図書館メールNews 第225号………………>>>>>2013.02.07 発行   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- コラム第6弾! 第8回 「なぜ図書館で本を読むのか」                   / 感染病態学教室 中屋 隆明 先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- Bentham Science誌 電子ジャーナルトライアル中! ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 『今日の臨床サポート』トライアル延長しています。 ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 「二十周年に捧ぐ、人生の20(ツレ)~我が座右の書~」展開催中!    ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 貴重書全文アーカイブ、2冊追加しました! ……………………………………………………………………………………………… 【6】--- 15分講習会を実施しています(PubMed・医中誌Web・インパクトファクター) ……………………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………… [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 コラム第6弾! 第8回 「なぜ図書館で本を読むのか」                   / 感染病態学教室 中屋 隆明 先生 ………………………………………………………………………………………………   皆さんも同じであると思うが、図書館の思い出と言えば、小学校時代まで遡る。  特に5,6年生の高学年になってからは、教室の図書棚にあった本だけでは飽き足  らず、図書室に行っていろんな本を手当たり次第読むのが日課となった時期があ  った。「シートン動物記」など小学生向けの本をまさにむさぼり読み、その内容  の一部は今でも鮮明に覚えている。一方、雑誌や新聞など、子供向けではないも  のを読み、大人の世界をのぞき見るのも大きな悦びであった。その中で、何かの  雑誌にベトナム戦争の写真が掲載されており、何気なく見ていた私は大きな衝撃  を受けた。(おそらく)米兵が砲弾を受けてバラバラになった敵兵の一部、頭と  片腕を引っ張り上げている、というものであった。付いていた記事の内容は覚え  ていないが、遺体の写真を見たのは初めてであり、そのショックもさることなが  ら、遺体の一部を手にした人間から漂ってくるものが、死への悲しみや怖れでは  なく、いわゆる記念撮影のようなザラッと乾いた印象であったことに大きな驚き  を覚えた。見てはいけないものを見たという気持ちと、(その当時はベトナム戦争  がどういったものかは知らなかったが)戦争というものの一面を知ったような、実  は未だに完全に言葉にできない経験をその時にした。そのことを私は学校の友人  はもちろん、親や姉妹にも決して言うことはなかった。それ以来、私は図書館から  本を借りて持ち帰ることはなくなったように思う。   大学時代の図書館はもっぱら試験勉強やレポート作成の場であった。読みたい本  は本屋で買っていたが、専門書となると高価でなかなか手が出なかった。といって  も図書館にある専門書は必要に応じて読むだけで、試験などが終わるときれいさっ  ぱり忘れてしまい、何を読んだかなど20年以上経った今となっては全く記憶に残っ  ていない。唯一の例外は「ワトソンの遺伝子の分子生物学:Molecular Biology of  the Gene」であり、中村桂子先生らの訳書を半年以上かけて少しずつ読んだ。最初  は分子生物学の勉強をしている、という自分に酔っているところがあったが、その  うちサイエンスというものの面白さに徐々に惹かれるようになった。読み進むうち  に解らなくなり、前のページに戻って、「ああ、そうか」と合点してもとの場所に  戻ることの繰り返しの中で、「じゃ、これはどうなってんやろう」とボケっと考え  たことが次のページで探求され、明らかになっていくことが度々あるようになった。  科学あるいは研究というのはアインシュタインのような一握りの天才が執り行うも  のだ、と漠然と考えていた平凡な学生にとって、本の中のヒーロー(科学者)も自分  と同じ疑問を持って研究に取り組んだことを知った喜びは大変なものであった。今  となっては、何の予備知識も持っていない学生に、彼らの研究の重要性が理解でき  るようにストーリ立てて筆をすすめたワトソン博士らの能力に敬服するばかりであ  るが、「一つの疑問が解決すると、さらに多くの疑問が次から次へと現れる」こと  がサイエンスの本質だと気づかせてくれた本書はかけがえのないものであり、現在  もなお、自らの研究を進めていく上での拠り所となっている。読み始めた当初は誰  かがその本を借りていると、「しゃーない」と半ばほっとしながら図書館を後にし  ていたが、そのうち、本気で残念がるようになった。しかしながら本を借りて帰ろ  うとは思わなかった。根がぐうたらでその場でないとやる気!が出ないことが主な  原因であるが、心のどこかで「この本は読まない間も独占すべきものではない」と  思っていたのかもしれない。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 Bentham Science誌 電子ジャーナルトライアル中! ……………………………………………………………………………………………… Bentham Science Publishersは薬学、生物医学、医学、工学、科学技術、コ ンピュータ、社会科学の分野で最新情報を提供する国際的学術出版社です。現 在、電子ジャーナル(117誌)にトライアルアクセスできます。 購読を前提としたものではありませんが、この機会に是非ご利用ください。     ◆提供期間 2013年2月4日~5月4日(3か月間)     ◆URL:www.eurekaselect.com(IPアドレス認証)    ◆タイトル例:Current Pharmaceutical Design,      Current Medicinal Chemistryなど。一覧はこちら。        (http://www.eurekaselect.com/bypublicationをリンク) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】『今日の臨床サポート』トライアル延長しています。 ……………………………………………………………………………………………… 『今日の臨床サポート』は、エビデンスに基づく疾患・症状の概要、診断・治療 方針など、臨床現場で必要な情報を提供するオンライン臨床サポートツールです。 日本のガイドラインに則した診療情報を収載。当トライアルでは約700コンテンツ   がアクセス可能です。(全て日本語)  購入を前提としたものではありませんが、この機会に是非お試しください。 ◆ 提供期間:2012年12月17日~2013年2月28日まで(再延長になりました) ◆ URL: http://demo2.clinicalsup.jp/  ◆ アクセス方法:ID/PWは、パスワード一覧表に表示しています。 ( http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/OJ/OJpassword.pdf ) PDFを開くためのパスワードは、図書館(libej@koto.kpu-m.ac.jp)までお問い合   わせください。コメント・ご感想なども上記アドレスまでお寄せください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】「二十周年に捧ぐ、人生の20(ツレ)~我が座右の書~」展開催中! ………………………………………………………………………………………………   新館移転20周年にちなみ、「二十周年に捧ぐ、人生の20(ツレ)~我が座右の  書~」展を2月12日(火)まで開催しています。  本を「20(ツレ)」と見立て、本学教職員の転機に役だった本、何度読んでも感銘を  受ける本など、人生に「ツレ」添っている本を約60冊ご紹介!  図書館員による美しい手作り冊子も好評配布中。館内展示と共にお楽しみください!  ★ HP:http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/event2012/jinsei20/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】 貴重書全文アーカイブ、2冊追加しました! ………………………………………………………………………………………………   デジタルアーカイブページ「貴重書全文アーカイブ」に、新たに2冊追加いた しました。   追加された項目は『痧脹玉衡書 序・目次, 巻之上・中・下, 後巻』と『醫學  質驗五種青嚢瑣探 上・下巻』です。   ぜひご覧ください。   今後もタイトル数を増やしていく予定です。   次回は「重廣補註黄帝内經素問 巻之1-24」等を予定しております。   ◆京都府立医科大学附属図書館デジタルアーカイブ   http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/denshi/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【6】 15分講習会を実施しています(PubMed・医中誌Web・インパクトファクター) ……………………………………………………………………………………………… PubMedや医中誌Webについて、基本的なことから知りたいけれども、図書館の 講習会に1時間も参加する余裕はないという方のために、10月に15分間の短い レクチャーを企画しました。 前回の実施の時の経験を踏まえ、12月から、15分講習会を再開しています。 今回はPubMed・医中誌Webに加え、インパクトファクターに関するレクチャーを 選んでいただけるようになりました! データベースの特徴、ホームページへの行きかた、検索方法、文献PDFの 入手まで、基本的な部分を、15分でまとめて説明します。 毎週月曜日に実施します。申込不要ですので、お気軽に図書館カウンターに お声かけください!お待ちしております。 2月末まで継続して実施する予定ですが、途中で時間や内容の変更をする場合が ありますので、ご注意ください。 ◆ 日時:平成24年12月~平成25年2月の毎週月曜日(今月中です!)        (2/11は休館日のため開催しません。)         11:00 / 16:00 の2回       ※上記と異なる日程や時間を希望される方はご相談ください。 ◆ 場所:図書館カウンター周辺 ◆ 内容:医中誌Web、PubMed、インパクトファクターから選択して下さい。 ◆ 事前申込:不要 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ …………………………………………………………………………………………………   [Book Review]・・・ 「劇場としての書店」   福嶋聡「劇場としての書店」(新評論 2002)は、読み手を鷲掴みにする迫力が   ある。著者の演出家から書店員への転身が、全編を貫く機動力になっていて、書   店という空間が、舞台になぞらえられている様が面白い。さあ、まだ見ぬ本との   出会いを求めて、書店に行ってみよう! 書店では、あなたが主役なのだ(もち   ろん、書店員も)(S.K.)     トップページ:  http://booklog.jp/users/kpumlib/ この本のページ: http://booklog.jp/item/1/4794805691 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第225号 2013.02.07 発行(隔週木曜日発行)  編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館          library@koto.kpu-m.ac.jp          http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/          ………………………………………………………………………       (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/mailnews/index.html ………………………………………………………………………………………………