【論文掲載】胃がんをリアルタイムで監視する時代へ

胃がんをリアルタイムで監視する時代へ
~EBウィルス関連胃がんを血液で検出する手法に関する研究論文の掲載~
 
 京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学 市川大輔准教授、徳島大学大学院医歯薬学研究部人類遺伝学分野 井本逸勢教授、増田清士准教授ら研究グループは、血液中の遊離DNAを用いて解析するリキッドバイオプシー(液体生検)技術により、血液検査のみでEBウィルス関連胃がんの検出を可能にする方法を開発し、本件に関する論文が、2017年2月24日『Oncotarget』オンライン版に掲載されましたのでお知らせします。
 近年の解析技術の進歩により、胃がんはがんゲノムの特徴によって効果的な治療法の選択に繋がることが明らかとなってきました。Epstein-Barrウィルス(EBV)感染は胃がんの約一割の症例で認められます。そのようなEBV関連胃がんでは、現在開発中のものを含めていくつかの分子標的薬が効果を示す可能性のある遺伝子の変化が高率に検出されることから、重要な分子マーカーになると考えられます。現在は手術時に摘出されたがん組織を用いて、EBV感染の有無が診断できますが、がんの治療中や再発時にがん組織をとることは侵襲が大きいために実際に検査が行われることは稀です。
 そこで今回、循環血液中の遊離DNAをリアルタイムPCR法によって解析するリキッドバイオプシー(液体生検)技術を用い、がん組織を用いることなく、胃がんのEBV感染を低侵襲で検出する方法を開発しました。
本研究成果により、血液によるがんの進行状況などの診断が可能となり、治療効果の予測・判定や、再発の監視などをリアルタイムにかつ低侵襲に行えるようになるため、今後の胃がん診断に有用なツールとして期待できます。
 
【責任著者】
京都府立医科大学消化器外科 准教授 市川大輔
徳島大学大学院医歯薬学研究部人類遺伝学分野 教授 井本逸勢
 
【論文名】
Clinical utility of circulating cell-free Epstein–Barr virus DNA in patients with gastric cancer.
[日本語:Epstein-Barrウィルス関連胃がん患者では、循環血漿中のDNAを用いることにより低侵襲でリアルタイムに胃がんの診断や経過観察を可能にする]
 
【掲出雑誌】
科学雑誌Oncotarget
参考URL:
http://www.impactjournals.com/oncotarget/index.php?journal=oncotarget&page=article&op=view&path[]=15675
 
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