【論文掲載】味を舌から脳へ伝えるしくみを解明

味を舌から脳へ伝えるしくみを解明
~活動電位依存性ATPチャネルの発見とその生理機能に関する論文掲載について~
 
 京都府立医科大学大学院医学研究科細胞生理学樽野陽幸講師ら日米国際共同研究グループは、活動電位という神経細胞の素早い興奮によって活性化するアデノシン3リン酸(ATP)透過性イオンチャネルCALHM1/CALHM3を世界で初めて発見し、これが舌にある味覚センサー器官である味蕾から神経系への味の情報の伝達を担うことを解明し、本件に関する論文が、科学雑誌『Neuron』に米国東部時間平成30年4月19日(木)12:00オンライン速報版に掲載されましたのでお知らせします。
 
 5基本味を受容する味蕾のセンサー細胞の中でも、甘味・苦味・うま味を味覚情報として脳に伝達する役割を持つII型味細胞の分子メカニズムは、味覚研究分野において長らく大きな謎でした。本研究では、Calcium homeostasis modulator 1(CALHM1)とそのホモログCALHM3によって作られる複合体CALHM1/CALHM3が活動電位で素早く活性化するATPチャネルとして機能し、味細胞からの神経伝達物質の放出を担うことで味の認識を可能にしていることを解明しました。
 
 食べ過ぎ、飲み過ぎは生活習慣病(肥満・糖尿病・高血圧など)の一番の原因です。暴飲暴食の原因は食べものの「おいしさ」にあります。本研究成果をもとに、味覚情報の舌からの出力を制御するCALHM1/CALHM3チャネルをターゲットにした食品設計・薬品開発から、飽食の現代にあって食の喜びを維持しつつ生活習慣病予防が可能な将来を期待することができます。また、全く新しい神経伝達の分子基盤を明らかにした本研究成果は、将来、神経疾患の原因の理解や治療法の開発に貢献することが大いに期待されます。
 
【掲出雑誌】
  科学雑誌 Neuron[米国東部時間平成30年4月19日(木)12:00 オンライン版掲載]
 
 【論文名】
CALHM3 is essential for rapid ion channel-mediatedpurinergic neurotransmission of GPCR-mediated tastes
[日本語:CALHM3はGPCR依存性味覚の速いプリン作動性神経伝達を担うイオンチャネルの必須サブユニットである
 
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