ブックタイトル京都府立医科大学 大学案内2017

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概要

京都府立医科大学 大学案内2017

卒業生の声誇らしき哉、わが母校私が京都府立医科大学を常々誇らしく思うのは、その創立以来一度も中断することなく続いた歴史が144年にも及び、これが東京大学医学部創立に遅れること僅か3年で創立された医学教育機関として、本邦第二位であり、卒業生の数もそれに比例して多いというような物理的な数値だけを意識しているわけではありません。私は、母校の卒業生が実に多彩な分野で活躍しているということを最も誇らしく思っているのです。国内だけでなくアメリカやドイツなどの有名な大学で傑出した活躍をしている教授や研究者たちもおれば、臨床家でありながら岩波文庫で近代詩集を残した詩人、映画監督として一流になった人、作曲家兼演奏家として一世を風靡したのち医系の大学教授になった人など、わが母校がいかにリベラルな人間らしい教育をしてきたか、如実に証明していると思っています。当然でしょうが、臨床医師として京都府を中心に活躍している人の数は一番多く、この意味で母校が地域医療に貢献している程度は、全国の医系大学では最高であることに間違いはありません。一方、看護学科も実は、明治22年、日本政府公認の産婆教習所の開設以前に、明治5年から療病院で、ドイツ人医師ヨンケルが看護師(助産師を含めて)の教育を始めており、これは疑いもなく日本で最初の洋式看護学教育の始まりを告げるものでした。私が母校、京都府立医科大学を卒業したのは昭和30年でしたから今年で満60年になりますが、私が直接目撃してきた母校の発展振りに、毎日、大きな誇りを感じているこの頃であります。ルイ・パストゥール医学研究センター分子免疫研究所所長本学元学長昭和52年朝日賞、平成2年島津賞、平成8年紫綬褒章藤田晢也■昭和30年卒業京都府立医科大学の善き伝統-世界への目線とチャレンジ精神奈良県立医科大学第一解剖学講座教授西真弓■平成3年卒業私は卒業後麻酔科で研修を受け、3年目より大学院へ進学しました。麻酔を通して神経科学に強く興味を持ちはじめていたことから、当時の第一解剖学(現生体構造科学)の河田研究室で基礎研究を開始しました。大学院在学中には2年間アメリカへ留学。帰国後は本格的に研究者を志すことに決め、第一解剖学教室のスタッフとして採用していただきました。以後、伝統ある京都府立医科大学第一解剖学教室において、時代の先端をいく最新の手法を駆使しながら、常に新たなコンセプトで研究にチャレンジし、世界の一線級の目線で研究を続けるという、世界を意識した研究態度を学びました。また、医学教育者としては、講義は常に最高の内容を提供すべく、勉強を怠らず、情熱と誠意をもって学生に接する真摯な姿勢を叩き込まれました。京都府立医科大学で学んだこれらのことは、私の大きな財産であり、平成21年8月より奈良県立医科大学に着任してからの教室運営のさまざまなシーンで活かされています。現在の研究室では、神経内分泌系の視床下部-下垂体-副腎系を基軸に、幼少期のストレスが脳に及ぼす影響の分子基盤、細胞外マトリックスと脳の可塑性の研究を中心に据えています。医学の基礎研究における発見は、忍耐強く積み重ねられた努力の結晶です。発見した時の喜びは格別なもので、まさに心躍る瞬間です。そうした新たな発見を目指して、活発な議論を交わし、知的興奮を分かち合いながら研究成果を世界に発信し、共に研究していく、そういう熱い仲間を求めています。気軽にお声かけ下さい。15医学科School of Medicine