図書館メールNews 第114号 ……………………>>>>>2008.10.23 発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 …………………………………………………………………………………………… 【1】--- コラム第2弾! 第2回「愛 燦燦(さんさん)」   … 解剖学・生体構造科学 河田光博先生 …………………………………………………………………………………………… 【2】--- 平成20年度学生用図書の推薦について …………………………………………………………………………………………… 【3】--- 11月5-6日、PubMedの使い方(基礎編・上級編)講習会を開催します …………………………………………………………………………………………… 【4】--- PubMedの京都府立医科大学専用入口ができました! …………………………………………………………………………………………… 【5】--- 図書館Webサービスで学外文献の取り寄せが簡単になる! …………………………………………………………………………………………… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】 コラム第2弾! 第2回「愛 燦燦(さんさん)」    … 解剖学・生体構造科学 河田光博先生 ……………………………………………………………………………………………  落ちついている。  声が、である。   司馬遼太郎著、国盗り物語の第一巻の書き出しである。のっけから読む者  を惹きつけ、松浪庄九郎(後の斉藤道三)の人物描写から司馬の世界へと誘  われる。言うまでもなく、司馬遼太郎は関西の文化が育んだ傑物の一人であ  るが、自らの目と耳を頼りに取材を重ね、独自の歴史観を打ち立て、文化勲  章受賞の栄誉まで上り詰めた。もっとも、司馬にとっては賞は人生の一里塚  に過ぎない。国盗り物語の道三、信長のストーリーは明確な野望のかたまり  に満ち、「俺の人生は俺が決める」と勇ましく、私人として人が生きるとは  何かを司馬の感性を通し、時空を越えて考えさせられる傑作である。   美智子皇后の著作の一つに、橋をかける(すえもりブックス)がある。右  綴じ、縦書きの和書のこの本には、妃の幼少時代の豊富な読書の思い出がつ  づられている。この冊子はまた同時に裏返せば、左綴じの英書としてページ  を繰ることが出来る。Building Bridgeのタイトルとともに、 美しい日本語  がそのまま見事な英文に置き換わり、やさしい響きが目に滲みいる。日本語  と英語の鏡面本として、洋の東西が文字通り一冊に結びつけられた粋な装丁  のなかに、「生まれて以来、人は自分と周囲との間に、一つ一つ橋をかけ、  人とも、物ともつながりを深め、それを自分の世界として生きています」と  ある。美智子妃のご公務の大変さを一般人の私など知る由もないが、公人と  して人生とは何かを妃の生い立ちを通し、立場を越えて考えさせられる秀本  である。   私は基礎医学の中に身をおく、大学の一介の研究者である。教育と研究の  日常行為のなかで、英語で書かれた実験論文の内容に、その著者の感情を読  み取ることはない。一つのどんな小さな論文も、多大な労力が費やされ、陽  の目を見ることになるのだが、文字や数字になるまでにどのような研究者の  人生遍歴があろうとも、文章は非情で、淡々と論理が展開する。表情を変え  ない能面のように結果が進む。が、しかしである。ごく稀に、論文の脚注に、  本論文を故人に捧げる、亡き妻に感謝する、など何気ない表現にであうと、  胸が締めつけられる。嗚呼、齢を重ねてきたせいかも知れない。涙腺が緩ん  だ者にとっては科学論文も、実は人生の縮図なのだと考えさせられる。   愛燦燦は、小椋佳作、美空ひばりの代表曲である。歌詞も書き出しが素晴  らしい。  「雨、潸々(さんさん)とこの身におちて、少しばかりの運の悪さを恨んだ  りして。」  そして、歌は、人は哀しいと続き、人はかよわく、かわいい、最後に、人生  は嬉しいものですね と終わる、ひばりの落ち着いた声で。  学生たちとの和やかなカラオケの場で、少し高揚しながら歌う私の愛燦々は、  若い教え子への秘かなメッセージでもある。医学部の講義で、しかも解剖学  の講義において、人生は悲喜こもごもだよと、教壇から言うことはできない。  科学論文に、人生を論じろとは指導できない。読み取れとは言えるが。   時代を越え、身分立場も違え、大衆文化とアカデミズムの間にあっても、  人が歩んできた道のりと、それを表現する文字の力に感謝したい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】 平成20年度学生用図書の推薦について ……………………………………………………………………………………………     図書館が平成20年度に購入する図書を選定する際の参考とするため、各教 室あてに学生用図書の推薦をお願いしています。   各教室で取りまとめていただくようお願いします。  ◇ 詳細は添付ファイルをご覧ください。   ・平成20年度学生用図書の教室推薦について(依頼)   ・推薦図書記入シート(回答様式)     ◇ 提出期限 : 平成20年11月4日(火)     ◇ 提出先  図書担当:國分(こくぶ) lib04@koto.kpu-m.ac.