ブックタイトル京都府立医科大学 大学案内2017

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概要

京都府立医科大学 大学案内2017

社会医学保健・予防医学社会的存在としての人間の健康に着目し、包括的なケアによる予防、治療の実践手法を学ぶ基礎医学や臨床医学と社会医学との違いは、互いに関連するために厳密に区分することは困難ですが、教科としては、保健・予防医学、法医学などが含まれ、いずれも社会との関わりを何らかの形で持つ領域になります。保健・予防医学では、健康という概念を考える場合に、肉体や精神の健康だけでなく社会的にも健康であることが重要であることを、特に教育されます。具体例には、医師が体の健康ばかりに目を向けていると、心理的問題に起因する疾患に対して正しい対処ができなくなります。従って、その心理的問題のバックグラウンドとして患者さんの職場環境や人間関係などの社会的要因が、健康にかかわる極めて重要な要素となりえます。このように、社会医学では健康を肉体的・精神的・社会的側面から包括的に考えることが一つの重要なポイントとしてあげられます。この他、予防医学や環境医学を地域的、国際的に展開していくことの重要性も強調されます。分子レベルの手法から疫学的手法までの様々な方法を活用して、目的を達成することを学びます。地域社会との関わりの中で医療をとらえ患者さんにとって必要な社会的支援等の知識を習得医療は医学の社会的適用であるとも言われており、医学を社会化していく際の原理と原則を学んでいくことが社会医学教育の中で行われます。例えば、脳卒中のために能力低下を残して退院していく患者さんが、介護保険の認定対象となるのか、地域におけるどのような資源を利用することが可能なのかといったことを臨床医が知らずに告知しなければ、患者さんは必要なサービスを享受することができません。喫煙は健康に良くないことは誰もが知っていますが、病気をもちながら喫煙を止められない多くの患者さんがいます。喫煙を止めるためにはどのような社会的支援が必要なのかといったことも社会医学の大きなテーマです。現代社会において重要性が高まる「医療と法律」の関係について学び、社会医学的諸問題に対応法医学は、社会の法律上の諸問題について医学的検討を行う社会医学の一部門です。現代社会では、生活様式の変化、高齢化社会、疾病構造の変化、医療環境の激変などに伴い、従来遭遇したことのない新しいタイプの社会医学的諸問題が発生しており、法医学はこの社会現象に対して医学的検討を行い、その解決に寄与しています。例えば、複雑多様化している「死の態様」について、犯罪性死体に対しては司法解剖を通して事件・事故の解明に寄与し、非犯罪性死体に対しては承諾解剖を通して、医学的要因だけでなく社会的要因を含む、異状死に至った原因を解明し、遺族・社会に還元しています。また、法医学は臨床医学と極めて関係が深く、「臨床法医学」の立場から、医事法規・医療事故・医療訴訟、医学生命倫理学(先端医療、臓器移植、遺伝子治療、不妊治療、新しい医療観など)に貢献しています。このように、法医学では、「医療と法律」の関係について、自然科学と社会科学を包括した社会医学的視点から学ぶことになります。【専門教育開講科目一覧】専門教育基礎医学社会医学臨床医学授業科目解剖学生理学分子医科学感染病態学(微生物・医動物学)免疫学薬理学病理学保健・予防医学法医学内科学外科学脳神経外科学整形外科学産婦人科学小児科学眼科学皮膚科学泌尿器科学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学精神医学放射線医学麻酔科学疼痛緩和医療学臨床検査医学救急医療学総合診療学リハビリテーション医学生物統計学臨床実習地域医療実習そ総合講義の研究配属他英語(教養・医学)医療文化史学医療統計学医療倫理学歯科口腔科学臨床病理セミナー※黒文字は必修科目、青文字は選択科目※授業の開講時期は変更になることがあります。2年次3年次4年次5年次6年次ⅠⅡⅢⅠⅡⅢⅠⅡⅢⅠⅡⅢⅠⅡⅢ09医学科School of Medicine