebook、   丸善eBook Library、 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Book Review] ……………………………………………………………………………………………… 「はたらく細胞1,2」(2015 清水茜著) 梅雨が明け、熱中症に要注意の厳しい暑さです。 熱中症の時、体の中では何が起こっているのか? 「はたらく細胞」は、体にトラブルが起こったとき体内で活躍する細胞を擬人化 した漫画。彼らは体を襲ういろいろな敵と戦い、常に体を守る。 1話読み終わるたびに体内環境が気になります。 (第2閲覧室 491.311/H/1, 491.311/H/2)(N.Y.)  トップページ:http://booklog.jp/users/kpumlib    この本のページ:http://booklog.jp/item/1/4063765601 ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第314号 2016.7.22発行(隔週金曜日発行)      編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館              library@koto.kpu-m.ac.jp              http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/     ………………………………………………………………………      (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html ………………………………………………………………………………………………