図書館メールNews 第338号………………>>>>>2017.6.23.発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- 新連載! 教員コラム第11弾 第1回「新しい道を求めて」  図書館長(病理学教室 分子病態病理学部門) / 伊東 恭子 先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 最新版Journal Citation Reports(JCR) がリリースされました  ……………………………………………………………………………………………… 【3】---「今日の診療Web」4タイトルが新版に更新! ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- 現況調査、実施中!回答は6/28(水)まで ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- 平成29年度第1回企画展示 <小さな生物たち>展を開催【予告】 ………………………………………………………………………………………………  [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】---新連載! 教員コラム第11弾 第1回「新しい道を求めて」        図書館長(病理学教室 分子病態病理学部門) / 伊東 恭子 先生 ………………………………………………………………………………………………    文化勲章を受賞された日本画の東山魁夷画伯に、1950年制作の「道」と名付け られた作品があります。ご存知の読者も多いでしょうが、一本の道が画面の奥に 向かってまっすぐに伸び、道の両側は幻想的な淡緑色で描かれています。道は、 画面の奥へゆくほど徐々に細くなり、やがて右へ曲がり画面の外に消えていきま す。青森県の種差海岸の風景のスケッチが元になっているそうですが、本来のス ケッチにあった灯台や放牧馬が、この作品には描かれておらず、「遍歴の果てで もあり、また新しく始まる道でもあり」という画伯の言葉から心象風景であるこ とを示しています。  20年近く前、国際学会での発表のため英国を訪問した折に立ち寄った湖水地方 の道は今も印象に強く残っています。湖水地方はワーズワースやビアトリクス・ ポターで有名な観光地であり、ポターの絵本に描かれた主人公の動物にどこでも 出会えそうな自然の景観に感動を覚えましたが、その魅力の1つは道にありまし た。丘を上下する曲がりくねった道の両横には歴史を感じさせる石垣が延々と続 き、垣の向こうには沢山の羊が放牧されていました。レンタカーを借りてその道 をドライブしたのですが、日常から乖離した不思議な体験をしたことを思い起こ しています。  ところで皆様は一体、どのような道を好まれますか。郊外の道として、遠くま でまっすぐに伸びた一本道、それとも曲がりくねった道、どちらをお好みでしょ うか。曲がりくねった道では、角を曲がったところで何に遭遇するかわからずス ピードは出せません。一方、遠くまでまっすぐ伸びた道はスピードをつい出しそ うになりますが、動物がいつ飛び出してくるやもしれません。また分岐点では決 断を迫られますが、見知らぬ土地をドライブするとき、日本では行き先を示す標 識がもっとあればよいのにと思ったことがあります。欧米と比較して、日本では 案内標識が必ずしも十分ではない印象をもちます。翻って、人生では必要なとき に標識がいつも現れてくれるわけではありません。ときには、選択した道がどん どん細くなり、ついには人っ子ひとり見えなくなり、さあどうしたものかと途方 に暮れてしまうことだってありましょう。  さて、このたび私は、竹中 洋学長の命により、5月1日付けで附属図書館長・ 総合情報センター長に就任しました。インターネット全盛の現在、大学図書館と 情報センターの長を併任することの意義が高まってきています。かつて図書館は 研究者の文献検索の場として不可欠な存在でしたが、インターネットを介して自 らの研究室(あるいは自宅)から文献に容易にアクセスできる時代を迎え、その 存在が見えにくくなっています。しかしながら文献情報にいつでもどこでもアク セスできる裏には附属図書館・情報センターの存在が厳としてあるのです。とも あれ京都府立医科大学附属図書館のありようを見直すこと、すなわち新しい道を 求めることを目標に掲げ、教職員の皆様の叡智を集めていく所存ですので、ご指 導・ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 *今年度も先生方にご協力いただき、隔号にて<教員コラム>を連載予定です。 第11弾は5月より図書館長に就任された伊東恭子先生からスタート!これからも お楽しみに!(編集担当より) ※過去の教員コラムは、こちらです(http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】--- 最新版Journal Citation Reports(JCR) がリリースされました  ……………………………………………………………………………………………… Journal Citation Reports (JCR)(https://jcr.incites.thomsonreuters.com/)のインパクトファクター2016年版がリリースさ れました。これにより最新のインパクトファクターは2016年となります。 どうぞご活用ください! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【3】---「今日の診療Web」4タイトルが新版に更新! ……………………………………………………………………………………………… 医学書院発行のベストセラー書籍15冊を同時に検索できる「今日の診療Web」 (http://top.islib.jp/bcs/ct/k_shinryo/index.php?do=check) 以下のタイトルが新版に更新されました。 ・今日の治療指針 2017 ・臨床検査データブック 2017-2018 ・治療薬マニュアル 2017 ・今日の精神疾患治療指針 第2版 同時アクセス3名まで。利用後はログアウトをお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【4】--- 現況調査、実施中!回答は6/28(水)まで ……………………………………………………………………………………………… 現況調査の調査票に各所属からご回答、ありがとうございます。 現況調査では、図書館利用証をお持ちの方の在籍・職名の変更等をお伺いします。 締切は6月28日(水)。まだ回答がお済みでない所属が9教室ございます。 ご担当様、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【5】--- 平成29年度第1回企画展示 <小さな生物たち>展を開催します【予告】   ……………………………………………………………………………………………… ■期間:平成29年7月4日(火)〜8月5日(土) ■場所:附属図書館1階 特設展示コーナー 「虫」と呼ばれるものから医学でよく見る微生物単位まで、様々に書かれた図書 を集めてみました。本を手にとって個々の生物たちのよいところ悪いところを知 り、この夏に向けて生物たちと過ごしてみませんか。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [Book Review] ……………………………………………………………………………………………… 「フラジャイル:病理医岸京一郎の所見」1巻〜7巻(2014 草水敏原作;恵三朗漫画) 最近の医療漫画は現場をよく調べてから描いているので、リアルさがあり、患 者、医療者も勉強になるものとしてますます読まれていくでしょう。 当館もいくつか医療漫画を所蔵しています。つい最近登録した医療漫画を紹介し ます。 「論理と顕微鏡、それが彼の凶器」  主人公の岸京一郎(きし けいいちろう)は変人だが、非常に優秀な病理医。 患者を見るわけでない、病気と闘うわけでもない、切ることもない。ただ、ひた すらに顕微鏡を覗き、データと証拠を集め、病気の原因を調べ診断を下す。各診 療科の医師は彼の鑑別をもとに、診断を確定させたり治療の効果をはかる。 医師たちの羅針盤だが、変人で非常に実力があるがゆえに、カンファレンスでは、 歯に衣着せぬ物言いで他の医師を追い詰めたり、ネット上でも場を荒らしたりする。 が、医師たちは彼のことをこう言う。「強烈な変人だが、極めて優秀だ」と――。 悪人面、性格も悪そう。更には口も悪い。しかし診断は正論で間違っていること はない。強い信念と独自のやり方、間違いのない鑑別で立ち向かう。岸の周囲も 個性的(変わっている)な人ばかりで、やり取りもまた面白い。 ぜひ一読を。 (第2閲覧室 490.4/F)(M.H.) KPUM Library Booklog:http://booklog.jp/users/kpumlib    この本のページ:http://booklog.jp/item/1/B00PI1BDS4 ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第338号 2017. 6. 23発行(隔週金曜日発行)      編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館              library@koto.kpu-m.ac.jp              http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/     ………………………………………………………………………      (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html