【論文掲載】頻繁な明暗シフト環境への長期暴露は慢性炎症を誘導

頻繁な明暗シフト環境への長期暴露は慢性炎症を誘導
~概日リズム障害を起こす環境条件に関する研究~
 
京都府立医科大学の研究グループは、マウスのシフトワークモデル条件下での長期前向き観察研究により、長期にわたる概日リズム障害は慢性的な炎症を誘導するとともに寿命が短縮するマウスが増加する傾向があることを発見し、本研究に関する論文が2017年10月13日(金)に日本睡眠学会の国際学術誌「Sleep and Biological Rhythms」のオンライン速報版に掲載されました。
 これまで、明暗環境の頻繁なシフトによる概日リズム障害がマウスなどの動物実験で寿命を短縮させることが分かっていました。今回、二種類の異なるシフトワークモデル条件下でマウスを長期間飼育し、前向き観察研究を行うことで概日リズム障害の病態解明の手がかりが得られるか検討しました。その結果、明暗周期を頻繁にシフトさせ概日リズム障害が顕著な群で、寿命の短縮傾向が見られるとともに慢性的な炎症が生じていることが分かりました。今回の研究はパイロット研究として実施したもので、今後さらなる検討が必要ではありますが、この結果を受けて、持続する概日リズム障害では免疫恒常性の破綻が疾患リスク上昇に影響する可能性が浮かび上がり、この点について詳細な研究の必要性が示唆されました。
 本研究成果は、シフトのタイプによって健康への影響の大きさが異なる可能性を示唆する研究事例であり、今後さらに解析を進めることで、概日リズム障害と疾患リスク上昇の因果関係に迫り、関連疾患に対する予防策の開発や、心身への負担が少ないシフト解明に繋がることが期待されます。

【論文名】
Chronic inflammation in mice exposed to the long-term un-entrainable light-dark cycles" by Minami et al.
[日本語:マウスにおける同調不能な明暗環境サイクルへの長期暴露は慢性的炎症を惹起する]
 
【掲出雑誌】
Sleep and Biological Rhythms誌[2017年10月13日(金)オンライン速報版掲載]
 
【研究グループ】
京都府立医科大学大学院医学研究科 統合生理学 教授  八木田 和弘(やぎた かずひろ)
                           南 陽一  (みなみよういち)
                           大橋 宗洋 (おおはしむねひろ)
【共同研究者】
京都府立医科大学大学院医学研究科 人体病理学 教授   小西 英一  (こにしえいいち)
                 生物統計学 教授   手良向 聡  (てらむかいさとし)
 
 
報道発表資料はこちら
COPYRIGHT (C) 2012 KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE ALL RIGHTS RESERVED.