図書館メールNews 第344号………………>>>>>2017.9.15発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- 教員コラム第11弾 第4回「時代小説と歴史小説」 耳鼻咽喉科・頭頸部外科/平野 滋先生    ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 論文評価のインパクトを測る!〜論文の評価指標と最近の潮流〜       図書館セミナーを開催します ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- 貴重書全文アーカイブに『上池秘録』『外科上池秘録』 『遠西名醫扶歇蘭度察病龜鑑』を追加 ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 夜間開館、23時まで延長試行中 ……………………………………………………………………………………………… [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】--- 教員コラム第11弾 第4回「時代小説と歴史小説」 耳鼻咽喉科・頭頸部外科/平野 滋先生 ………………………………………………………………………………………………  時代小説と歴史小説はよく混同されがちですが、文学的意味においては大きな 違いがあります。時代小説は過去の時代・人物・出来事などを題材として書かれ る小説で、多くは架空の登場人物を作って物語が展開されます。明治時代以前 (特に江戸時代)を舞台とすることが多く、大正の時代から戦前大いに盛り上が ったと言われます。「銭形平次」のように架空の人物を登場させるものから、徳 川光圀という実在人物を使いながら「水戸黄門漫遊記」のような史実にない物語 を展開するものまで様々で、この中から、吉川英治、池波正太郎、柴田錬三郎な どの名作家を輩出しました。一方、歴史小説は、主要な歴史上実在した登場人物 を描き、ほぼ史実通りに進行する物語ですが、人物の性格や出来事の本質に関し ては著者の考えが強く影響するため、同じ登場人物、出来事においても作家によ って解釈が随分と異なってきます。戦前この形の文学は殆どなく戦後に発達する 事になるわけですが、とりわけ司馬遼太郎らによって歴史小説は大きく変化し一 大ブームを巻き起こすことになりました。司馬史観として有名な「竜馬がゆく」 「坂の上の雲」「翔ぶが如く」の三部作、山岡荘八の「徳川家康」、吉川英治の 「私本太平記」など長編の歴史小説が時代を超えて人気をえるようになったのは 周知の事かと思います。最近ではもともとハードボイルド作家であった北方謙三 が、「水滸伝」や「三国志」といった壮大な歴史ロマン小説を書いて、皆をびっ くりさせました。歴史小説の魅力は、歴史上の偉人の、あるいはそうでない多く の人々の人生を疑似体験できる事にあります。人ひとりの人生は短く、一つしか 体験できませんが、歴史小説を読む事によって、他の多くの人生を体験できて面 白いし、いろいろな人生を経験する事によって人としての幅もいろいろな意味で 広がるのではないかと勝手に考えています。ちなみに、ここで引用した作家や作 品は皆私の愛読書です。 ※過去の教員コラムはこちら(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html)から ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】--- 論文評価のインパクトを測る!〜論文の評価指標と最近の潮流〜       図書館セミナーを開催します ……………………………………………………………………………………………… 論文の被引用件数を測るデータベース「SCOPUS」と、インパクトファクターの元 になる「Web of Science」より講師を迎え、論文評価指標について解説します。 またWeb上の影響度を計測するツールなど、最近の潮流についても紹介していた だきます。 論文を執筆する先生方、業績評価に携わる職員の皆様もどうぞご参加ください。 日時 平成29年10月6日(金) 場所 図書館AVルーム 講師 未定(クラリベイトアナリティクス)    芦田 仁(エルゼビア・ジャパン・カスタマーコンサルタント) チラシ こちら(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/news/2017/files/15051.pdf) ※講座と並行して、Web of Scienceのトライアルを10月から開始します。 (2017/10/1-11/30) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】--- 貴重書全文アーカイブに『上池秘録』『外科上池秘録』 『遠西名醫扶歇蘭度察病龜鑑』を追加 ……………………………………………………………………………………………… デジタルアーカイブ「貴重書全文アーカイブ」に、新たに3冊追加しました。 ・『上池秘録』(http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/denshi/kichosho/jouchihiroku/jouchihiroku.html) ・『外科上池秘録』(http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/denshi/kichosho/gekajouchihiroku/gekajouchihiroku.html)    著者の西川国華は江戸中期ー後期の儒者・医師。儒学は出生地近江で、医    学は江戸で学びました。 ・『遠西名醫扶歇蘭度察病龜鑑』(http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/library/denshi/kichosho/enseimeiifurandosatubyoukikan/enseimeiifurandosatubyoukikan.html)   著者フーフェランドはドイツの高名な医師。長年の臨床医としての経験を    もとに書かれた一冊が幕末に和翻されました。 次回は『脾胃論』『知生論』を予定しています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】--- 夜間開館、23時まで延長試行中 ……………………………………………………………………………………………… 2階第3閲覧室(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/guidemap/3etsu.html)の夜間開館、 学生の皆さんを中心に自習に活用されています♪ ・学内だから、kpum-airが使えます! ・キャップつきの飲み物なら持込OK! これからも利用ルールを守り、試行にご協力、よろしくお願いします。 ■図書館2階の第3閲覧室に限ります。 (他の閲覧室は通常通り平日21:00、土曜日18:00に閉館します) ■閉館時間から23:00までの間、入室はできません。退室は随時可能です。 利用手順 @附属図書館の閉館時刻5分前までに、第3閲覧室に移動します。 A23時までの間は、図書館・合同講義等1階の東玄関扉にある電気錠を自分で  操作、開錠し、退室できます。 B退室時、「閉館後の利用者ノート」に所属(医学科・看護学科など)・学年・  名前及び退出時間を記入してください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Book Review] ……………………………………………………………………………………………… 本川達雄著『ゾウの時間ネズミの時間 : サイズの生物学』 (中公新書 1992) サイズによって時間は変わる。 時間が違うということは、世界観も異なる。 しかし、時間は違ってもサイズによって変わらないものもある。 一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は同じである。 実際に計測されたデータから導き出された数式を元に説明が進み、それぞれの 生物にとって今ある形がいかに理にかなっているのかがわかる一冊である。 ヒトがおのれのサイズを知る、これは人間にとって、もっとも基本的な教養であ ろう。サイズという視点を通して、生物を、そして人間を理解してみるのもおも しろいのではないだろうか。(第2閲覧室 481.3||M)(K.M.) KPUM Library Booklog:http://booklog.jp/users/kpumlib    この本のページ:http://booklog.jp/item/1/4121010876 ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第344号 2017.9.15発行(隔週金曜日発行)      編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館              library@koto.kpu-m.ac.jp              http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/     ………………………………………………………………………      (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html