図書館メールNews 第 128 号 ……………………>>>>>2009.5.14 発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- コラム第3弾! 第1回「図書館前の胸像」/ 図書館長 福居顯二先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- RSCジャーナルのトライアル実施中 (化学系電子ジャーナル、再び!) ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 週刊情報誌 SciBX(サイベックス)を期間限定で見ることができます ……………………………………………………………………………………………… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 コラム第3弾! 第1回「図書館前の胸像」/ 図書館長 福居顯二先生 ………………………………………………………………………………………………   図書館前に胸像が建っています。そこには「醫学博士 島邨俊一君像」と書  かれてあります。よく知られていることですが、本学が医学校時代の明治32  年、京都帝国大学医科大学(現、京都大学医学部)が設立されたため本校の存  続が危ぶまれました。多いときには8名いた医学士教諭のうち5名(後にもう  1名、多くは東京帝大の同僚)が京都帝大に引き抜かれる中、頑なに本校に残  りその存続に奔走し、医学専門学校、医科大学昇格へと尽力されました。病気  のためやっと退職を許されて直ぐの大正6年、その功労を讃えるために本学唯  一の銅像として建てられ、先生の誕生日である11月11日に寿像除幕式が執  り行われました。式には、先生ご自身は病床にあり出席できませんでしたが、  後に「病褥に親しみつつ夢床にも願う所は本校の隆昌である」を残されました。  「京都府立醫科大學百年史」にはその当時の経過や写真が掲載されています。  像を取り巻く多くの教員、学生の中には着物姿もみられます。   その像は長い年月を経て、私の場合は昭和40年代後半の学生時代に見た風  景(現在の旧図書館すぐ横の木陰で雨に晒されひっそりと佇んでいた姿)が懐  かしく想い出されます。その像が平成11年6月に化粧直しされ現在の場所に  移され早や10年が経ちました。図書館に入る時に意識して像を見ることはな  いのですが、いつしか前を通っているうちに、昔とはまた異なった感覚でなぜ  か親しみや安堵感を感じます。最近では入学式や卒業式の折にふれ、当時の功  績を紹介されることが多くなってきました。   島村先生の名前に関する逸話を一つ紹介します。まず「姓」の表記です。胸  像には「島邨」となっていますが、書物や論文では「島村」であったり、「嶋  村」であったりします。岡田靖雄氏(日本医史学雑誌38巻)によると、本学  提出の履歴書には「島村」を、公文書には「嶋村」となっているかと思うと、  養父の墓碑銘には「島邨」を用いたりと色々です。当時は比較的自由に異体字  を使い、「島邨」をご本人が好んで使用されたのではと推測されていますが、  本当のところはよくわかっていません。「名」の読み方も、一部の記録には  「トシイチ」とありますが、多くの論文、鑑定書には「S. Shimamura」「S.S.」  とあり、「シュンイチ」が正しいとのことです。   島村先生のご自宅は大学近くの新烏丸通頭町、現在の「寺町丸太町上ル」に  在る新島 襄の住居跡(新島會館)のごく近くにあり、こう夫人の没後(昭和  38年)後継者がいないため旧宅跡は相続されないままになっていましたが、  昭和60年にやっと夫人の遺言が執行され土地の売却が叶い、その資金を基に  財団法人京都府医学振興会が設立されました。跡地にはマンションが建ち、  一角に建てられた石碑には「嶋村俊一邸跡」の記載としています。以後、振興  会の「嶋村基金」事業として、海外留学(初期のみ)・海外出張(大学院生)  の補助が続いています。明治27年12月に3年間のヨーロッパ留学を終え帰  国、僅か1ヵ月後に京都に赴任、療病院神経及び精神科部長として、内科・法  医学・精神病学・神経病学の講義を始めてから115年が経ちます。今は法人  本部の傍らで、往時と同じように遠くを眺めながら本学の隆盛を見守っている  ようです。  *昨年度に企画実施の教員コラムの第3弾です。今年度は、臨床系の先生方   を中心に、図書館や本に関する興味深いエッセイを隔号に掲載していく予定   ですので、ご期待ください。(編集子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 RSCジャーナルのトライアル実施中 (化学系電子ジャーナル、再び!) ………………………………………………………………………………………………   昨年2か月の試行で好評を博したRoyal Society of Chemistry(英国王立化学  会:RSC)提供の電子ジャーナルがタイトル数も増えて公開中です。   この機会にお試しください。  【RSCジャーナル】   期間:2009年5月1日〜7月31日まで 3か月  提供タイトル:Chemical Biology、Faraday Discussions、Integrative Biology  Organic & Biomolecular Chemistry、Physical Chemistry Chemical Physics、  Soft Matterなど、36タイトル。  図書館HPの電子ジャーナル検索窓からヒットします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 週刊情報誌 SciBX(サイベックス)を期間限定で見ることができます ………………………………………………………………………………………………   NPG(ネイチャー)社出版の週刊ニュースレター、SciBX(Science-Business  eXchange)をトライアル中です。 最新の研究成果を特定・評価する週刊情報誌です。  40誌以上の主要ジャーナルから、科学的信頼性やビジネスインパクトを元に  高質な科学研究を選び、レポート・分析を行っています。  研究者、技術移転担当者、事業開発担当者、ベンチャーキャピタリストに活  用いただけます。   トライアル期間: 2009年3月1日〜2009年5月31日   SciBX ホームページ: http://www.nature.com/scibx/   SciBX 日本語案内サイト: http://www.natureasia.com/japan/scibx/  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第 128 号   2009.5.14 発行(隔週木曜日発行)  編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館          library@koto.kpu-m.ac.jp          http://www2.kpu-m.ac.jp/~library ………………………………………………………………………………………………