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令和4年度 入学式 式辞

 令和4年4月2日、京都府立医科大学医学部医学科、看護学科、並びに大学院医学研究科、保健看護学研究科へ入学された皆さんおめでとうございます。全ての教員、職員、在校生並びに附属病院で働く医療職を代表してお祝いの言葉を贈りたいと思います。「おめでとう」
 また、本日お越しいただきました京都府 古川博規副知事様、京都府議会 副議長 村井弘様にも御礼申し上げます。
 さて、2019年12月に武漢で報告された新型コロナウイルス感染症は世界中に拡散し、日本では6波の繰り返しを重ね累計感染者は650万人達し、死亡者は28000人に近づいています。この間附属病院は京都府下の唯一の一種感染症指定医療機関として、全力を挙げて診断・治療に邁進し、地域医療の最後の砦を守って来ました。加えて2月末からはロシアがウクライナへ武力侵攻を開始し、第3次世界大戦の危機とすら囁かれています。そこに至ることが防げたとして、感染症や戦争によって世界レベルの経済恐慌や物流の混乱が予想されており、地球環境や人類の健康長寿への影響は計り知れないリスクに直面することになります。
 将来、医療人として働くこと或は研究者や教育者に成ることを志して本学に入学された皆さんは、この現実をしっかりと自分の目で見つめ、認識し記憶に残して欲しいと思います。この苦しみや困難の渦中で何かを学び未来を開拓するのは若人の特権です。
 皆さんが体験された高校生活同様に、大学生活も依然として大きな制約を受けます。クラブ活動の全てのプロセスを体験している在校生は皆無ですし、幹部学年にも西日本医学生総合体育大会の経験者はいません。クラブ勧誘に纏わるmeetingや所謂飲み会も社会的ルールが変わったと考えて下さい。新生活と呼ばれる「密を避け、時間を限り、換気に注意して」が社会常識となっています。毎日、克己心を持って活動をしていただくことになります。
 昨年の入学式は中止となりました。カリキュラムや講義の流れもこの3年間に大きく変わりました。対面授業は可能な限り復活させたいと考えていますが、何もかもが令和元年以前に戻るわけではありません。医学や看護学教育は、予定された教育手順で講義・実習が、卒業に結び付くモデル・コア・カリキュラムが組み込まれています。卒業迄に必要な単位を取れば良い一般の4年制大学とは大きく異なることを承知して下さい。貴方達は所謂「課題解決型教育」を体験することになります。知識はツールであってそれをどう使いこなすか、正しく課題を解決することができるか?受験勉強と全く違う能力を身につけることになります。
 例えば、「ウクライナの小児がんの子供達の治療を京都府立医科大学附属病院で行うことができるか」を課題として共有してみませんか?ウクライナはチョルノービリ(チェルノブイリ)の原子力発電設備が破損して多大な放射線障害を出した国で、首都キーウ(キエフ)は京都市の姉妹都市です。附属病院には日本で有数の小児がん治療を行なっている小児センターがあります。この課題を実現するために新入生の皆さんには自分にできることは何か?EUはどう動くのか?日本までの移動はどうするのか?附属病院が得意とする分野は何か?ウクライナの情報はどうすれば正確に入手できるのか?など問題は山積みです。ぜひ自分の問題として考えてください。これが課題解決の典型例です。学長としてこの課題に1年間取り組みたいと考えていますので、折に触れて皆さんに情報発信をしたいと思います。
 さて今年も混乱と混迷の中での新学期になりましたが、創学150年の英知を集めて乗り切りたいと考えます。新入生の皆さんも心を一つにして協力をお願いします。改めて「おめでとう」
 此れを以て学長式辞と致します。
 
令和4年4月2日
京都府立医科大学 学長 竹中 洋

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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FAX:075-211-7093