図書館メールNews 第294号………………>>>>>2015. 10. 16発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  目次 ……………………………………………………………………………………………… 【1】--- 教員コラム第9弾! 第6回 「軽井沢の図書館」       医学生命倫理学(人文・社会科学教室)  瀬戸山 晃一 先生 ……………………………………………………………………………………………… 【2】--- 未製本雑誌の貸出・閲覧停止について ……………………………………………………………………………………………… 【3】--- [DynaMed Plus]トライアル中 ……………………………………………………………………………………………… 【4】--- ご不要な図書を大募集!〜リユース市開催にむけてのお願い〜 ……………………………………………………………………………………………… 【5】--- ノーベル賞受賞者の論文等無料公開中 ……………………………………………………………………………………………… [ Book Review ]・・・編集後記にかえて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】--- 教員コラム第9弾! 第6回 「軽井沢の図書館」       医学生命倫理学(人文・社会科学教室)  瀬戸山 晃一 先生   ………………………………………………………………………………………………  私は人文社会科学の教育研究者なので、研究室や書斎には、数えたことはない が、少なくとも千冊をはるかに越える書籍があり、研究に必要な新しい文献は、 電子データとしてアクセスし入手できるので、大学図書館なるものを利用するこ とがない。10年以上勤めた前任校の大学でも図書館は、会議や説明会、交換留学 生オリエンテーションの際の案内などの校務で利用する以外には、ほとんど利用 したことがなかった。今年4月に本学に着任してからも、多忙な毎日に追われて 図書館を利用した経験がない。そのため、本学以外の図書館について本コラムで 書かせて頂くことをお許し頂きたい。  この夏に久しぶりに図書館なる空間に出かけた。大学のではなく町の図書館に である。夏季休暇中に叔父母夫妻に会いに2年ぶりに軽井沢の親戚の別荘を訪ねた。 山の中にある別荘で、持参したWi-Fiの圏外でネットにPCがつながらず、仕事の メールの送受信や倫理審査のウェブ入力ができない。そこで中軽井沢の駅に数年 前にオープンした町の図書館に数日通った。休みにもかかわらず、多くの利用者 がいて、2階の窓側の席からは雄大な浅間山を眺めることができる。持ち込みPC が使えるコーナー(席)は、受付で手続きをすると1時間利用でき、待っている人 がいなければ1時間延長できる。ほぼ席は埋まっていた。受験生も勉強しているよ うであった。その他、閲覧コーナーには子どもから年配の方まで幅広い年齢層の 方が利用されていた。独特の文化風土を有する軽井沢の図書館は、軽井沢を題材 にした書籍や作家のコーナーなども設けられていた。ご利用案内のパンフレット には、「集いと出会いを楽しむ交流の拠点」とあり、児童エリアや会議室や多目 的室などもあり、図書館専用の数時間無料駐車場も設置されている。  先日、このコラムを執筆するにあたって本学図書館に入館してみたが、昼休み ということもあってか利用者がほとんど見当たらなかった。周知のように電子ジ ャーナルやデータベースに、シボレス認証を利用して学外からも簡単にアクセス できるようになり、大学図書館の空間としての利用の必要性がますます見えなく なってくる現在にあって図書館の存在意義を見直す時期に来ているように思う。  私は、歴史を感じさせ知的遺産を継承し続ける図書館の静かな席は、研究や仕 事に行きづまった時のオアシス的な空間としても必要に思っている。また府民の ための地域に開かれた大学として、図書館をもっと地域住民などに解放する機会 を設けたり、さまざまなイベント(知的交流)の会場として利用してはどうだろ うかと、何度か軽井沢の町の図書館に通ってそう感じた。  日本の代表的な避暑地として知られる軽井沢には、別荘が約15,200(2014年1月 現在)あり、約9300という町民世帯数(2015年2月現在)よりも圧倒的に多い。町 並みには独特の文化と知的雰囲気がある。著名な文学者や政財界人、芸術家や芸 能人など、多くの人が別荘をもっていたり、退職後に移住してくる方も一定数お り、近年では新幹線が通るようになって軽井沢から通勤している大学教授や会社 役員等もいる。今回自宅にお邪魔した、小宮山洋子元厚生労働大臣は、東京の自 宅を引き払って移住されてきた住民の一人である。小宮山元大臣の実の父は、元 東大総長で成城学園学園長の民法学者(故)加藤一郎先生であり、最後の大学院 演習を受講した際に医療過誤訴訟の判例についてディスカッションさせていただ いたことを大変懐かしく思い起こした。小宮山元大臣からご恵贈いただいた『厚 生労働大臣・副大臣742日』の最後に「・・・後世への借金のツケ回しは、子ども に負の遺産を残すことになる。今の社会を少しでもよりよいものにして、これか らの世代に手渡す責任が私たち大人にはある。」というメッセージが記されてい る。  医科学技術の進歩は、将来世代に多くの正の遺産を残すのみではない。我々の 死生観や伝統的に引き継がれてきた倫理や価値観、さらには家族のありかたをも 根本的かつ不可逆的に変質させてしまう可能性を有している。私が研究している 「生命倫理学」や「医療と法」も、医科学技術発展に伴う負の遺産や倫理的な課 題を先送りしたり、将来世代に押し付けることを避け、最小限に抑えるところに 一つの学問的な存在意義があると考えている。  