図書館メールNews 第183号 …………………>>>>>2011.6.23発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- コラム第5弾! 第1回        「『意味への意志』と医療」 / 図書館長 伏木 信次先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 【Oxford オンライン医学書】トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 【AMA Mannual of Style Online】 トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 【Nature Climate Change】 トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 【EBSCO社 刑事司法・犯罪学分野のデータベース】 トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【6】--- 【Nature Reviewsシリーズなど】無料公開中 ……………………………………………………………………………………………… 【7】--- 【Oxfordジャーナル フルコレクション】 トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【8】--- 東日本大震災における医療支援のための無料公開情報 ……………………………………………………………………………………………… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 コラム第5弾! 第1回        「『意味への意志』と医療」 / 図書館長 伏木 信次先生 ………………………………………………………………………………………………    人間は意味を求める存在である、と言う。思春期から青年期にかけて、  「生きる意味とは一体何か?」という実存的問いにとらわれ悶々とした日々を   過ごした経験をお持ちの方は少なからずおられるにちがいない。そののち社会   人となり、今度は「働くことには一体どんな意味があるのか?」という問いを   自らに発した方もおられたであろう。さらには「死ぬ」ことにすら何らかの意   味を求めようとするのが私たち人間なのである。    Viktor Emil Franklは明日にも生命を断たれるかもしれない強制収容所生活   の中で次のような言葉を残した。「生命そのものが一つの意味をもっているなら、   苦悩もまた一つの意味をもっているに違いない。苦悩が生命に何らかの形で属し   ているならば、また、運命も死もそうである。苦悩と死は人間の実存をはじめて   一つの全体にするのである!」「人間が彼の苦悩を彼の十字架としていかに引き   受けるかというやり方の中に、たとえどんな困難の状況にあってもなお、生命の   最後の一分まで、生命を有意義に形づくる豊かな可能性が開かれているのである。」  (『夜と霧』みすず書房)端的に言うならば、ここでFranklは、絶えず意味を求  め続ける人間存在というものを強調することによって、絶望的状況の中において  さえニヒリズムを超克し得る道を示した。 2011年3月11日は日本人に、天災を前にして人間がいかに無力な存在であるかを   思い知らせた日として記憶に永くとどめられるにちがいない。大地震・大津波に   よって家族・親族・友人を突然失った東北地方の人々は、まさに絶望の淵に沈め   られたと言える。被災後3ヶ月を過ぎても、復旧・復興への足取りは未だ遅い。  その最大の理由は福島第一原子力発電所のメルトダウンにある。被災していない   人間が安全な立場からもの申すことには慎重であらねばならないが、Franklに倣  えば、人間はどんなに絶望的な状況にあっても常に希望を捨てず生きていこうと   する、「意味への意志」をもつ存在であるから、たとえ長い時間はかかるにせよ  被災地の復興は必ず成し遂げられると私は信じている。    ところで、今私は、先端医療の展開される大学病院にあって、患者の置かれて   いる状況を考えている。患者は一人一人絶えず意味を求め続けてこられた方々で   あり、医師をはじめとする医療者もまた、意味の中身はたとえ異なるにせよ同様  である。したがって、患者と患者を取り巻く医療者の間ではしばしば、価値観や   宗教観が互いに異なることによる葛藤が生じる。そのような状況にあって、双方  が最善の価値をどのように追求してゆくかは優れて今日的な課題と言ってよい。    この4月から私は附属図書館長ならびに総合情報センター長を拝命した。その   就任ご挨拶を兼ねて、教員コラムに今回執筆することとなったが、さまざまな情  報の交錯する今日、情報の質を吟味しつつ自らの思考の糧とする能力をいかにし   て涵養するかは、大きな課題である。図書館の存在意義はまさにこのような観点   からも再考されるべきであろうと考えている。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 【Oxford オンライン医学書】トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【Oxford Medical & Nursing Handbooks Online】 オックスフォード医学ハンドブックシリーズ。医学生や若手の医師に有用な オンライン版参考書。 【Oxford Medical Textbooks Online】 オックスフォード臨床医学テキストブック第5版など。臨床管理、予防、基礎 科学、臨床治療、感染病領域を包括的にカバー。 【Oxford Emergencys in…シリーズ】 ☆アクセス先→ http://www.oxfordmedicine.com/ ☆トライアル期間→2011/8/16まで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 【AMA Mannual of Style Online】 トライアル中 ………………………………………………………………………………………………   American Medical Association(米国医誌会)発行。医学系、科学系ジャーナ  ルへの論文を投稿するための執筆ガイド。スタイル方針の変更事項はハイライト  で説明している。   ☆アクセス先:http://www.amamanualofstyle.com/   ☆トライアル期間:2011/8/16まで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 【Nature Climate Change】 トライアル中 ………………………………………………………………………………………………   2010年4月創刊。気候変動や生物地球化学、生態学などを取り上げ、気候と社  会の相互作用、環境管理等のテーマについてもカバー。   ☆アクセス先: http://www.nature.com/nclimate/index.html   ☆トライアル期間:2011/8/16まで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】 【EBSCO社 刑事司法・犯罪学分野のデータベース】 トライアル中 ………………………………………………………………………………………………    Criminal Justice Abstractsのフルテキスト版    世界各国で出版された約240誌の全文を閲覧できる。刑事/司法/犯罪学を   多角的に研究し、法医学捜査や薬物中毒関連、犯罪学の国際化に対応するた   めの情報源ともなるデータベース。    ☆アクセス先:http://search.ebscohost.com/login.aspx?group=main&profile=ehost    ☆トライアル期間:2011/8/7まで  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【6】 【Nature Reviewsシリーズなど】無料公開中 ……………………………………………………………………………………………… 東日本大震災の復興支援として、Nature Reviews誌全8タイトル及びNPG 発行の学会誌8タイトルが公開されています。趣意に則り御利用ください。    1 Nature Reviews Cardiology (2007- 2011)    2 Nature Reviews Clinical Oncology (2007- 2011)    3 Nature Reviews Endocrinology  (2007- 2011)    4 Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology (2007- 2011)    5 Nature Reviews Nephrology (2007- 2011)    6 Nature Reviews Neurology (2007- 2011)    7 Nature Reviews Rheumatology (2007- 2011)    8 Nature Reviews Urology (2007- 2011)    9 American Journal of Gastroenterology (1999- 2011)    10 Bone Marrow Transplantation (1997- 2011)    11 British Journal of Cancer (1947- 2011)    12 Journal of Investigative Dermatology (1938- 2011)    13 Kidney International (1972- 2011)    14 Lab Animal (2003- 2011)    15 Leukemia (1997- 2011)    16 Oncogene (1997- 2011)    ☆アクセス先:http://www.nature.com/     (「東日本大震災における医療支援のための無料公開情報」=http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/tohokuichiran7.pdf     や電子ジャーナル検索窓からもヒットします)    ☆無料公開期間:2011年9月30日まで     学内からはそのまま御覧いただけます。     ID/PWにより、学外からのアクセスも可能です。     (アクセスのためのID/パスワードはパスワード一覧表に掲載しています。     画面を開くためのパスワードは、図書館(libej@koto.kpu-m.ac.jp)まで     お問い合わせください。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【7】 【Oxfordジャーナル フルコレクション】 トライアル中 ………………………………………………………………………………………………    医学/生命科学に加え、数学・物理/人文科学/法学/経済/社会科学分野を含   めたオックスフォード電子ジャーナルの全コレクション(合計228タイトル)   にアクセスできます。    ☆アクセス先:http://www.oxfordjournals.org    ☆提供年:1996年~最新号    ☆トライアル期間:2011/8/22(月)まで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【8】 東日本大震災における医療支援のための無料公開情報 ………………………………………………………………………………………………   図書館ホームページの<新着情報>に、フリーアクセスが可能な情報(文献  検索・電子ジャーナル・サイト)をアップしています。 http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/     震災に関わる医療従事者の方へ無償で提供するものです。各提供機関の趣旨  に基づいて活用くださるようお願いします。   ★ 文献検索 [ 医薬品情報データベース ]          【Cochrane共同計画日本語訳】京都大学大学院医学研究科社会健康医学系     専攻       等々 ★ 電子ジャーナル(電子ブックも含む)     【メディカ出版 災害医療関連記事】メディカ出版    【McGraw-Hill AccessMedicine】McGraw-Hill社提供     【Nature Publishing Group】NPG社提供 9/30まで     等々    ★ Webサイト    【国立保健医療科学院】    【放射線医学総合研究所】    【日本医師会】     等々 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………   [Book Review]・・・「神秘のモーツァルト」   フィリップ・ソレルス「神秘のモーツァルト」(集英社 2006)。堀江敏幸氏 の訳がすばらしい。モーツァルトの音楽(リリー・クラウス奏でるピアノ・ソナ  タがいい)を聴きながら読むのが最高! (編集子:S・K) http://booklog.jp/users/kpumlib ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第183号 2011.6.23 発行(隔週木曜日発行)  編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館          library@koto.kpu-m.ac.jp          http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/          ………………………………………………………………………       (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/mailnews/index.html ………………………………………………………………………………………………