図書館メールNews 第159号 ……………………>>>>>2010.7.22発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- コラム第4弾! 第2回「大学とは何かを考察してみました」                    / ゲノム医科学教室 田代 啓先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 「PubMedの使い方」講習会のご案内! ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 図書館が依頼している雑誌アンケートの提出について ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 【松本仁介医学振興基金】 に、7冊追加しました! ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 夏休み中の貸出期間延長について ……………………………………………………………………………………………… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 コラム第4弾! 第2回「大学とは何かを考察してみました」                    / ゲノム医科学教室 田代 啓先生 ………………………………………………………………………………………………   大学とは何かを考察してみた。大学の役割は、三つある。  1.医師や法律家や技師など高度な専門職育成  2.研究と創意工夫による価値の創造  3.教養や見識と呼ばれる資質の向上と批判精神と外圧や権威におもねらない    独立自尊の精神の獲得  1.府立医大など日本の歴史の古い大学は高度な専門職育成から始まっている。   明治初期に最先端の実学を導入しようにも国内には指導者が決定的に不足して   いたので、超高給の「お雇い外国人」を短期間招聘して知識を吸収した。府立   医大も創設期にヨンケル先生とマンスフェルト先生とショイベ先生を招聘して、   「お雇い外国人」のお世話になった輝かしい源流を持つ大学の一角である。   突き詰めて考えてみると本学の誇るべき結晶の一つはここに行きつく。   それを示現する資料が図書館棟の2階に展示されている。興味深い展示品の中   で特に目を引かれるのが当時の医学生のノートである。「お雇い外国人」が好   き放題に彼の国の言葉で語る医学が流麗な筆記体で全言記載されている。美し   いノートが、当時の医学生にもの凄い基礎学力と学問に対する必死の熱意があ   ったことを雄弁に物語る。いつ見ても何度見ても清々しい気分になると同時に   「自分はどうか?」と内省する機会となる。「お雇い外国人」というキーワー   ドとともに「学ぶ熱意」について、学部生のゲノム医科学の講義に説教の時間   を設けて学生に繰り返し説いている。  2.今日、知識という価値を外から単純に導入して、右の物を左に動かす中継貿   易のようなことでは一番の評価を得られないのは、当然である。研究して、創   意工夫して科学や医学に新しい1ページを加えて新しい価値を創造することが   世の中から求められている。研究は簡単では無い。既存の知識を完全に近い程   度にまで理解した上で、何かがおかしいとか、足りないと感じる飢餓感や批判   精神が無いと研究は始まらない。必要は発明発見の母であるが、必要を感じる   センス自体が重要である。研究は一番が総ての権利を得るルールなので、二番   ではダメな厳しい世界である。    一見すると専ら専門家育成に徹しているかに見える府立医大の学部教育に於   いても、実は批判的学習能力涵養によって研究の土台と研究マインドを育成し   ている。専門家育成が資格取得だけに厳密に限定されるならそのようなことは   望むべくも無いが、明治時代に導入した専門家育成には、研究マインド育成と   不可分の疑いながら学ぶ態度の成分が濃く含まれていた。クロード・ベルナー   ルが医学の研究にも経験と観察のみでなく実験を導入しなければならないとい   う研究マインドを世界最初に指摘した「実験医学序説」(岩波書店)を著した   のは1865年だった。欧米でも生理学や免疫学の研究が医学と密接不可分の   ものとなり始めたちょうどその時期に、西洋医学を導入できた日本は幸運だっ   たと感嘆する。欧米から専門知識を導入しようとして、同時に無意識に研究マ   インドと批判的学習精神も導入していたのである。日本で最初期にそれを行っ   た本学で研究が盛んなのは当然である。なお、研究に必要な既存知識は大部分、   オンラインを含めて附属図書館を通じて供給されている。  3.3が1と並んで人材育成の神髄であることを日本で最初に看破したのは「学   問のすすめ」(講談社)の福沢諭吉である。教養と見識の獲得による独立自尊   の精神と批判精神の確立は、専門家育成や研究と同様かそれ以上に重要である。   これを欠くことは尊厳にかかわることである。その習得方法に王道は無いが、   図書館その他のお気に入りの場所で静かに自学自習することが不可欠であるこ   とは間違い無い。国立大学の法人化に際して、多くの旧国立大学には外部から   の影響を躊躇わせる独立自尊の威厳が備わっていたので、問題はおこらなかっ   た。137年間努力を積み重ねてきた本学もうまく乗り切れるに違いないので   安心している。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 「PubMedの使い方」講習会のご案内! ………………………………………………………………………………………………   昨年秋に大きな変更があったPubMed、またその後最近の変更点についても  説明します。PubMedからSFXへのリンク、MyNCBIについても解説していきます。  少人数の場合、個別の疑問にも回答していきます。   ◆日時: 平成22年8月6日(金)17:30〜18:30  ◆場所: 看護学学舎 地階 情報科学実習室(予定) ◆内容: PubMedの使い方   ◆事前申し込み不要   なお、PCで実習していただけます。ふるってご参加ください。   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 図書館が依頼している雑誌アンケートの提出について ……………………………………………………………………………………………… 現在図書館が依頼している下記のアンケートについて、7月21日(水)の  提出期限が過ぎました。まだ提出していただいていない教室・先生方は至急、  提出をお願いします。 ・2011年図書館購入アンケート ・2010年教室所蔵雑誌の調査について 連絡先  雑誌担当:廣瀬(ひろせ) libseiri@koto.kpu-m.ac.jp ◇ ダウンロードはこちらをご利用ください。 http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/enquete/2010/top.htm ダウンロード出来る用紙 ・2011年図書館購入アンケート及び教室所蔵雑誌調査の実施について(依頼) ・2011年図書館購入雑誌アンケート記載要領 ・回答用紙1 医学科用 ・回答用紙1 看護学科用 ・回答用紙2 ・回答用紙3 ・回答用紙4 ・回答用紙5 ・2010年教室所蔵調査記載要領 ・2010年教室所蔵雑誌調査票(新規作成用) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 【松本仁介医学振興基金】に、7冊追加しました! ………………………………………………………………………………………………   デジタルアーカイブページ[松本仁介医学振興基金]の古医書コレクションに  新たに7冊追加いたしました。   今回追加したのは、『泰西方鑑』,『天保医鑑』,『歴代名医一覧』, 『生生堂養生論』,『新編霊宝薬性能毒』,『増補重訂内科撰要』,『広益本草大成』 の7冊です。  ぜひご覧ください。   今後もタイトル数を増やしていく予定です。   ◆京都府立医科大学附属図書館デジタルアーカイブ    http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/denshi/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】 夏休み中の貸出期間延長について ………………………………………………………………………………………………   附属図書館では夏季休暇期間中、図書の貸出期間を延長します。どうぞご  利用ください。   延長対象者:京都府立医科大学の教職員及び学生   延長対象資料:図書(雑誌・ビデオ・CD-ROM などは通常どおりです)     貸出日:7月15日(木)〜8月10日(火) → 貸出期間:1ヶ月(31日間)       8月11日(水)〜8月26日(木) → 9月10日(金)まで       8月27日(金)以降      → 通常どおり(2週間)   くわしくは図書館カウンターでお尋ねください。   なお、花園図書室では7月1日(木)から9月6日(月)まで、 単行書の貸出  期間を9月24日(金)までとしています。あわせてご利用ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第159号   2010.7.22 発行(隔週木曜日発行)  編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館          library@koto.kpu-m.ac.jp          http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/          ………………………………………………………………………       (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/mailnews/index.html ………………………………………………………………………………………………