テキストサイズ

  • テキストサイズ 中
  • テキストサイズ 大

JP

検索

EN

Menu

閉じる

【論文掲載】亜鉛欠乏が大腸炎を悪化させる新たな仕組みを解明~亜鉛欠乏に伴う免疫細胞の機能変化と大腸炎増悪に関する論文掲載について~

~亜鉛欠乏に伴う免疫細胞の機能変化と大腸炎増悪に関する論文掲載について~
 石川県立大学生物資源環境学部食品生化学研究室准教授 東村泰希および京都府立医科大学大学院医学研究科医療フロンティア展開学(消化器内科学併任)准教授 髙木智久,消化器内科学准教授 内藤裕二,消化器内科学教授 伊藤義人らの研究グループは,亜鉛欠乏による大腸炎増悪メカニズムを解明しました.本件に関する研究論文が,科学雑誌『Journal of Crohn's and Colitis』に11月30日付けで掲載されましたのでお知らせします。
 研究内容・成果の要点
●亜鉛欠乏によりIL-23/Th17経路が活性化する
 本研究において我々は,亜鉛キレーターであるTPENの腹腔内投与により亜鉛欠乏マウスを作製し,この亜鉛欠乏マウスにおいて炎症性腸疾患の実験モデルであるトリニトロベンゼンスルホン酸誘発性大腸炎モデルを作製しました.その結果,亜鉛欠乏に伴い大腸炎が著明に増悪することを見出しました.フローサイトメーターを用いた免疫学的手法により,その作用機序を解析した結果,大腸粘膜固有層において炎症型であるM1型Mphの増加ならびに17型ヘルパーT(Th17)細胞が活性化することが判明しました.また,Th17細胞の活性化に際しては,M1型Mphから分泌されるインターロイキン-23(IL-23)が関与することを明らかにしました.
 
●亜鉛欠乏に伴うIL-23発現亢進にはIRF5の核内移行が関与する
 マウス骨髄由来単球より分化誘導したマウス骨髄由来マクロファージ(BMDM)を用いて,MphにおけるIL-23発現と亜鉛欠乏との関係を調べました.その結果,亜鉛キレーターであるTPENの添加により細胞内亜鉛欠乏を呈したBMDMでは,IL-23を構成するサブユニットであるIL-23p19の発現が有意に亢進することを見出しました.さらに,亜鉛欠乏に伴うIL-23p19の発現亢進には,インターフェロン応答型転写因子であるIRF5の核内移行ならびにIL-23p19プロモーター上へのリクルートの促進が関与することを明らかにしました.
 
 
【論文名】
Zinc Deficiency Activates the IL-23/Th17 Axis to Aggravate Experimental Colitis in Mice
(亜鉛欠乏はIL-23/Th17経路の活性化を介してマウス大腸炎を増悪させる)
【掲載雑誌】
Journal of Crohn's and Colitis
【著者】
代表著者 
石川県立大学生物資源環境学部食品生化学研究室 東村泰希
共同著者 
京都府立医科大学大学院医学研究科医療フロンティア展開学(消化器内科学併任) 髙木智久
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 内藤裕二
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 内山和彦
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 水島かつら
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 田中信
京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学 濱口真英
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 伊藤義人

 
 
プレスリリース資料はこちら

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

お問い合わせ先
TEL:075-251-5111
FAX:075-211-7093