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平成30年度卒業式式辞

平成30年度京都府立医科大学卒業式(平成31年3月2日)
竹中学長式辞
 
 本日、ここに京都府立医科大学医学部医学科並びに看護学科で学部課程を修了し、卒業の晴れの日を迎えられた皆さん、おめでとうございます。
 また、大学院医学研究科博士課程、同修士課程及び大学院保健看護学研究科博士前期課程を修了され学位を取得される皆様も、本当におめでとうございます。
 併せて、ご列席のご家族並びに保護者の皆様、学部学生や大学院学生に、物心両面から永年ご支援と励ましを頂いたことに感謝申し上げます。
 また、本日ご来駕いただきました、西脇京都府知事様、村田京都府議会議長様、はじめ多くのご来賓の方々に、教職員並びに卒業生を代表して厚く御礼申し上げます。
 さて、皆さんは平成最後の卒業生になります。1872年に創立された本学は、明治・大正・昭和・平成の御世を歩み、2022年には150周年を迎えます。一方で、人口問題に端を発する急速な社会変化や気候の変化、世界情勢の緊張など、我が国は少なくとも第二次世界大戦後あるいは明治の近代化以降、未曾有の変革期にあると考えられます。情報工学の発達は目覚ましく、省力化と情報の一体化は国という時空間を無くす勢いで広がっています。この流れは人の健康や疾病の概念、人との具体的な接し方、意識の共有にも無制限に入り込むものと考えられます。Society5時代への医学・医療の対応が足下に迫ってきています。
 学部を卒業された皆さんは医師や看護師などの医療人として、あるいは研究者としての道をこの4月から歩まれます。皆さんが今後経験される医療や医学研究の実際は、我々の想像を絶する勢いで変化していくと考えられます。私は、この時点で10年後の医療現場を想像することはかなりの難問だと考えています。それでも大学は歩みを止めることはできません。不断の決意で組織改革を行い、変革の時代を乗り越えていく必要があります。本学は理念「世界トップレベルの医学を地域へ」の中で、地域医療を支え、医学研究を行い、その全ての成果を世界に発信し続けること表明しています。
 その為には「大学」はどうあるべきかについて私の考えをお伝えしておきたいと思います。大学の本分は、教育にあります。学生への教育を通して教職が謙虚に協働する場所でもあります。少し言い方を変えれば、教育や診療の疑問と課題を究明する為に、研究する処です。
 教員と学生は「教える人」と「教えられる人」に分かれますが、この両者が作り出す緊張や触れ合いそのものが正に「大学」であります。近年、大学の成果の社会還元が産官学の連携と呼ばれますが、それらは人材育成を踏まえて実現するものであります。学生諸君は我々にとって第一のステークホルダーであり、教職協働を映す鏡でもあります。本学が「大学」として機能し、成立しているか、我々は絶えず気を配り、検証をする努めを負っていることを、明言したいと考えています。
 さて、皆さんの多くは、医療人としての道を歩まれます。医療人として必要なことは、独立して高潔な人格と他人の病に共感できる温かさに加えて課題を解決する能力です。独立して高潔な人格は言うまでもありませんが、群れることなく正しいことを実践できる力、勇気を意味します。他人の病に共感できる温かさは、苦しみ悩む人への無言の支援です。決して治すとか治してあげるではなく、病人を受け入れる温かい心根で、この2つは、本学が卒業に際して皆さんに求めているプロフェッショナリズムの根底です。課題を解決する能力は、知識に裏付けされた高い技術と生涯学習に務めることで完成に近づきますが、決して完成することはありません。その基本にリサーチマインドがあります。医療人が探求する心を持たないことは、許されないと考えてください。
 学生時代にサヨナラを告げられた皆さんには、医療人として無限の可能性があります。地域医療の担い手としての貴方方への国民の期待は、想像を絶する大きなものです。どうぞ、生涯を通して、精進され自ら恥じることのない医療人としての道を歩んでください。
 大学院博士課程、修士課程を終えられた皆様、皆様の努力は医学や保健看護学の今後の発展の原動力となるものです。学問にも流行があります。私の拙い研究歴でも、最初の20年間に3度ほど流れを実感することがありました。多くの場合、自分が捨てた或いは蓋をした研究についての新見解でした。我が国の研究は急速に新しい横断的なテーマを求めています。医学と保健看護学の融合や健康や長寿の生物学的意味など、新しい発想での情報整理がkeyになるでしょう。なお一層の奮励努力と後継者育成へのご尽力をお願いいたします。
 京都府立医科大学は卒業生の皆さんの今後のキャリア形成にも寄り添う覚悟です。弥生三月、東風吹かば匂い起こせよ梅の花と申します。皆さんも大学に何時迄も興味と愛情を持っていただければと念じています。
 
 
 平成31年3月2日
京都府立医科大学 学長 竹中 洋
 

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