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酒井名誉教授が2019年春紫綬褒章を受章

2019年春の褒章において、酒井 敏行(さかい としゆき)名誉教授が紫綬褒章を受章されます。

酒井敏行名誉教授 経歴酒井先生肖像
 

昭和55 年 に京都府立医科大学卒業、大阪鉄道病院研修医、
京都府立医科大学大学院医学研究科博士課程(公衆衛生学教室)
、米国ハーバード医科大学留学を経て、平成3 年から京都府立医科大学公衆衛生学教室助手、平成6 年同講師、平成8 年には同教授に就任しました。
平成15 年からは本学大学院医学研究科分子標的癌予防医学教授に就任し、平成31年3月をもって定年退職され、現在は、京都府立医科大学の名誉教授、創薬センターセンター長、大学院医学研究科創薬医学 特任教授として研究の第一線でご活躍しておられます。

主な受賞歴

平成20 年 日本衛生学会 学会賞 
「発癌分子を標的とした合理的癌予防法の基礎的研究」
平成26 年 日本医師会医学賞 社会医学部門 
「癌の分子標的予防法の確立とその応用に向けての研究」
平成28 年 日本がん分子標的治療学会 鶴尾隆賞 
「RB 再活性化スクリーニングを用いた新規MEK 阻害剤trametinib の発見」
平成30 年 高松宮妃癌研究基金学術賞 
「ファースト・イン・クラスのMEK 阻害剤トラメチニブの発見」
平成30 年 日本医療研究開発大賞 文部科学大臣賞 
「がん抑制遺伝子の再活性化によるがん治療薬トラメチニブの発見」
平成31年 日本薬学会 創薬科学賞
「MEK 阻害薬トラメチニブの創製」
 

研究業績

 「がん抑制遺伝子の再活性化によるがん治療薬トラメチニブの発見等」
がん抑制遺伝子であるRBに着目して、RB再活性化物質をスクリーニングする手法を開発。
同法を用いて製薬企業と共同で化合物探索を行い、MEK阻害剤であるトラメチニブ等を発見した。トラメチニブは、進行性BRAF変異メラノーマ(悪性黒色腫)の患者に対し、既存薬に比べて著しく高い治療効果を示し、2013年に初めてのMEK阻害剤として米国で承認され、現在、我が国を含む60カ国以上で第一選択薬として使用されている。
メラノーマは難治性の皮膚がんで、欧米では日本の約10倍の頻度であり、国際的に最も深刻ながんの一つとされていた。さらに、トラメチニブはメラノーマ以外にもBRAF変異非小細胞肺がんや甲状腺未分化がんにも著効を示したために承認され、世界のがん克服に大きく貢献している。

コメント
 

私は高校の時に弟を骨肉腫で亡くし、患者様に還元しうるがんの治療法、予防法、診断法の確立を目指して、本学に入学いたしました。当初は、世の中に貢献しうる研究が少しでもできればと考えておりました。その後、運良く重要な発がん機構の解明や画期的新薬の開発をさせていただくことになりました。私にとっては、これだけで十分嬉しいことでございましたが、今回このような栄えある賞をいただけることになったのは望外の喜びです。今回の受章は、スタッフ、研究補助員、院生、企業の研究者などの多くの共同研究者、並びに長期間にわたり自由に研究させていただいた本学と京都府の御陰です。これからも感謝の気持ちを忘れず、患者様に還元しうる成果を目指して、チームで歩んでいきたいと思いますので、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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