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分子標的癌予防医学 酒井敏行教授が2019年度日本薬学会創薬科学賞を受賞

2019年3月20日、本学分子標的癌予防医学酒井敏行教授が2019年度日本薬学会創薬科学賞を受賞いたしましたのでお知らせします。

<功績>
MEK阻害薬トラメチニブの創製
 
日本たばこ産業株式会社(JT)の創薬研究グループによるMEK阻害剤トラメチニブの創薬は、本学分子標的癌予防医学酒井敏行教授が考案。「がん抑制遺伝子を修復する、あるいは活性化する薬剤を細胞のフェノタイプの解析でスクリーニングする」という新しい抗がん剤の開発アプローチの実践であり、我が国発の注目すべきユニークな創薬研究の成果である。
フェノタイプアッセイで化合物をスクリーニングし、結果的にはがん抑制遺伝子の一つp15を増やす化合物が、細胞のサイトカインシグナルトランスダクションでRASやRAFの下流にあるMEK1とMEK2の阻害剤であることを突き止めた。世界的に早期からRASやRAFの阻害剤開発競争が行われていたが、RASの阻害薬はいまだ市場に出ておらず、いずれのRAFの阻害剤も副作用が多い中で、MEK1とMEK2のアロステリック阻害薬であるトラメチニブの有用性は非常に高いと考えられ、世界初の国産分子標的薬として自慢できるFirst in Classの薬剤である。
2006年にGSK社へ導出され、2013年には米国でMEK阻害薬として世界初で承認され、今や世界60か国で承認されている。このような開発の経緯から、MEK阻害剤トラメチニブの創薬は日本薬学会創薬科学賞に値するものと評価された。
 
<日本薬学会創薬科学賞の概要>
日本薬学会創薬科学賞は、日本薬学会が定める賞であり、医薬品の創製およびそれに関連した薬学の応用技術の開発・実用化により、医療に貢献する優れた研究業績をあげた者に対して授与され、研究の独創性、製品の有効性、安全性、有用性、波及効果、医療および技術における革新性等が評価対象となっている。
 

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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