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】 11月5-6日、PubMedの使い方(基礎編・上級編)講習会を開催します ……………………………………………………………………………………………   PubMedの基本を知りたいという声にお答えして、PubMedの基礎編を開催!  基本はわかる方のための【上級編】も同時開催します。  ◆日時: 平成20年11月5日(水)・6日(木)       16:00〜17:00 PubMedの使い方【基礎編】       17:10〜18:00 PubMedの使い方【上級編】       ※2日間とも同じスケジュールです  ◆場所: 基礎医学舎3階 第3会議室(コンピュータ室の隣)  ◆持参物:その場で検索してみたい方は、ノートPCを持ってきてください       (無線LAN使用可)。    なお、PCなしで講義だけ聴いてもわかる内容です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】 PubMedの京都府立医科大学専用入口ができました! ……………………………………………………………………………………………   京都府立医科大学の所属者にとって便利なアイコンが表示される専用入口  を設置しました。  ◆検索結果(Abstract表示時)に京都府立医大アイコンを表示します  ◆電子ジャーナルの本文に直接リンクします  (現在トライアル中の”リンクリゾルバ”の機能です)  ◆図書館蔵書検索、学外文献複写依頼への流れがスムーズになります  <リンクリゾルバとは?>  ・PubMedや医中誌Webなどの文献情報データベースの検索結果から、 電子ジ   ャーナルや図書館所蔵検索の結果等に簡単にアクセスできるリンクを形成   するツールです。  ・現在、京都府立医大では、Ex Libris社のSFXというリンクリゾルバのトラ   イアル中です。SFXは来年1月から本格導入予定です。  ・現在、PubMed、医中誌Web、Scopus、Ovid MEDLINE/CINAHLに専用アイコン   が表示されます。また、Google Scholarでは、検索結果に「SFX   trial@京都府立医大」という文字が表示されます。   なお、PubMedは、京都府立医科大学専用入口からアクセスして下さい。   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?otool=ijpkpumlib  ・SFXによって表示されるアイコンや文字をクリックすると、中間窓が開き、   電子ジャーナルへ(京都府立医大で見られるもの)と、図書館蔵書検索へ   のリンクが表示されます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】 図書館Webサービスで学外文献の取り寄せが簡単になる! ……………………………………………………………………………………………   図書館Webサービスに申し込まれると、 トライアル中のリンクリゾルバと  連携して、学外からの文献複写取寄せ手続きが非常にスムーズです。  使用手順は次のとおりです。  1.PubMed等のデータベースを検索する。  2.京都府立医科大学のアイコンをクリックする。  3.中間窓で、電子ジャーナルがあるかどうか確認する。    ※もし電子ジャーナルがあれば、その場でご覧下さい。  4.電子ジャーナルがないか、アクセスできない場合、中間窓で、京都府立    医科大学図書館の所蔵を確認するボタンをクリック。    その巻号が図書館にあるかどうかを確認する。    ※もし所蔵があれば、図書館でご覧下さい。  5.蔵書検索で、「文献複写へ」というリンクをクリック    ID・パスワードを入力すると、文献情報の入力されたフォームが開き    ます。  ◆◇◆メールでの学外文献取寄せの申込みは、11月末で終了します。◆◇◆    今までにメールで申し込まれた先生方には、ご案内をお送りします。  ・申込はこちらでどうぞ。   http://www2.kpu-m.ac.jp/~library/web/index.html  ・Webサービストップページ   http://opacs.kpu-m.ac.jp/opac/index-j.html  ・Webサービスの新機能 ご案内   http://www2.kpu-m.ac.jp/~library/web/annai_20081015.htm ……………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第114号   2008.10.23 発行(隔週木曜日発行)  編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館          library@koto.kpu-m.ac.jp          http://www2.kpu-m.ac.jp/~library ……………………………………………………………………………………………