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令和3年度 卒業式 式辞

 本日、ここに京都府立医科大学医学部医学科並びに看護学科の学部課程を修了し、卒業という晴れの日を迎えられた皆さん、おめでとうございます。また、大学院医学研究科博士課程、同修士課程及び保健看護学研究科博士課程、同修士課程を修了され、博士・修士の学位を取得される皆さん、本当におめでとうございます。
 
 新型コロナウイルス感染症の蔓延で、昨年同様卒業式を極めて異例の形で主催することになりました。卒業生の皆さんを慈しみ育まれたご家族を3年連続でお迎えできなかったことは残念の極みです。このような状況下でも本日ご臨席頂きご祝辞を賜りました、西脇隆俊京都府知事様、菅谷寛史京都府議会議長様に、教職員並びに卒業生を代表して厚く御礼申し上げます。
 
 新型コロナウイルス感染症の脅威は、近代医学に潜む盲点と考えられます。ワクチン接種が進んでも、ウイルスは巧みにその攻撃性を変化させ、若年者では軽症の風邪を装い、高齢者や基礎疾患の保有者では、高い致死率の肺炎像を示しています。無症候性ウイルス保有者は、臨床疫学的な感染防御を潜り抜けていますが、時に重篤な後遺症を残すことも報告されています。
 
 一方、医学の歴史を紐解けば感染症の克服が医学発展の契機となっていることがわかります。本学150年の歩みの礎もコレラや梅毒の駆逐と関係があり、改めて、感染症の恐ろしさを我々は体得しています。間接的な原因として地球温暖化や急速に進む自然環境の破壊、国際的交流の発展も指摘されています。結果的に現代医学や医療に、パンデミックへの備えがなかったことに気付けば、その改革の担い手は、ここにおられる若い皆さんです。人類が経験した多大な被害に目を向けて次の新興・再興感染症の予防と克服に英知と努力を注いで下さい。
 
 本学は現在、河原町キャンパスにおいて附属病院の建て替えを含む大学将来構想の基盤設計に取り組んでいます。北部医療センターには懸案であった地域医療学講座の教授選考を開始しています。また、京都市における地域医療の充実のために新しい病院機能の分担を目標にJCHO鞍馬口医療センターとアライアンスのための連携を始めました。教育面では出来るだけ学習者の自主的向上心が反映するカリキュラムの作成に注力し、医学科・看護学科ともに教育のスリム化を目指しています。保健管理センターも充実させています。
 
 また、研究面では若手研究者育成のためのボトムアップに備え、年間6名の大学院医学研究科博士課程の優秀者に研究専念資金の導入を行っています。教員の文部省科学研究費獲得は上位10位に絶えずランクされ、最近ではAMED等の大型資金の獲得も積極的に展開しています。今後は学部学生から研究志向を高めさらなる底辺の拡充に努めてまいります。
 
 しかし、残念な知らせもあります。2月に手術室の盗撮で附属病院医師が京都府警に逮捕される事件が発生しています。御心配をおかけしている府民の皆さんや患者さんにお詫び申し上げます。私たちのデイプロマポリシーにはプロフェッショナリズムの涵養を謳っており、患者さん本位の高度な医療の提供に際して、医師としての倫理観の欠如が露わにされたことは、痛恨の極みであり、社会の信用を失墜する忌まわしい事案であります。2月以降再発防止の献策と実行が附属病院で続けられております。極めて今日的課題に正面から取り組んでまいります。
 
 本学の使命は理想的な地域医療の構築に参加し、臨床課題に研究で応え、その結果を社会に還元することであります。療病院の開設から150年の年余を重ねて来たからこそ示せる本分の基礎力を皆さんと共に世に示すことを誓い、学長式辞と致します。
 
令和4年3月5日
京都府立医科大学 学長 竹中 洋

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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FAX:075-211-7093