ブックタイトル京都府立医科大学 大学案内2017

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概要

京都府立医科大学 大学案内2017

基礎医学充実した講義と実習を組み合わせ、医療・医学の根幹を学ぶ本学独自の基礎医学教育基礎医学とは、人間の体の構造と機能を究明する学問で、医学・医療の根幹をなす分野です。生命現象は極めて精密に制御されており、調和が保たれていますが、それがどのようなメカニズムで行われているのかを、「形態」と「機能」の両面から学ぶことが、基礎医学の第一の目的です。そして、疾病が起こるのは、このような制御や調和が乱され、修復できなくなった時であることを理解することが第二の目的です。このようにして、臨床医学教育を受けるための基盤を築きます。この目的を達成するために、第2学年から第3学年にかけて、解剖学、生理学、分子医科学、病理学、感染病態学、免疫学及び薬理学を学びます。幸いなことに、本学の長い歴史の中で培われた伝統が基礎医学教育に独自性と多様性をもたらし、貴重な資料や豊富な研究実績に裏打ちされた授業は大変充実した内容となっています。薬理学薬理学では、薬物の生体内動態、薬理作用と副作用、薬物の相互作用などを学びます。また、将来臨床医となったときに的確な薬物療法が行えるように配慮された授業内容となっています。病理学臨床医学の基盤となる病理学においては、疾病の原因や成り立ちを具体的に把握することを目的として、形態から分子機構に至るまで極めて広範囲で、しかも密度の高い授業が行われています。そして、実際に自分の目で見て、納得できるまで実習できるように配慮されている点は特記すべきところです。また、実際の医療症例を臨床と基礎が協同で総合的に解析する臨床病理学のコースも開かれています。以上の基礎医学の授業を受けた後、研究配属のコースが設けられています。これは、学生が基礎医学分野の研究を自主的に実習することを可能としたプログラムで、感受性に優れた学生時代に基礎医学及び社会医学の研究室に出入りして基礎医学研究に参画することにより、将来の医学研究者の芽を育むことを目的としています。生命現象を「形態」および「機能」面からアプローチ生命の尊厳について考えることも教育目的に解剖学解剖学は、医学における最も基本的な学問であるため、授業時間も多く、講義・実習と多様な授業方式を駆使することによって、理解を深める工夫がなされています。解剖学の目的は、「かたち」を科学すること、すなわち形態の上から生命現象の本態を追求することにあります。それと同時に、生命の尊厳について深く考えることが重要な目的です。そのために、人間に関する解剖学を中心に、幅広い教育が行われます。病理学生理学・分子医科学生理学、分子医科学においては、生命現象を機能面から動的にとらえて理解するために、多くの研究成果に基づいて、分子、エネルギー、情報、ゲノムなどの観点から制御や代謝の機構を学びます。そして、疾病の発生メカニズムを理解するための基礎を築きます。この医学分野は進歩が早く、定説はしばしば新しく塗り変えられています。したがって、この事実を自分で正しく理解し、批判的思考を基に独自の視点を立てることのできる能力を養うことが重要です。このようなポリシーの下に、現時点でまだ解明されずに残されている問題点や、その解決方法について考える機会を与えることにも配慮した授業が行われています。研究配属感染病態学・免疫学感染病態学では、細菌、ウイルス及び寄生虫による感染症について学びます。また、国際交流が進んでいる現在、日本国内ではほとんどみられない感染症に海外で感染したり、外国人による感染症の持ち込みなどの新しい問題が生じているので、その知識を習得し、対策方法を学ぶことも授業内容に含まれています。この病原体の感染に対して、ヒトの体が身を守るしくみが免疫です。免疫系は、他の生体システムとは全く異なる驚きに満ちており、免疫学ではこの驚異のメカニズムについて学びます。免疫はまた、アレルギー性疾患、自己免疫病、悪性腫瘍、臓器移植や再生医療にも密接に関連していますので、基礎から臨床への関連まで学びます。医学科School of Medicine 08