ブックタイトルNews&Views 創刊号 vol.1 Jan, 2015

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概要

News&Views 創刊号 vol.1 Jan, 2015

ResearchViews関する臨床研究、生検を要しない非侵襲的な診断法の開発、予後予測因子の解析、皮膚がんの中でも特に難治な悪性黒色腫や皮膚血管肉腫に対する分子標的治療薬の開発と作用機序の解明にも力を注いでいる。マウスの刺激性皮膚炎が血小板減少マウス(下段)では著明に減少「脳とホルモン」そのシームレスな機能形態の連関:解剖・生理合同大会の実施に向けて生体構造科学教授河田光博「脳とホルモン」の関係は、神経系と内分泌系の作用相関というよりも、内分泌機能がどのようなメカニズムで神経系からの制御を受けているのか、ということに力点がおかれた歴史がある。近年、ホルモンを中心とする生理活性分子は、脳や脊髄をその標的器官、組織として作用しており、フィードバックループに加えて、神経細胞やグリア細胞に直接働きかけ、生殖機能はもちろん、情動や行動にも幅広く影響していることが明らかとなってきている。このようなパラダイムシフトは、脳神経系での生理物質やその受容体を同定し、分子を可視化することが可能となったことに起因する。その結果、分子から個体、さらには個体間の行動研究にまで解析が進むこととなり、まさにシームレスな機能形態の連関と言える。本研第120回日本解剖学会総会・全国学術集会第92回日本生理学会大会合同大会は平成27年3月21日(土)~23日(月)神戸国際会議場・展示場で開催される究室は、これらの時代の先端的な内容を長い年月をかけて追い求め、熟成しつつ、さらに新たな香りを探し求めてきた。その「形と働きの科学」研究の集大成が、平成27年3月21日から23日に行われる解剖学会と生理学会の合同大会の実施となる(http://psj92-jaa120.umin.jp/)。日本の解剖学会・生理学会のオールスターは、世界に比してどの国にも負けない布陣であることを、この合同大会は示しており、その開催の一翼を担うことを誇りと感じ、さらなる研鑽を積んで行く所存である。培養ヒト角膜内皮細胞移植による角膜内皮再生医療の実現化視覚機能再生外科学教授木下茂角膜の最内層を被覆する一層の角膜内皮細胞層は、角膜組織の含水率を一定に保ち、角膜の透明性を維持するために必須の細胞である。しかしヒトやサルなどの霊長類の生体内では角膜内皮細胞が通常は増殖しないことが知られており、外傷や疾病、手術などによって広汎に障害されると、角膜の透明性を維持することができなくなり、角膜に浮腫と混濁を生じ、水疱性角膜症と呼ばれる角膜混濁による視覚障害の主要原因疾患を引き起こす。従来、水疱性角膜症に対する唯一の治療法は、ドナー角膜を用いた角膜移植術でしたが、当研究室が中心となって、水疱性角膜症に対する培養ヒト角膜内皮細胞移植を、平成25年12月に世界で初めて実施した。平成26年12月31日現在までに11例の臨床研究を実施し、本細胞移植治療の安全性を確認するとともに、角膜の透明化や視力改善などの有効性についても確認している。本研究は文部科学省「再生医療の実現化ハイウェイ」、厚生労働省「再生医療実用化研究事業」に採択されており、再生医療の臨床応用を牽引するプロジェクトとして、国内のみならず、海外からも大きな注目を集めている。将来的には並行して開発している点眼治療とともに、シームレスな内皮障害克服が可能になると考えている。培養ヒト角膜内皮細胞+ROCK阻害剤うつ向き姿勢角膜内皮細胞の生着細胞注入療法1培養した角膜内皮細胞と「ROCK阻害剤」を注入2患者さんの白く濁った角膜をはがし洗浄する3うつぶせで横になり安静に3時間過ごす独自のスクリーニング系を用いたがん分子標的薬の開発分子標的癌予防医学教授酒井敏行発がんに最も重要であるがん抑制遺伝子RBの失活に着目し、RB機能を定量する新規診断法、RBを再活性化させる予防法や治療法の開発研究を多くの9