数え切れない書物が日々出版消費されていく中で、時代を越えて受け継いでい かなければならない知的遺産が集められた空間として、図書館の存在意義は消え ることはないと思う。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2】--- 未製本雑誌の貸出・閲覧停止について ………………………………………………………………………………………………  図書館では10月〜11月にかけて2014年発行雑誌を中心に製本作業を 実施しています。 ついては、下記の期間は利用できませんので、御協力をお願いします。    <和雑誌・洋雑誌(共通)>   ◆貸出停止日 ・・・ 10月13日(火)から   ◆閲覧停止日 ・・・ 10月21日(水)から    *出来上がり予定は、11月下旬になります   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【3】--- [DynaMed Plus]トライアル中 ………………………………………………………………………………………………  本学で提供している「DynaMed」の上位版リリースに伴い、トライアルを実施  します。これまでのDynaMedの各種の機能はそのままに、インターフェイスの  デザインを一新し、高解像度の医療グラフィックイメージによる検索結果が  追加されています。  アクセス先:http://search.ebscohost.com/login.aspx?groupid=trial&profile=dmp  トライアル期間:2015/12/31まで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【4】--- ご不要な図書を大募集!〜リユース市開催にむけてのお願い〜 ………………………………………………………………………………………………   特別企画として大好評の「図書のリユース市」を、今年度も開催します。   開催にむけて、学内の皆さまからご不要な図書を募集します。  ◆ 募集期限 : 平成27年11月5日(木)まで    募集対象 : @ご不要な図書 Aジャンルは不問 B書き込み等のないもの   □ 図書館カウンターにご持参ください。     通常の寄贈と区別するため「リユース市用」とお伝えください。   □ リユース市終了後、残った図書については図書館にご一任ください。   □ ご不明な点などありましたら、下記までお問合わせください。     電話:内線9400(リユース市担当)  ◆ リユース市は10月26日(月)から11月5日(木)まで 附属図書館    1階カウンター前にて開催します。   どなたでもご自由にお持ち帰りいただけます。平日は毎朝追加しますので    お気に入りの1冊を探しに足繁くお越しください! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  【5】--- ノーベル賞受賞者の論文等無料公開中 ………………………………………………………………………………………………  出版社WileyのWebサイトで、2015年ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・  北里大特別栄誉教授の論文等を2015年12月10日まで無料公開しています。  この機会にぜひご利用下さい。                 リンク先                  ↓ http://www.chemistryviews.org/details/ezine/8427871/Nobel_Prize_in_Physiology_or_Medicine_2015.html ……………………………………………………………………………………………… [Book Review] 「清潔はビョーキだ」(朝日新聞社 1999 藤田 紘一郎 著)  過度に清潔な生活を求めすぎると、逆に免疫力を損なう可能性があるという  聞き捨てならない警告の本である。  とくに気になったのは「子供のうちにかかっておくほうがよいと思われる感  染症」という話があり、それは大人になってからだと重大な後遺症をのこす  可能性があるとのこと。自分自身もかかってないものが複数あり戦々恐々と  しているのだが、すでに社会人になった今、ほどよく清潔にしないのは無理  な話であり、なかなかに悩ましい。                     (第2閲覧室 498.6/F )(N.M)  トップページ:http://booklog.jp/users/kpumlib     この本のページ:http://booklog.jp/item/1/4022572795             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ………………………………………………………………………………………………  図書館メールNews  第294号 2015. 10. 16発行(隔週金曜日発行)     編集・発行 : 京都府立医科大学附属図書館             library@koto.kpu-m.ac.jp             http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/     ………………………………………………………………………      (図書館メールNewsのバックナンバーはこちらから↓) http://www.kpu-m.ac.jp/k/library/sougouannai/mailnews.html ………………………………………………………………………………………………