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令和1年度 卒業式 式辞

令和1年度京都府立医科大学卒業式(令和2年3月7日)
竹中学長式辞
 
 本日、ここに京都府立医科大学医学部医学科並びに看護学科の学部課程を修了し、卒業の晴れの日を迎えられた皆さん、おめでとうございます。
 また、大学院医学研究科博士課程、同修士課程及び保健看護学研究科修士課程を、終了され、博士・修士の学位を取得される皆様も、本当におめでとうございます。
 コロナウイルス感染症の出現で卒業式を極めて異例の形で主催することになりました。卒業生の皆さんを慈しみ育まれたご家族をお迎えできなかったことは残念の極みです。このような状況下でも本日ご来駕いただきました、西脇京都府知事様、田中京都府会議長様、はじめご来賓の方々に、教職員並びに卒業生を代表して厚く御礼申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の出現は、国際交流の進行に潜む現代医学の盲点と考えられます。ウイルスは巧みにその攻撃性を変幻させ、若年者では軽症の風邪を装い、高齢者には本態を露わにし、高い致死率の肺炎像を示しています。無症候性病原体保持者は、生活習慣を変えることなく、感染防御を括り抜けています。国家レベルでの衛生学的手法や政治的判断が医療に必要なことを全世界が改めて学んだところでもあります。
 一方、このウイルス感染症が社会生活に及ぼす影響は計り知れないものがあります。学会や会議ではWeb使用が増えており、人の移動を伴わない会議形態が一段と進むと考えています。また、Officeの持つ意味が大きく変わりますし、どこで働くのかが改めて問われると思います。医療では遠隔医療技術の開発が進むはずです。社会生活が縮小することは観光の都でもあり、製造業の力が強い京都にとっては将来に禍根を残すことすら予想されています。世界経済への影響はリーマンショックと重ねて語られる場面も増えています。
 改めて、感染症の恐ろしさを我々は今体得しています。国際化の推進に加えて間接的な原因として地球温暖化や急速に進む自然環境の破壊も絡んでいると思いますが、結果的に医学や医療の発展に抜け道があったことに気付けば、その改革の担い手は、貴方方、若い皆さんです。
 医療人に望まれる人間性は、独立した高潔な人格は言うまでもありませんが、群れることなく正しいことを実践できる力、勇気が第一と思います。他人の病に共感できる暖かさは、苦しみ悩む人への無言の支援です。この2つが、本学が卒業に際して求めているプロフェッショナリズムの根底であり、この混乱の時にも変わらない原則であります。
 今、この時間にも附属病院で通常業務と新型コロナウイルス感染症対策に昼夜兼業で働いている仲間がいます。その代表として看護部長から「大きな声で、おめでとうございます」とのメールが届いています。医療人として活躍されることを心から希望いたします。
 弥生三月、「東風(こち)吹かば匂い起こせよ梅の花」と歌われています。皆さんも何時迄も大学に関心を寄せ、愛情を持っていただければと念じています。
 此れを以て令和元年度の卒業式での学長式辞と致します。
 
 
令和2年3月7日
京都府立医科大学 学長 竹中 洋

〒602-8566. 京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

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FAX:075-211-7093